いまさら韓ドラ!

韓国ドラマの感想をネタバレしながら書いています。旧作メイン

【無韓系】「悪夢探偵2」

2015年12月16日 | 無韓系日記
なんの因果か、平日の夜中に観てしまった「悪夢探偵」

しかも2!

1も観てないのに!

しょうがないので、少しだけ感想を書いておきます。

≪あらすじ≫

人の悪夢に入ることができる悪夢探偵 京一は、
自身の見る悪夢にも悩まされていた。

そんなある日、女子高生ユキエが寝不足でふらふらになりながら
助けを求めてくる。

いじめた同級生キクカワが夢に出てきて眠れない……。

はじめは邪険にした京一も、その同級生の様子が
自殺した母と重なり、興味を抱く。

しかし時すでに遅く、いじめの犯人たちは、
次々と悪夢の中で殺されてしまうのだった。

ひとり残ったユキエは、必死で京一に頼む。
「わたし死にたくない!」

京一は、母を想う一心から、ユキエの夢に入ってゆくのだった……。


とまぁ、こんな感じのお話なんですが、

なぜ、シリーズものの2だけ観てしまったのか……。
なぜ、途中でやめることができなかったのか……。
なぜ……

すべてのなぞをとくカギは、

松田龍平です!



美しすぎるやろ~。

わたし、ホラー全般は怖すぎて観ないのですが、
この美しさなら別です!

耽美ならホラーでも観るよ!

結局huluのサムネイルで美しい松田龍平を見かけてどんな映画かな、と
ちょっとだけつけたらそのまま止まんなくなったというだけの話なのよ。

無精ひげ

色白の肌

物憂げな態度

「こーしないと入れないんだ……好きでやってんじゃないから……」と
言い訳しつつ、黒マントの下でもぞもぞと服を脱ぐしぐさ

泣き顔

すべて堪能したいというあなたなら、
観終わったあとに「時間を無駄にした!」と嘆くこともないでしょう!

正直そんなに怖くないしな!

じゃあ、ネタバレしつつ全般の感想をば。





塚本晋也だよ!

いや、思わず呼び捨てしましたけど、塚本晋也監督~。

観終わるまで、全然知らなかったです。

塚本監督作品だったら観てなかったような、やっぱ観たかったような。

ここからしばらく自分語りで恐縮ですが、
「鉄男」がすんげー好きでして。

確かちっこい映画館ともいえないような小屋に上映観に行ったんですよねー。
上映後に監督のトークなんかあったりして、
いろいろと強烈で面白かったです。

友達から、「鉄男ってどんな映画?」と聞かれて困りました。

「えっと……ちんちんがドリルでね……」

もう強烈すぎて最初に出てくる説明がそれかっ!ていうね。

ずいぶん前に観たわけですから記憶がおぼろになってきていますが、
喪服で青姦シーンは忘れられないなぁ。

いや、なんだろう……若い時分に観たんでね……。

塚本作品なら最後まで観てしまってもしょーがない。
これこそ因果応報だ、と思いました。


怖い目に合う主人公は、理解あるふりをした親にほっとかれて
いい子を演じながらも内面はやさぐれている女子高生です。

この、彼女と友人たちのフツー感がけっこういいんだよね。

美人過ぎず、向きによってはチョイブサに見えるくらいのフツーの子たち。

セリフまわしも特別うまいわけじゃなし、
悪く言えば素人くさい、よく言えば手垢のついてない感じがリアルなのかも。

ホラー映画における「素」感って、怖さを演出する大事な要素なのかなー。
なんかうますぎてもギャグっぽくなる気がする。



ああ、でもフツーとは言えないなぁ、彼女。きれいだもん。


ただ、いかんせん音がひどい。

わたし、テレビの音量、普段は20で見ているんですよ。
そりゃみなさんちのテレビと設定とか環境とか全然ちがうので
比べようがないのはわかりますけど、
でも、お父さんのセリフとか
まっっっったく聞こえなくてしょうがないんで60まで上げたんですよ。

するとね、めちゃくちゃ音がでかく聞こえるシーンとかあって、
そこでは「わっうるさっ」と耳を覆うほど聞こえてくるんですよ。

これはつまり、映画館でも同じ比率ですよね?

そしてあの、小学校の同級生が話してくれた「怖い話」のテクニックですよね?

「それは……お前だぁっ!」的な。

でもさー、それってどうなの?

怖がらせるっていうか、驚かしてどーするんだ。

音量の演出がね、ひどいなぁ、ずるいなぁと思ってしまいましたね。


怖がりの女の子が見ていた光景を描いた絵。

あれはすごく良かった。

誰が描いているのだろうか?
もしかしたら本当の患者さんの絵なのかも、と思ってしまいました。
(ダークサイドの絵)


もっとこわいのばかりなのですが、自重。

結局、この女の子も、京一の母親も、「さとり」なの。
人の心が、聞こえてきてしまうのよ。
それが、世の中のすべてを怖がる、という症状につながっていくのね。

私がはじめてこういうたぐいの描写に触れたのは、
筒井康隆先生の「家族百景」という小説ですね。
中学生の頃に読んだかなぁ。

人の心が読める超能力美少女、七瀬。
他人の考えが言葉になって自分の心に流れ込んでくるのね。
面白かったのは、すごく抽象的な思考をする人の考えが、
抽象画として流れ込んでくるところ。

そして最近では三宅乱上先生の「pet(ペット)」
漫画です。リマスター版良かったよ~。

作中では、人の心が読めてしまう子どもが恐怖のあまり奇声を発したり、
人格が形成できずに精神病者として扱われていたり、
この映画における女生徒やお母さんの置かれた状況がよくわかります。
(絵として見えるので)

この映画では、「裂けて穴の開いた顔」という表現でしたね。
京一の顔が、寄生獣ばりにはじけていたのは彼も能力者だからか?

