いまさら韓ドラ!

韓国ドラマの感想をネタバレしながら書いています。旧作メイン

根の深い木 第14話

2014年04月29日 | 根の深い木
どうでもいいことかもしれませんが、カン・チェユンの手が好きです。
女性の手のように美しい繊細な手を持つ俳優さんが多い中、
指も短めだし、まるっこい手なんだけど、そこがいい。
労働者の手、苦労人の手、って感じがするんだよね。

《あらすじ》

チェユンは、王のもとへやってきた。
ソイが見守る中、ふたりは対峙する。
「王は、トルボクがおのれの道を歩むことをお許しになりました」
「そうだ」
王は、黒装束のチェユンにゆっくりと近づいて行く。
その体が射程距離に入った瞬間、チェユンはそののど元に切っ先を突きつけた。
警戒していたムヒュルも同時に抜刀し、チェユンを牽制する。
「ムヒュル、刀を下ろせ」
「できません。王の道があり、奴にも道があるように、武士ムヒュルにも道があります!」
王命といえど、これだけは従えない。ムヒュルの覚悟だ。

王は、ふっと笑って一歩前に出た。
「なんのつもりです?」
チェユンは、王の態度にとまどう。
「余を殺しに来たのだろう?ならば刀を突くだけで良い」
しかしチェユンは、思わず一歩下がってしまうのだ。
「殺しにきたのではないな?死ににきたのであろう」
そう言われて、チェユンは一気に自らの首に刀をあてて引き切ろうとした。
ソイは息を呑んだが、ムヒュルがいちはやく反応し、チェユンの刀をはじき上げた。

無様に倒れこむチェユン。
「余の命を狙ったものが自害だと?クソ食らえだ」
「悪態をつくのがお上手で」
「良い師を持ったからな」

「なぜ俺を殺さない!」
「お前がすべての始まりだからだ!」
何も覚えていないチェユンに、王は憎々しげに語るのだ。
あの夜のことを。

「俺を助けたのは、あんただったのか」
「わたしとお前はあの夜、共に地獄に落ちた。お前だけ抜け出そうと言うのか?」
王は皮肉な笑みを浮かべ続けている。
「地獄?今は太平の世ではないですか」
「平穏な王に太平の世は築けぬ。余の心が地獄だからこそ、世の中が太平なのだ」
「ではわたしは?助けておいて地獄にぶち込んだのですか」
「そうだ!お前が泣き叫んだ日、わたしたちは共に地獄へ落ちた!」
トルボクを助けてイ・バンウォンに逆らったあの日、イ・ドが生まれた。
イ・ドの終わりは、文字の創製だ。
「お前には、判官になってもらいたい。
お前に、この文字はクソではない、お前にそう判断してもらいたい!」
王はトルボクに、思いをぶつける。

チェユンはおかしそうに笑い出した。
「勘弁してください。あまりに深刻な言いようなので、真面目に聞こうとしましたが、
おかしくて聞いていられません」
年貢を収めるのに精一杯の民に、文字を学ばせる?
そもそも学ぶ理由がない。
文字を学んだから、米や着る物が手に入り、両班になれるとでも?
「文字が読めない民は理不尽に殺されます。しかし読めるからこそ殺されることもある。
は殴っても殴られても殺される。それが世の中なんですよ。
嘘はおやめください。理不尽に殺されるのは、字が読めないからではなく、力がないからだ。
どうぞまやかしはおやめになってください」
チェユンの言葉は、現実を示していた。

「まやかしではない!」
「まやかしです!」
「文字を学べば力になる!両班になれずとも、抵抗はできる!」
「力にはなりません。責任を負わされるだけだ!」
チェユンのかたくなな態度に、王は憤る。いったいなぜ、それほどまでに否定するのか。
「これのせいですよ」
チェユンは懐から、変色して皺だらけになった紙を取り出した。
その頬に、涙が伝う。
「今日ここに死ににきたのも、王の話を信じられないのも、これのせいです。
おやじの遺言です」

