いまさら韓ドラ!

韓国ドラマの感想をネタバレしながら書いています。旧作メイン

アラン使道伝★15

2014年11月04日 | アラン使道伝
〈あらすじ〉

大監家の離れ、地下洞窟に侵入したウノは、
母の姿を見て驚愕する。

「お前を救う!」
ムヨンは懐から刀を取り出し、ムリョンを刺し貫こうとした。
とっさに間に入り、それを止めたウノ。
「どけ!キム・ウノ、お前の母親ではない」
ウノはムヨンの言葉を信じない。
ふたりと悪霊が戦ううち、ムリョンは逃げ出そうとする。
母親を止めたウノに向かって、ムリョンは刃を向けた。
すると、ムリョンの体から亡霊のように母の姿が浮かび上がる。
その隙をついて、ムヨンは妹の胸に刀を突き立てたが、刺さらない。
なぜ?

悪霊たちの攻撃に立ち向かっているうちに、ムリョンは地上にのがれ、
居合わせたジュワルを助けに逃げ延びてしまった。
「母上ー!」
ウノの叫びがむなしくこだました。

アランが、ウノの扇に描かれた文様について考えていると、
疲れ果てたウノが戻ってきた。
「母上、母上に会った……」
尋常ではない様子であったが、今は休みたい、というウノを置いてアランは部屋を出た。
師匠がウノにくれたというかんざしを手に持って。

ムリョンはかろうじて難を逃れ、山小屋に身を隠した。
閏月に魂をえられなかったせいで、力が弱っている。
ジュワルは、ムリョンの正体を知りたいと問う。
「お前たちには想像もつかない存在。私の名はムリョン、天上の天女だ」

ムリョンを刺せなかったムヨン。
閻魔は、その剣で刺せるのは人間の体から出たムリョンだけだ、と教える。
死神であるムヨンは、人間の体自体を滅することはできないのだった。

アランがまどろんでいると、彼女を呼ぶ声が聞こえた。
声に引かれるように、イ・ソリムの居室へゆくと、針母がいた。
すでに幽霊となっている。
彼女は、チェ大監の部下コドルに殺されたのである。
アランは、針母からあらたな情報を得た。
イ・ソリムは婚約を破談にされていたというのだ。
憔悴しきっていたイ・ソリム。
しかし、記憶を失くしてしまっているのなら、それはかえって幸いであると針母は言った。
「必ず仇をとってあげるから、安心して逝って」
アランは針母から、殺人者の証拠である身分証を受け取った。
それは手の中から消えてしまったが、おそらく針母の遺体が持っているだろう。

アランは、何があったのかウノに尋ねるが、ウノは答えられない。
「後で、後で全部話すよ」
アランを天上に送るために真実を探していたのに、なぜその先に母がいる?
彼自身も混乱しているのだった。

状況は刻々と変化してゆく。
チェ大監は、病を癒すという護符を得て、ホンリョンを切り捨てることにした。
ホンリョン(ムリョン)は力が弱り、一時もはやくアランの体を得たいと考えている。
再び地下洞に入って調べていたウノは、そこへ降りてきたチェ大監を問い詰める。
「お前が黒幕かと思っていたが、あの女はなんなのだ?」
大監は、詳しいことは知らないという。
化け物を、病を治す代償においてやっただけだと。
「お前が使道だというなら、調べてみるがいい。それが仕事だろうが」
「調べるとも!すべてを明らかにしてやる」

アランは巫女に会いにいった。
先日来の恐ろしい体験がどう作用したのか、彼女もおかしなことになっている。
幽霊の姿が見えるようになったのだ。
ところが今度は声が聞こえない。まったくままならないものだ。
ウノの扇の印は、天帝のものだと知れた。
やはり、彼には思惑があって、ウノに扇とかんざしを与えたのだろう。

ウノも巫女に会いにいった。
力のある悪霊なら、人の体を乗っ取れるか?
過去にもそうした例があったようだ。あの結界をはるほどの力の持ち主なら、可能だろう。
その場合、乗っ取られた本人も死んではいない。
本体がなければ、命も保てないからだ。
悪霊を追い出す方法は、無い。

