Everyday I have the BLUES

10代の頃はハードロックに夢中だったのに、最近はブルースが心地いい。。。

香ばしい麦茶のブルース

2005-06-28 07:49:48 | Weblog
目を覚ました瞬間の気持ち良さで、
その日一日の流れが決まります。

例えば、実際には3時間しか眠っていないのに
7時間きっちり疲れを癒せたような晴天の日は、
朝からBダッシュ。

かと思えば、7時間は眠ったはずなのに、
一度まばたきをしただけて朝が来てた…、
みたいな曇天模様の日もあって、
そんな日はまずトーストを牛乳で流し込むことから
一所懸命にならなければなりません。

で、今日の目覚めはというと。

2時間置きの睡眠を3回ほど繰り返した眠気まなこで、
無造作にテーブルの上のコップを手にとって、
お茶を一口飲んだら、
麦茶なのに異様に香ばしい。

「ん?」
と思って、そのコップの中を覗きこんだら、

アリさんが溺れていました。

そんな朝です。

ふふふ。


マイロックンロールブルース3

2005-06-26 12:33:41 | Weblog
先日、学生時代の友人と飲んだ折に、

「お前はこっちが100%で接すれば
必ず100%で返してくれようとするところがいい。
そして、実際に100%以上で返ってくるからすごい」

と言われて苦笑した。

世辞か皮肉か、
その言葉をスルメのように噛みながら、
目の前の琥珀色に手をかざす。

いつからだろう。

相手の音色を感じると、
自分の音色との共鳴を探して、
手持ちの引き出しをひっくり返してしまう。

それはもう、強迫的なほどに。

たいして耳がいいわけでもなく、
たいしてテクがあるわけでもないのに。
自分が今存在しているその空間を、
できるだけ楽しみたいという一心で。
まわりの音に耳を澄まして。
その場に必要な音を探して。

時には自分の音を薄めてまで、
空間プロデューサーを気取ってしまうから、
・・・やれやれだ。

だけど、
そうして“場”の協奏に夢中になってみても、
誰かの投げかけに対して、
100%で応えられることなんてほとんどない。

ときどき、
「そんなに主張がなくていいの?」
なんて突っ込まれて、
赤面しながら、
「主張しないことを主張しているんだよ」
と言葉遊びを楽しもうとするけど、
うまくいかず、ひとり、笑う。