最終的には、悪夢から救い出されて、
その代わりに「さとり」の能力を得てしまいます。
彼女と京一は、その力と共存していく道を選ぶ。
幼いころから力があった京一のほうが混乱も深く、気の毒な気がします。

はだかんぼうでじじばばの布団に入るところはかわいかった。


そういえば、「pet」では、
人の心が読める=感応力が異常に高い
という図式になっていて、
能力者は相手の記憶に入って行って、自由に書き換えることもできるし、
人を操ることもできるのです。

同じように考えると、京一が夢の中に入っていけるのは、
さとり能力を応用した技術なのかもしれませんね。


うん、いい。

わたしは基本的にホラー映画好きじゃありません。
そもそもホラーの定義がよくわかってない。
ただ、なんとなく、ホラー映画って不条理な恐怖を描いているんだろうな、と
思っています。

理由があって理屈が通っている恐怖って、
サイエンス・フィクションだったり、サスペンスだったり、
フィルム・ノワールだったり、
別の名称がついた映画になっていくのじゃないかな、と。

そういうのじゃなくて、
何がなんだかわかんないけど怖い目に合う、っていうのが、
ホラーと呼ばれるものになるのかなーって。

だからゾンビが出てきても「玉川市役所 OF THE DEAD」は
ホラー枠じゃないんじゃないか。
明るいコメディだから、というより、ゾンビにわけがあるから。

いや、勝手な自分解釈なのですけども。

だからこの「悪夢探偵2」で、ハテナ?と思う部分があっても
「ああ、ホラー映画だもんね」の一言で全部納得できるのでした。

監督の努力を考えたらきちんと考証して理解に努めたほうが
いいんだろうと思うんだけどさー。
どこまで現実でどこまで夢で、すべての映像をどう解釈したらいいか、って
きっと監督やわかる人にはちゃんとわかるんだろうけど、
そこをあんまりくどくどするのも無粋なのかもしれんし。
ホラーの楽しみって、解読じゃないような気もするし、
今のわたしに受け止められる精いっぱいで楽しめればいいか……と思いました。

それでもひとつ疑問なのは、京一は幼い自分の手を離してしまったでしょ。
幼い自分は母とともに水の底へ沈んだようだったのに、
過去の中で目覚めると、恐ろしかった記憶が楽しいものに書き換えられていた。

わたし的には、失敗した、と感じた場面だったけれど、
あそこで手を離したのは正解だったということなのかな。
過去の自分を解放した、という意味で。

そのシーンで、窓から着物で黒髪の女が這いこんでくるという描写があるのですが、
「すでに貞子があるじゃん、こんな画(え)おなかいっぱい」という意味の感想を見ました。
これってちょっと的外れなんじゃないかな。

だってこの映画観る人の全員が、貞子を観ているわけじゃないでしょ。

それよりも、本当にあの画が怖いのか、という点を考えたい。

窓の外にはバスの転落事故で死んだのに、それに気づかない人々の無言の行進。
安心できる家の中と、恐ろしい外を結ぶ窓がそうっと開く。
ああっ!何かが入ってくるっ!
まがまがしい何かがっ!

しかも、視聴者は一度ならずこの窓から恐ろしい女が入ってくる画を
観ているわけなので、否が応でもそれを想像するじゃないですか。
初出の画を観た時のぞっとする感がよみがえるじゃないですか。

その、見えないものを想像する時間が一番怖いんじゃないでしょうか?

会えない時間が愛を育てるのとおんなじ理屈ですね。

くる、くる、くる、怖い、くる、きっとくる、
お母さんとお父さんが笑っている。
それでもアレがくる、
ドキドキドキドキドキドキドキ

バーン!ってここでデカい音ならされたら失禁する。

さっき文句いった音の演出も、
「わかっていてもやられた~」「ドキッとした~」って思えるように
ここぞという場面でうまく使ってほしいなーと思いました。

ふわーって貞子っぽく浮かんで全身でてきちゃっちゃダメなんではないのか。

どうでしょうか、ホラー愛好家のみなさん。


お母さんに殺されかけた過去(愛情の欠乏)
お母さんの自殺(罪悪感)という呪縛から、
京一は解き放たれた……ってまとめで良かったですかね。

逆走コースですけど、こうなったら1の方も観ようと思います。

松田龍平の美しさに変わりはあるまい。

何もない四畳半で横たわり、京一に抱きしめられるキクカワの図が一番良かったなぁ。
彼は彼女を抱きしめることで、母を、幼い自分を抱きしめていたのではないか。
そう思います。

ドアに挟まれて抜けた髪の毛を引き抜いていくと、
途中でドゴッと頭がドアにぶつかる音が一番怖かったかなぁ。

血がでりゃこわいってもんでもないのだ。

主人公ユキエの立ち姿がなんとも不気味なのもよかったです。
なんだろ?うりざね顔で、なで肩で、てろーんとした体形がホラー向きな気がする。
「お願いがあるんです」という表情の場違い感が怖い。

演技がうまけりゃこわいってもんでもないのね。


なんだかんだととりとめもなく書いてしまいました。
ホラー……今後観る……か?
う~ん。

ホラー方面にいくかどうかはわかんないけど、
とりあえず塚本監督の「野火」は観とかんとな。
なんだかんだ言いつつ肌が合うというか……
やっぱ好きなんよなー。


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