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ブログタイトルを変更しましたが特に意味はありません。

“Saigon Majestic” KINSHI_CHO TOKYO

2012年05月10日 00時48分41秒 | CURRY-タイ・ベトナム・その他アジア系



常日頃からお世話になっている某業界新聞の編集長夫妻と錦糸町のベトナム料理屋にて食事会。あんなことやこんなことを話題に品良く盛り上がる。特に盛り上がったのが鉄道の話題。編集長の奥様が鉄道好きで、ご夫婦であの土合駅下りホームを訪れたことがあるとのこと。幼少期に読んだ“ワニの豆本シリーズ”の鉄道雑学本でこの駅の存在を知ったときは、チビッ子ながらに「こ、こんなクレイジーな駅がありやがるとは……」と驚愕のち絶句したもんだ。その駅が未だに形も運行も変えずに残っている。なんと素晴らしいことだろう。これは体力が落ちる前に訪れておかなければならないだろう。しかし自分様にはそんな「訪れておかなければならない場所」が2万ヵ所くらいあったりする。果たして彼の下りホームに降り立つ日はやってくるのだろうか。

話がかなり脱線した。今回の主題はベトナム料理である。このお店の『サイゴン・マジェスティック』という店名を聞いて真っ先に頭に思い浮かぶのは、沢木耕太郎の近著『一号線を北上せよ』で同氏が東京から予約を入れてまで泊まった『ホテル・マジェスティック』(基本が行き当たりばっ旅の人なので“予約”という行為自体が異例なのだ)。1925年創業という歴史あるコロニアル様式のホテルで、テラスから望むサイゴン河の眺望が素晴らしいらしい。agodaで調べてみたところ、さほど高くない値段で泊まれることが判ったので、次回、ベトナムを訪れた際はぜひとも泊まってみることにしよう。
しかしながらそれ以上に“マジェスティック”という言葉を耳にして強烈に想起させられるのは「マジェスティック・トゥエルヴ」、通称“MJ-12”。1947年、ニューメキシコ州・ロズウェルのUFO墜落事件におけるエイリアン回収を機に、当時のアメリカ合衆国大統領ハリー・S・トルーマンの命により設置された、軍人および科学者を中心とする極秘委員会のコードネームである。ミッションはUFO問題を一般大衆から隠し通すとともにUFOテクノロジーの調査・分析、そしてエイリアンとのコンタクトを通じて合衆国に有益な情報を収集すること。第3代CIA長官ロスコー・H・ヒレンケッター、マンハッタン計画の中核的存在にしてmemexの提唱者でもある科学者のヴァンネバー・ブッシュといった創生期の主要メンバーや、時のCIA長官アレン・W・ダレス(ケネディ暗殺に再して発足したウォーレン委員会のボードメンバーでもある)、同じく時のFBI長官のJ・エドガー・フーバー(言わずと知れたFBIの象徴)といったアイゼンハワー時代の主要メンバーの名前は今でもスラスラと出てきてしまうし、それを頭の中で復唱するだけでハァハァしてしまう。さらにそれに紐付く「プロジェクト・ブルーブック」「プロジェクト・サイン」「プロジェクト・グラッジ」といったUFO調査を目的としたプロジェクト名(時系列的にはサイン⇒グラッジ⇒ブルーブックの順が正解)や、コンドン委員会、ロバートソンパネルなどの査問会の名称、さらにこれらのナレッジを与えてくれた南山宏、ロバート・エメネガー、コンノケンイチといったUFO研究家たち、家畜惨殺事件に迫ったドキュメンタリー番組『ストレンジ・ハーヴェスト』の制作者であり、“キャトル・ミューティレーション”という言葉を教えてくれたリンダ・ハウ女史、「NICAP」「MUFON」「GSW(Ground Saucer Watch)」といった民間UFO研究ネットワークの名称などが次々と浮かんでくる。この他、ボブ・ラザー、エリア51、グルームレイク、S-4、マンテル大尉、ライト・パターソン空軍基地、マンザノエリア、アルチラータ・メサ、ガルフブリーズ、ヴォロネジ……ううお、脱線話なんてもんじゃねえ、完全に狂れちまってる。このままじゃ永久に戻って来られそうにないので、強引に本題であるベトナム料理に話題を移すことにするぜ。しかし恐るべし、「マジェスティック」……。