「俺はくやしい!俺は何もしていない!仇をうってくれ!」
その言葉の哀借の響きに、悲痛な表情を浮かべる王。
しかし、チェユンの言葉には意外な続きがあった。

「……そう、書かれているべきでは?
でも書いてあったのは、トルボク、父さんは文字が読めなくてのろまだから、皆に迷惑をかけた。
お前は文字を学んで、ご主人様にちゃんと仕えて、しあわせにくらせ……。
こんなバカな話がありますか?」
トルボクは、泣いている。
王は、もう彼をまっすぐに見てはいられない。
「こんな人たちが文字を学んでどう力を得るというのです?
もしそうお思いなら、王様も民に騙されているんです。
ここにきた目的は自害かとおっしゃいましたね。ええ、そうです。
わたしは負けたのです。王様にではなく、わたしの父、そしてあそこにいる、タム。
ふたりに負けたのです。復讐をするなというんです。
父もタムも、王様の味方だ。しかし死ぬことすら邪魔された。完敗です、王よ」
チェユンは力なく、父の遺言書を拾い、出ていく。

王はたまらず、声を上げた。
「戦おう!戦おう、カン・チェユン!文字が公布される日、お前に御酒をさずける!
もっと戦おう!カン・チェユン!」
チェユンは、その言葉をきいてふと振り返ったが、
ぼんやりした様子でただ、出ていった。
ソイが追いかけ、行かないでくれと頼んだが、その願いが聞き届けられることはなかった。

カリオンたちは、カン・チェユンがトルボクだと知った。
しかしチェユンは王の計画については知らないようだ。
いくつかの手がかりは、何を示しているのか?
イ・シンジョクからもたらされた鋳型をみて、カリオンは気がついた。
イ・ドの目的は、文字の創製だ。
「愚か者め……」
カリオンは、腹の底から笑った。
笑わずにはいられない。
たかが文字のために博士を殺し、解剖までした。
「イ・ド、実にお前らしい、文字とは!文字とはな!」
集賢殿は朝廷最大の敵となるだろう。すべてはこれからだ。

王は力なく、座り込んでいる。
「カン・チェユンは、戻ってこないのか……」
「王様は最善をつくされました」
ムヒュルは言ったが、王はソイを見つめた。
「なぜ黙っている?」
ソイは泣いている。何か言おうとして、瞳から大粒の涙がはらはらとこぼれた。
「申し訳ありません……王様」

王は、今後の文字創製についての計画を話合っていた。
そこへ、ユン・ピョン自首の知らせが飛び込んできた。
「おそらく密本の指示だろう」
もちろんそれはカリオンの指示で、ユン・ピョンはすべての証拠を持って自首してきたのだ。
そして王の計画を暴き、その目的が「文字創製」だと書いた貼り紙を持っていた。
そこには、ソン・サンムンが天地契員だという告発も書かれていた。
これが都中に貼られているのである。

サンムンの体をあらためると、刺青が見つかった。
シム・ジョンスは、何らかの処分を提案しようとするが、
副堤学のチョ・マルリは、サンムンとペンニョンに、津覚寺へ身を隠すよう指示した。

王の計画は、あっという間に知れ渡った。
「これから、三峯先生が立てたあらゆる紀網が王を追い詰めるだろう」

カリオンの予想通り、宮殿内ではあらゆる官庁から反発がおこっていた。
集賢殿のマルリは、尊厳を持って独立性を貫こうとするが、
王の文字創製については断固反対の立場である。
儒生の尊敬を一身に集めるヘガンが宮殿の門前で抗議の座り込みを行い始めた。
すべては密本のしわざであり、誰かが確実に裏で糸をひいているのだ。
どう対処するにしても、時間が必要だ。
かつてイ・ドが方陣にあけくれていた慶成殿に注目が集まるだろう。