臆病で退屈な自分を目撃するたび、
別な歩き方に憧れてみたりもするけれど、
結局、自分は自分でしかないのだと、堂々巡り。


…やれやれ、
自分をしょって歩いていくしかしょうがないか、
と何度目かのため息を漏らしながら、

ときには、ざらついた不協和音さえも
セッションの醍醐味だと楽しめるようになれたらと、
自分の世界の先を見る。

それができれば、きっと、
世界がもっとおもしろくなるだろう。

10代の頃に抱いていた無根拠な自信や勢い。
一度は手放したそれらが、
いくらか熟成されて芽をふかしてくれるのを楽しみにしながら。

30円のブルース

2005-06-24 10:39:01 | Weblog
べろんべろんに酔っ払って、
千鳥足でおうちにたどり着きました。

「仕上げはチキンラーメンだ!」と
鍋で茹でて、卵をぽとん。。

一口啜ってにやけたところまでは
覚えているのですが、その先の記憶が全くなくて。

気が付いたら、
丁寧にひかれた布団の中で、
朝をむかえていました。


《飲んだお酒》
・生ビールを2杯。
・芋焼酎をロックで3杯。
・バーボンをロックで1杯。
・スコッチをストレートで3杯。

《財布の中身》
・30円。

とほほ。。。

スローな夜のブルース ~キャンドルナイト~

2005-06-17 02:07:39 | Weblog
今年も、6月18日から夏至の21日まで、
「100万人のキャンドルナイト」が開催される。

夏至の夜だけは、
『電気を消してロウソクの火で過ごしませんか?』
というイベント。


“私たちは100万人のキャンドルナイトを呼びかけます。
2005年の夏至の日、6月21日夜、8時から10時の2時間、
みんなでいっせいに電気をけしましょう。

ロウソクのひかりで子どもに
絵本を読んであげるのもいいでしょう。
しずかに恋人と食事をするのもいいでしょう。
ある人は省エネを、ある人は平和を、
ある人は世界のいろいろな場所で生きる人びとのことを思いながら。
プラグを抜くことは新たな世界の窓をひらくことです。
それは人間の自由と多様性を思いおこすことであり、
文明のもっと大きな可能性を
発見するプロセスであると私たちは考えます。
一人ひとりがそれぞれの考えを胸に、
ただ2時間、電気を消すことで、
ゆるやかにつながって「くらやみのウェーブ」を
地球上にひろげていきませんか。

2005年、6月21日、夏至の日。よる8時から10時。
でんきを消して、スローな夜を。
100万人のキャンドルナイト。 ”
(キャンドルナイト、呼びかけ文より)


これ、なかなか素敵なイベントだと思う。
あまり高尚なことはわからないけど、
せっかくだから俺も電気を消して、
スローな夜を感じてみたい。

それは地球のため・環境のため
というよりむしろ、自分のために。

ロウソクの灯をたよりに
アコースティックギターを弾くのも気持ちよさそうだし。
スコッチをなめながら、
蛙の鳴き声に耳をすますのも、きっと心地いい。
はたまた、
お月さんを見上げながら愛をささやこうか、なんて。

普段の自分よりちょびっとだけ、
優しくあれそうなそのひとときを。

あなたならどう過ごしますか?

あたいの音色は・・・ブルース

2005-06-15 02:11:09 | Weblog
南森町のとあるバーで、
ブルースセッションに参加。

演奏者とお客とが半々の、
10人ぐらいの空間で。

名無しのA&B&C,D,Eブルースから、
「Sweet Home Cicago」や「The Thrill Is Gone」、
「Got my mojo workin'」などを10曲ほどプレイした。

ワイルドターキーをロックで啜りながら、
一期一会の人たちと、一夜かぎりの音を重ねる。

酒と音楽がそこにあって、そして、
自分の演奏が許されているなんて、たまらない。

それだけでもう本当にお腹いっぱいになれるのに、
今夜はもう一つ、大きなサプライズがあった。

ちょっといい気分で、
エルモアジェイムズ風に三連弾きを弾いたとき、
目の前に座っていた50歳過ぎの客が、
「ええなぁ!そのギターええなぁ」と顔を輝かせてくれた。

演奏が終わってその人に会釈をすると、
駆け寄ってきて、
「自分※ええわぁ。自分の音めっちゃええわぁ」としきりに。

慣れない反応に、
どう返していいかわからずにいると、

「自分のギターは音が軽いなぁ。
あまり主張してないってゆうか。。。」

と、口にする。

なんだ、よく聴いてくれているじゃない。
そう、俺のギターの音は、とにかく“軽い”。
思いっきり気持ちを込めて、
ちょっとイっちゃってる顔で弾いてみたって、
その軽さは変わらなくて。

痛いところを突かれて耳を塞ぎたくなりながら、
相手の次の言葉を待っていると、
男はしわくちゃな笑顔で、

「でも、そこがええ。そこがええねん。
自分のギターを聴いてると疲れへんねん。
他の人のギターを聴いてると疲れるねん。
自分の音は疲れへん。めちゃめちゃ心地よかった。
優しいギター弾くなぁ。
…自信もったらええで。その音、めちゃめちゃ、ええから。」

と続けた。
俺は思わず聞きかえしてしまう。

“軽くて、でもそこがいい?”