ジュワルはホンリョンの正体を探ろうと大監と話すが、たいした情報は得られない。
逆に、彼女が使道の母であること、天女であることを父に教えた。
ホンリョンのことを知っていたのは、彼に仕えている使用人だった。
使用人はすべてを知っていた。
ジュワルが、閏月の夜に何をしていたかということも。

ホンリョンは、以前は別の姿をしていた。
ある日、雇い入れた女が大監の食事に毒を盛り、罰せられることになった。
それを離れの主人が救った。驚いたことに、翌日にはその女が離れの主人となっていたのだ。

アランは市場でジュワルと偶然出会った。
「こないだの心をくれ、という話だけど、わたしには無理だわ。ごめんなさい」
彼もまた、そうした答えを予期していたのかもしれない。
「では、一つだけ約束してほしい。
どんな瞬間であれ、望みをかなえるために己を差し出したりしないと。
何があっても自分をあきらめたりしないと約束してくれ」
アランは微笑んだ。
「わたしを知らないのね。わたしは、何があっても自分をあきらめたりしない。
ここまできたもの。若旦那はいい人ね」

アランは、ジュワルにイ・ソリムの日記を渡すことにした。
彼女が、ジュワルをどんなに恋焦がれていたか知ってほしくて。
あなたを心から愛した人がいたと、覚えておいてほしくて。
「若旦那がいい人で、本当によかった」

役所に帰り着いたウノは、ジュワルとすれ違い、足早にアランの元へ行く。
「なぜあいつが来ていたんだ」
思わず詰問する口調になったが、彼女の返事を聞いて納得がいった。
「イ・ソリムの日記を渡したのよ」
「そうすべきだったのか?」
「うん、わたしが持つべきものではないわ」
「イ・ソリムとしてやるべきことはすべて終わったか?」
「うん」
アランは月を見上げた。
「月が俺たちをもてあそんでいるようだな……」
「そうね」
ウノは、疲れ切ってアランの肩に頭を預けた。
「少しだけ。少しだけこうしていさせてくれ……」
話すことがたくさんあったのに、と思いながら、アランは優しくウノを見つめた。

ジュワルは自室でイ・ソリムの日記を読んだ。
顔も知らないひとりの女性が、自分に寄せた想いがつづられていた。

かんざしを持って考えあぐねていたアランは、ある記憶を思い出した。
夜中、ジュワルの姿を一目見ようと出かけていたイ・ソリムは、
ジュワルの後をついて歩くウノの母親を見ていたのだ。
でも、なぜ?

ウノは、チェ大監と母のつながりを調べるため動き出した。
村人にあらためて話を聞きにゆくと、母がチェ大監について尋ねていた事実があらたにわかった。
「大監が恐ろしいと言ったな。
やつの悪行を調べるといっても、黙っているつもりか。
それでは誰の力にもなってやれぬ」
ウノは憤りをこめた強い口調で村人に告げた。
「で、では、お話すれば助けてくださるというのですか?」
「もちろんだ。話があるなら役所に来い」

ウノは父のもとに早馬をつかわし、母と大監のつながりをさぐるつもりだ。
同時にチェ大監の悪行を調べるよう、トルセに命じた。

アランは、初めてジュワルを見て恋に落ちたあの橋へ出かけていた。
偶然のようにジュワルが現れ、イ・ソリムの日記を渡す。
「わたしには受け取る資格がない。元の場所に返しておいてくれ」
「若旦那、若旦那は彼女がどうして死んだのか気にならなかった?」
「そうだな、だからこそ、資格がないのだ」
「若旦那は満月の夜、どこにいたの?」
「ここにいた。ここから見る月は、美しいから」

ジュワルの言葉に邪気はなかった。
「一緒にいたのは偶然だったのかな」
しかし、アランは思い出した。
あのとき、ウノの母親の髪から、自分がかんざしを抜き取ったのだ。
「行かないで」と言って。

(つづく)

よかった~。
ウノがマザコン野郎に逆戻りかと心配していたけど、
確実に成長していたね!