領議政が王に謁見を求めてきた。
彼はかつて、若き王に「文字創製」の野望を聞かされていた。
「あきらめておられなかったのですね」
すべてに中立な立場の領議政は、慶成殿の公開をすすめた。

「すべてをご存じだったのですね」
マルセンは領議政に問いかけた。
「はっはっは、なんのことやら。ではそなたも反対の立場かな?」
「先王の遺言で、王のすることに反対するなと言われています。
ただ密本だけ阻止せよ、と。悩んでいるところです」
マルセンは思案顔だ。
「わたしたちはそう先が長くないでな」
領議政は楽しそうに笑った。

チェユンは、父とよくきた川にきていた。
弔いの酒を撒き、天をあおぐ。
「なぁ、俺にもついでくれよ!」
欠けた椀に、酒が満ちることはもちろんなく、チェユンは幼い頃の思い出を噛みしめている。
ここで泣いているオヤジの鼻をかんでやったっけ。

「さあ、鼻をかめ!」
突然、父さんの声がした。
まだ頭を打っておかしくなっていない頃の父さんの姿で、にこにこ笑っている。
「男のくせにめそめそして。まだ小僧のまんまだな!」
チェユンは、ますます泣いて父の手を握りしめた。
「生きるのがつらくて思い通りにならんか、そんなもんだ。
王様だってそうだ。みんな、そうだ」
「兄貴の言う通りですよ!」
向こうでは、タムの父さんが酒を飲んで笑っている。
「あー、うまい!いいさ、泣けよ。泣きゃすっきりする。
そしてまた生きていく元気がでるのさ。生きるだけ生きたら、そのうち消える。ふっとな」
「悟りでも開いたつもりか?それより娘のしつけをちゃんとしろ!」
父さんが、兄貴分らしくおじさんをたしなめた。

「タムのなにが悪いんだ」
「トルボクじゃなく王様の肩を持つなんてよ」
「むははは!あいつは昔からおかしなやつなんだ。
子どもの頃はオヤジの俺よりもトルボクの味方ばっかりしやがって。
あの時はどれだけ嘆いたことか。おい、やっと俺の気持ちがわかっただろ?いい気味だ!」
おじさんは楽しそうに笑っていて、トルボクもおかしくなって一緒に笑った。
「うん、そうだな」
「ほら、いっぱいついでやる」
おじさんはチェユンの杯を満たしてくれた。
父さんとおじさんは、労働歌を歌いながら、楽しそうに踊り出した。
チェユンも思わず立ち上がって踊ろうとすると、ふとふたりの姿は消えていた。
歌声だけが、かすかに耳に残る。
まぼろし……だったのか?
しかし、足下の杯には確かに白い酒が満たされていた。

なんて無駄な人生だったんだ。そうだ、もうやめよう。捨てちまおう。
チェユンは杯を飲み干し、川に流した。
トルボク……あばよ。トルボクは消えた。
彼は笑い、少し苦しそうに胸を押さえた。

チェユンの帰りを心配して泮村で待っていたチョタクとパクポ。
そこへふらっとチェユンが帰ってきたので、大騒ぎだ。
「おい!やつが自首してきたぞ!」
そんな知らせにも、たいして反応のないチェユンを見て、
チョタクは拍子抜けしてしまった。

村でも、王の文字創製の噂は広まっていた。
おおかたの民は文字なんて無駄だと思っている。
日が昇れば働いて、日が沈めば寝るしかない彼らの暮らしには、
時計だって文字だって、無用の長物だ。
「でも、わたしは習ってみたいな」
少女がふとつぶやいた。
「ケパイの名前を書いてあげたい」
「開破二と書けばいいじゃないか」
「それは名簿用の名前で、ほんとはカルペイっていうの」
「同じ音の漢字がないと名前は書けないんですよ」