そんなこと考えもしなかった。
自分で絶対的な欠点だと思っていたその音色を、
確かに感じてくれながら、
別のアウトプットがあるなんて。

何度も何度も握手をしながら、

「おおきに!おおきに!ほんまよかった!
今度やるときまた声かけて!声かけてくれな怒るで。
ソロでやっても聴きにくるから!」

と、目を真っ赤に腫らして、言ってくれる。
俺はなんだか泣きたい気持ちになって、
握られた手を強く握りかえした。

  ・

セッションからの帰り道。

ワイルドターキーにやられた頭で
夜空のお月さんを見上げながら、

「でも俺はバディガイみたいな音色に近づきたいわ…」

と欲張ると、
お月さんはにっこりと微笑んで、

「あまり主張せず、優しくて、心地よい音。
それって、あなたそのものじゃない。それでいいと思うけど。」

と頭を撫でてくれて。

俺はそこではじめて、素直に笑った。

思いもよらない花を咲かせてくれる、
人とのつながりに感謝しながら。


_______________

※「自分」=「君」

額縁の中のブルース ~河井寛次郎記念館~

2005-06-13 22:00:37 | Weblog
五条にある、河井寛次郎記念館に行った。

扉をくぐった瞬間に鼻をかすめる、
土と木の香り。

腰の太さ2つほどもある漆色の古木が
大勢で迎えてくれて。
ところどころむき出しの土壁と、
畳特有の甘い香りが、たまらない。

木彫の作品が素晴らしく良くて、
その一つ――少女の木彫に目をあわせた瞬間、
吸い込まれるように見入ってしまった。

しばらく時間が止まる。

口の形が特徴的で、
本当に吸い込まれるように。。。

  ・
  ・
  ・

やや無理やり目を放してほっと一息ついたけれど、
この吸引力って何なんだろう。

感じたことを言葉にしようと
自身の内側を探しにいくけれど、
そこから紡ぎ出すどの言葉も
目の前の木彫の前ではひどく淡白に思えて、
黙りこむ。


作品の一つ一つが良く、
そして、その“家”そのものが、またよかった。

どの部屋からも眺められるゆったりとした中庭と、
家の周囲に取り付けられた木の目隠しとが象徴的。

ここは良くも悪くも、
外側ではなく内側に開かれた家だと思った。

ろくろが置いてある作業部屋。
畳に、土か埃かが、薄くのっている。
ここで作っていたのかと思いながら部屋を見わたしたら、
向かい正面奥に飾られた額縁の中の言葉を
視界に入れてしまって、また時間がとまった。

『心刀彫身』

“心を刀にして身を彫る。”

空間の心地よさに体を弛緩させていたところに、
いきなり脳を激しく揺さぶられて、冷や汗が出た。
体が震える。

小奇麗に乾燥したその部屋のあちらこちらに
血がこびり付いている気がして中庭に目を移すと、

陽が射し込むその空間に救いを感じ、
そして、
ああ、この中庭から外の世界へと通じているのだなぁ、と
妙な納得をかみしめた。


BOOGIE IN THE DARKブルース

2005-06-04 15:07:06 | Weblog
仕事帰りの居酒屋で。

“クリエイティブディレクター”
という肩書きを持つ男が3人。

今の会社の現状と、自分たちの
将来のビジョンについて、語りあっている。

そのうちの一人の下で仕事をしている俺も、
何故かその場に居合わせてしまって。

今夜の酒は、
あまり旨くなかった。


会社の寿命はよく、30年だと言われる。
その年月を越えて、
目に見えて腐敗しつづける会社を肴に、
なにやら悪い話に花が咲く。

俺はそこで酌み交される会話の全てが面倒臭くて、
曖昧に相槌を打ちながら、
ひどく退屈だに、その光景を眺めていた。

時計を見ると終電まであと10分。
できる限り自身のアンテナを閉じて、
永遠のような数分間を過ごす。

黒霧島のロックを啜りながら、
この空間に、あのヒトがいればいればなと、
そんなことばかり、思った。

ジミーリードの
『BOOGIE IN THE DARK』が恋しくて。