六本木ヒルズを麻布方面へと下っていった閑静なエリアの一角にあるカレー屋さん。 正確に言えば、店名の前に「PUB RESTAURANT」という冠が付されることからも判るとおり、カレー専門店ではなく、飲んで食べることがメインのパブレストランである。パブレストランだが、ランチ・ディナー両タイムに供しているカレーが名物。よって、幸か不幸か巷では「カレー屋」としてまかり通ってしまっており、それを目当てに界隈のカレー好きがせっせと通い詰める。大手町の『アイビーハウス』に近い店だと言えるかもしれない、などと何を知ったかぶって語っているのだろう、俺は。 お店は煉瓦造りの重厚感ある構え。「フィヨルド」という店名がその重厚感をさらに重々しいものにしている。スカした店とは一線を画す質実剛健さが感じられ、界隈の雰囲気ともマッチしていて悪くない。余談だが、この近辺、中国人とおぼしき人々(女性が多い)が多数行き交っており、麻布・六本木らしい雰囲気とはやや空気感が異なる。中国大使館が近いからだろうか。 その外観に違わず店内も重厚感に溢れる。壁には絵画が掛けられ、灯りはランタン調のライト、テーブルは美しく重々しい大理石。スカした店のランチタイムにありがちな腰が浮つく感じは皆無で、どっしりと腰を据えてリラックスすることができる。ああ、ひさしぶりだ、こういう店は。 もちろん選ぶはカレーで決まりだが、いくつか種類がある。ざっとそれらを挙げておくことにしよう。 01.ポークカレー ¥1,000 02.海老カレー ¥1,200 03.野菜カレー ¥1,000 04.チキンカレー ¥1,000 05.キーマカレー ¥1,000 06.ハンバーグカレー ¥1,400 いずれも、一枚の大皿の上に、サラダ、ゆで卵が載せられた“プレート形式”として供される。 いろいろあって迷うのだが、なんとなく「ポークカレー」がフラッグシップっぽく感じたので、それをオーダー。 このカレーがなかなか面白い。ポークカレーというと、ブロック状のポークをトロトロに煮込んだ濃厚なのを真っ先に思い浮かべるだろうが、ここのは供する直前に肉と玉ネギをフライパンで炒めてルウと合わせている。よって玉ネギなどはシャッキリとした瑞々しさが残っており、肉はソテーならではの香ばしさがある。そんなシャッキリとした“具”をまとめ上げるのがこの漆黒のルウ。ビターで奥深いテイストであるが、思ったよりもサラッとしており、キレがいい。果実や糖類などでむりくり甘みを強調したワザとらしさなどは皆無。綿密に計算され尽くした感があるカレーだ。 欧風でもなく、インド風でもなく、家庭風でもない、独創的で強いプロフェッショナリズムを感じるカレー。あと2、3回食べたなら間違いなく中毒に陥ってしまうだろう。それほど美味いカレーだった。 |
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