「よう、畑っていくらぐらいすんだ?」
チェユンはパクポを相手にぼんやり話をしている。
すっかり落ち着くつもりのチェユンをからかうパクポ。
そこへ、ソイがやってくるのが見えて、チェユンはあわてて身を隠す。
居留守を使われたソイは、手紙を託して去っていった。
(もうトルボクはいない。お前もソイとして生きるんだ)
チェユンは彼女の後ろ姿をそっと見送った。

カリオンらは、王の動向を見張っていた。
明日の公開をひかえ、おそらく今夜、慶成殿から証拠が運び出されるだろう。
廃紙といっしょに資料を運び出す予定の王たち。
バラバラにしてしまえばわからないし、あとでソイがすべてを元に戻してくれる。
密本たちは、囮のかごにうまく騙されてくれた。

しばらく会えないから、話したいことがあるの。
五更五点、造紙所にきて。待ってるわ、トルボク兄さん。
タムの手紙を受け取ったチェユンだが、すでに彼は旅支度を終えていた。
トルボク兄さんはもういない。俺を待つな。
何もかも手放したら楽になった。人生は気持ち次第だな。
ひとりごとをつぶやいて、チェユンは家を出る。
チョタクとパクポには、置き手紙をしてあった。

ソイは、公平大君とともに造紙所から資料と廃紙を持ち出した。
チェユンは遠くから一目彼女の姿を見て、その場を後にする。
荷車を引いた男たちとすれ違ったが、なんということもない。
遠くで鉄の音が聞こえる。
鋤やくわだろう。造紙所の奴碑にそんなものが必要か?
まぁなにかに使うんだろう。
……。
そんなわけがあるか。

大君とソイは、密本に捕らわれて証拠と一緒に運ばれていた。
その車を、追いついてきたチェユンがとめた。
「おい、待て」
その声に、タムは気付く。
(トルボク兄さん!)

「くそっくらえだ、くそっくらえだ。仕方ないな。
お前たち、荷物を全部下ろしてすきなところへ行け。死にたくないならな」
刀の鍔に指をかけ、すうっと抜き身を取り出した。
「俺たちを誰だと思っている?!」
男たちは交戦の構えだ。

「お前たちが誰かなんてどうでもいい。
大事なのは俺が誰かってことだ。
俺は、そうだ、ハンジ村のトルボクだ」

(つづく)


堪能したー!

どこを切ってもカン・チェユン。
いや、トルボク一色だった14話どす。

うう、前回のあまりの哀しさに、抜け殻だったわたし。
ってか、カン・チェユンこそ抜け殻だったわけだけどもさ。
今回最後の最後で地獄の底から蘇ってくれましたぜ!

いよっ待ってました大統領!

一瞬「カン・チェユン」って名乗るのかと思ったよ。
すっかり生まれ変わって、
それでもなお文字創製にかかわる決意なのかもしれないなーって。

でもまぁそれはそういうことではなくて。
「ハンジ村のトルボクだぁ!」って。
「ナヌン(俺は)」って言ったあと、ささやくように「クレ(そうだ)」って言うんだよね。
自分で確認するかのように。
お父さんが生きてた頃の、元気で生意気なトルボクが帰ってきたんだな、と。
なんかすっごく嬉しかったのでした。
一度死んでね、生まれ変わったんだね、って気持ちです。

もうこのシーンは、ぜひぜひ韓国語で観てほしい~。
「くそくらえだくそくらえだ」っていうあたりの言い方がすごく好きだから。
思わず吹き替えバージョンでも確認しましたが、
「クレ」もちゃんと「ああ」と発話してくれて、忠実。
悪くはないけど、やっぱり吹き替えじゃない方がトルボクがかっこいいから!