このお店、誠に嬉しいことにベトナムカレーが食べられるお店なのである。
「ベトナムカレー」と聞いてピンと来るものは限りなく少ないが、手元にある『アジア・カレー大全』によれば、北部地域ではほとんど食べられることがないものの、ホーチミンなどの南部では比較的ポピュラーな献立らしい。ベトナム語でもその名は「Ca Ri」であり、ココナッツミルクを用いた幾分タイカレーっぽい独特のテイストと、種々の肉や魚介類などに加えサツマイモを用いるのが特徴。実はここだけではなく、東京にあるいくつかのベトナム料理屋で「ベトナムカレー」なるものを食ったことがあるのだが、日本人ナイズドされた結果か、いずれもサツマイモではなくジャガイモが入っていた覚えがある。果たしてここのベトナムカレーやいかに。


まずはゴイ・クォン(生春巻)。ハノイで食ったものよりも小ぶり。ソースのテイストも異なるが美味かった。


バインセオ。ベトナム風オムレツでもあるし、ベトナム風お好み焼きとも言える。ココナッツが隠し味。


塩卵。スプーンでほじくりながら食う。味は塩味が染みたゆで卵。頼んだ時はフィリピンのバロット的なエグいのを想像していたのだが、ごく普通のゆで卵だった。安堵のち若干心のこり。


ソフトシェルクラブのピリ辛揚げ。絶品! もっと食いてえ。今度、久々にレッドロブスターにソフトシェルクラブの唐揚げを食いに行こう。もちろんその昔さんざん通った江ノ島店に。


チャー・ゾー(揚げ春巻き)。ハノイスタイル(ネム・ザーン)よりもやや小ぶり。美味い。


「オススメ」マークが付されていたイカの蒸し焼き。大量のネギが載った生のイカをニョクマムベースのタレで煮ていくことで、覆いかぶさっているネギで蒸し焼きにしていくという塩梅。最後にパクチーを散らして食う。コレも絶品。メニューで見る限りでは“地雷メニュー”っぽく感じたのだが、まさかこれほどの味とは。見た目で判断しちゃあいけねえんだ。人も食い物も。


ベトナム風の海鮮焼きそば。麺は米麺ではなく中華麺。美味かった。


そしていよいよお目見えのベトナムカレー。大ぶりなチキンのもも肉がデーンと入っており、イモはジャガイモではなく本国のレシピに則りサツマイモ。そして仄聞通りにココナッツミルクが効いている。タイカレーとインドカレー双方のテイストが一体となった独特の味と風味がありかなり美味い。見た目は血の池地獄の如くだがさほど辛くはなく、油を多めに使っていることからミャンマーの「ヒン」にも近いとも言える。現地ではフランスパンか「ブン」という麺と組み合わせて食べるのが一般的。しかしライスとも相性はよく、シャバシャバと飯に振りかけ、“汁かけ飯”の如くワシワシと食らうともう止まらねえ。他で食べたベトナムカレーよりも一レベル強く本場感のようなものが感じられ、「うめえ、うめえよ……」をうわ言のように繰り返しながら完食したのだった。

ベトナム人の店員さんによれば、ランチタイムでもこの絶品カレーを食べることができるという。やや飯の量が少なく感じたので、次回は飯大盛りか、ライスに加えてブンも頼んでみることにしよう。いずれの料理も外れがなく、店員さんもフレンドリー。店内は広々としており、くつろぎつつ料理を楽しめる。素敵なお店を教えてくれた編集長に感謝。また利用させてもらいます。


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