アランのことを考えて、なぜだ?!と思いつつ、黙っている。
そして、無策に母親を探し出そうとはせずに、
きちんと論理的に考えて行動しています。
「おかあさ~ん!」って腑抜けにならないでくれて本当によかった……。

そのかわり、いまだにジュワルに嫉妬しちゃうかわいい男ですが。
もちろんジュワルはあの家にいたわけだし、なんか知ってそうだし、
あやしい人間だからアランに近づいてほしくないんだけど、
それだけじゃない感情がありますよね。
「なんであいつがここにいるんだ!」
ってそんなに怒らんでも……。


甘えるウノ君。しかし、この姿勢はすっごく首が凝る、と思います。

いたって冷静に返事をするアランがやっぱり大人。
そしてジュワルを「いい人」と信じているアランが心配。
ジュワル、役どころを考えるとそんないい人じゃないじゃんね。
人殺しだよ?
こいつ、悲惨な幼少時代のせいでかわいそうな感じに見えるけど、
結局は自分の欲望のために人殺ししてるからね?
情状酌量の余地あり?そういうこと?
いや、違う。
だって殺された乙女たちって、なんの罪もない子だもの。
なんか「俺ってピュア!」みたいな顔してぼーっとしてるジュワルなんて嫌いよっ。

物語も終盤で、いろいろわかってくるんだけど、
ウノのお母さんってとうとう実力行使しようとして密陽に来たのねぇ。
毒殺って、力のない女性が殺人を犯す手法だけれど、意外とうまくいかないのね。
だいたい昔の毒って苦そうだもんね。
無味無臭の毒薬があったら、今ごろ世界は平和になってるか人類絶滅してるかどっちかだわ。

ジュワルに忠誠を誓っていた使用人のエピソードが、なかなかよかった。
なーんにも言わないけど、すべてを知っていて彼に仕えていたのね。
心配して食膳を運んできてくれてた男でしょ。
ジュワルも知らないところで誰かに支えられてたんだ。
いろんなことを「知らなかった」ってだけでは許されなような気がするね。
知らないということもまた、罪であるっつーか。

ちょっと心配なフラグもたっちゃってて。
「どんな瞬間にも、己を差し出したりしないと誓ってください」
だとか言われましたけど、
これは絶対そういうシチュエーションになるんでしょ?そうでしょ?
きっと誰かを救うために(ウノだと思うけど)そうしちゃうんでしょ?
わかり、やすいといえばそうなのだが、心配すなぁ。

そしてちょっとなんなんだ、という問題も起こりまして。
ムヨンの剣でホンリョン夫人は刺せないよってどーゆーこと?
もちろん、人間には人間しか対抗できない、死神は人間に手が出せない、など、
ルールづけはありましたけれど、
あんだけムヨンに選択を迫っといてこれはないんじゃないかい?

ムヨンが不憫でしょ!

お前の覚悟を試したんだとか言っちゃってさ。
そりゃねえですよ。

しかし、逆を言えば、体からムリョンの魂が離れた時なら刺し殺せるわけで、
ウノのお母さんが死ねば、彼女は体から出ないわけにはいかないわけで。
ウノが泣きながらお母さんを刺そうとしてやっぱ刺せなくて、
でもお母さんの魂ががんばって自ら殺されて、
ぐぬぬぬ、とかいってムリョンが押し出された瞬間、ムヨンが成仏させるってのが
万全の作戦なんじゃないかと。
もうふたりの男の肉親への愛情なんて完全無視の計画なんですが。
「そーゆーの乗り越えろ!」って非道な神様たちですね。

正義どころか、秩序のために身内を殺しなさい、ってことですから。
ここでは死後の世界が保障されているからいいようなものの、
けっこう危ない思想だと思いますよ。
変な方向に正当化されるとカルトになっちゃいますよ。

でもまぁ、ふつー、いくら身内でも罪もない人を殺してまわるような人間は許せないですから。
ムヨンはもうふっきれてますし、あとはウノくんの覚悟だけですね。
お母さん、そこまで悪人ってわけでもないんでかわいそうですが、
成仏していただきたいです。


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