このラストシーンにいたるまでのチェユンの葛藤がいいんですよ、すごく。

最初はね、イ・ドがね、必死でね、トルボクを説得すんだよね。
説得というか、脅迫というか。
お前を救ったせいで地獄に堕ちた。
お前も共に堕ちたのだ。
文字創製を見届けるのがお前の義務だ!みたいな。

全然人格者じゃないところがいいです。

民を救うために力を貸してくれ!的な説得じゃないんだよね。
俺を地獄へ引きずり込んだお前にも責任があるんだ、と。
自分はそのせいでオヤジに殺されかけたんだ、と。
方陣やって呑気に暮らしてたのに、
死ぬ気で準備して死ぬ気で政治やって、
毒は自分の中にため込んでドロドロの中で王様やってんだ、と。

全然耐えてないじゃん、イ・ド。
あ、殺されるかも、って恐怖には耐えたか。

イ・ドの必死がすごくてさー。
そのおかげで、その後のチェユンがめちゃくちゃすごみを増すわけ。

字なんか覚えて何になる、って。
クソみてぇな大義のために、お偉い方々の勝手な理屈のせいで
理不尽な死を迎えたオヤジがだよ?
残した遺言がアレだもん。

自分たちが支配される側だということに、
なんの不思議も抱かずに、毎日必死に働いている下層の人々。
そもそも彼らには希望がないんだよ。
好きな人と結婚して子どもを産んで、死なない程度に飯が食えて、って
そんなささやかなしあわせくらいしか、望めない。
どんなにがんばったってどん底から抜け出せない人たちが、
文字を覚えたいなんて思うもんか。

チェユンにはね、希望があった。夢があった。
父の仇を討つんだ、って目標があった。
王様を殺すんだって望みがあった。
もちろん、殺した後にどんな喜びがあるのか、といえば、喜びなんてあるわけない。
そこには結局荒涼とした心が転がってるだけなんだけどね。
でも、その目標のために必死で文字を覚えたわけさ。

でもフツーの人々にそれがありますか?と。
文字だのなんだのじゃねえんだ。
生まれた時から支配者と支配される側とに分類されて、
一生そこから抜け出せない社会構造にこそ、問題があるんだよ。

王様はそんなことない!っていうんだけどね。
社会の底辺を見て生きてきたチェユンには、
なかなか想像できないんだな。文字が読めるってことの力が。

が死ななければならないのは、文字が読めないからじゃなくて、
力がないからだ。
そういうチェユンの理屈は、まるで先王イ・バンウォンのセリフみたいだった。
イ・ドもそれは感じたんじゃないかな。
自分からもっとも遠い存在であるトルボク。
トルボクが、今の自分を作った。
彼に認められることが、父にも認められることになる、ような気がしたんじゃないかなー。

お父さんの遺書には何が書いてあるのか、すごく知りたかった。
もしや、と思っていましたが、予想通り、恨み辛みはなにも書かれていませんでしたね。
トルボクは、死んでしまったお父さんとソイのために、
仇を討ちたいと思って、そうすればふたりも喜んでくれるだろうと思って、
そうすればふたりの無念も晴れるだろうと思って生きてきたのに、
ふたりとも復讐なんか望んでいないって……。

なんかこれまでの生き方を全否定されたぁぁぁぁぁぁ!
そりゃ死にたくもなるよ。

うう、お父さんの遺書の話をするチェユンにもらい泣きしちゃった。
その反面、
自害するつもりできたなんてトルボクが情けなくて情けなくて涙が出た。
恨みがましい目でソイを見ちゃってさ。
お前はそれでも男か~!
いつまでもアボジアボジいってんじゃねえや!
ファザコンにもほどがあらぁ!
このへんの価値観は、お国柄の違いなのかもしれませんが。

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まさか女の子ソイの口から出るとは思いませんでしたが、
チェユンの心はうつろになっていて、届きませんでした。
人は恋のみにて生きるにあらず、ですね。
どーせ王様の味方なんだろ、って諦めもあったかな。

その抜け殻チェユンが再生を果たすシーンがせつない。
この川辺の風景が本当に好きです、わたし。
お父さんは、のろまでもぐずでもなくて、立派な父としてチェユンを諭します。
男のくせにめそめそするな、ってほんとだよね~。
おじさんの話も好きで、
タムが王様の味方をした……ってすごく深刻になってたわたしの気分も晴れました。
おじさんが笑い話にしてくれて、チェユンもすっきりしたと思う。
死んでしまったふたりは本当に楽しそうですべてを超越してて、
いろんな苦労や困難があるけれど、やはり一番強いのは農民だ、なんて思ったりして。
受け流したり、見て見ぬふりしたり、ただ耐えたり、
そうして生き抜いていくのが民衆なんだな、と思いました。


お父さん、笑ってる。チェユンも救われると思うよ。

杯に満ちたお酒は白いので、マッコリですね。
アルコール度数も低く、農作業などの合間に人々が好んで飲んだ酒だそうです。
王がくれる杯には、澄んだ酒が入っているんだろうな~。
それより何より、彼を解放したのは、欠けた茶碗のマッコリ。
死者が贈ってくれたいたわりだったんだと思う。
ここで過去のトルボクは一度死んだんだね……。

そしてラスト、あの純粋に乱暴者だったトルボクが帰ってくるのです。
キャー!
よかった……ほんとうによかった……。
へろへろでよれよれのトルボクなんてみてらんなかったよ。


豚野郎どもも嬉しそうです。いいコンビだよ。

自分の贔屓目かもしれないけど、
本当にその顔つきがかわってるもんねぇ。
王様の前で卑屈にしてる時って、すっごく嫌な顔になってたもん。
なにしろチャン・ヒョクすごいわ。

密本方面では、意外にあっさり「文字創製」がばれちゃったね。
やっぱみなさん賢いわ。
そしてカリオン大笑い。
そ、そんなにばかばかしいこと?
内容を知ったら驚くと思うけどな~。

領議政が中立だったのは、なんとなく予想できたけど、
王様とこんなに仲良しだとはしらんかった。
マルセンも悩んでて、ちょっとかわいらしかった。
なんだかんだで頭いいし、政治力あるし、愛らしさもあって
やっぱりマルセンが好きだっ。
イ・バンウォンの愛情なのか、死してなお残る野心なのか知らんが、
先王の遺志を汲んで、ぜひともイ・ドの味方になってあげてほしいです。

マルリはインジの同期ってことで、ジョンスとは同調しないみたい。
契員のふたりをかばってくれてうれしかったです。
頑固だけど筋を通すおじさんみたいなので、
集賢殿が密本の巣になることはないでしょう。
他の天地契員はどうなったんだろう?
もう他にはいないのかな?

囮のかごについてた使用たち、密本に殺されちゃったね。
あれって必要な犠牲ってこと?
ちょっとかわいそうだよねー。
王様たちって無慈悲。
あの人たちも、何やってるかわかんないまま殺されちゃった可哀想な人たちじゃん。
誰も余のために死んで欲しくない、とか言ってたくせに、それでいいわけ~?

ちょこっとちょこっと細かいことは気になりますが、
一話まるごとトルボクの再生編ですっきりしました。
続きを見たいような見たくないような……って気分が消えたもん。
「ソイとして生きるんだ」ってタムを見送ったチェユンのすっきり感がよかった。
結局、一目姿を見に行ってたけどね。
でも助けに行ったのは、決心が揺らいだわけじゃなくて、
見殺しにはできないからだし。
あの変な音がしなかったらちゃんと立ち去ってたわけだし。(ホントか?)

オヤジさんのことも好きな女のことも、いったんふっきったチェユンは、
男としてやっと独り立ちしたんだと思うのよね。
ふっふっふ、これからが楽しみだ。
ソイと大君を助けて、どう動く?
彼もまた、王の大義に命を懸けるのか?
そうでなくちゃ、面白くないよね!


泣いてばっかりだったくせに。


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