愛煙家の多事総論

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今年はドイツ年

2005-03-28 18:59:01 | 国内情勢
ドイツ年かぁ・・・

そーいやそうでしたね。

昔、ドイツに住んでいた頃ネオナチな方々と付き合いがあった。
彼らが土曜の晩に必ず集うバーがシュツットガルトに在ったのだが、自分も友人と一緒に良くそこに行ったものだった。
別にネオナチの青年達と会合をしよう、とかいうのではなく、単にそこのシュニッツェルが絶品だったから毎週通っていたのだが、いつの間にか彼らとも仲良くなっていた。
最初のうちは彼らは俺のことを睨みつけてるだけだったが、自分が日本人だと分かると手の平を返して友好的になった。
何で俺のことを睨んでたの?と聞いたら、

「日本人以外のアジア人は、大抵閉鎖社会を作って犯罪に手を染めている連中だ。そんな奴らににこやかに話しかける馬鹿がいるか?」と言われた。
確かに在外邦人というのは、他のアジア人と違って犯罪を起こす人は極端に少ない。これは日本人に「移民」という概念や風習がないのと(勿論日本にもある程度あるが、他の国ほど大規模ではない)、そもそも外国に住むような人間は大抵大企業の社員だったり、大使館員だったりで、逆に犯罪に狙われる人間が多いということのだろう。

意外だったのがネオナチの青年達の礼儀正しさ。それ以前にヨーロッパをブラブラ遊歴した際に、フランス、オランダ、ベルギー、オーストリアなどなどでも極右の青年達と話したことがあったが、彼らは一様に礼儀正しく、傍目から見たらパブリックスクールに入ってフットボールでもしてそうな人間ばかりだった。実際、高学歴の人間や政府高官の息子なども多数いた。
で、そのネオナチの青年達、話せば話すほど良い連中で、毎週バーで落ち合い、その後カラオケで夜を明かす・・・といった日も増えてきた。
そんなある日、ネオナチの青年の一人がこんな事を言った。
「合言葉を作ろうぜ」
ネオナチといえば世間から忌避される存在であり、彼らにもその自覚はある。世間から見放されても、自分達は正しい事をし、地下活動に勤しんでいる・・・といった無邪気で暗い情熱がそんなことを言わせたのだろう。
別に否む理由もないので、どんな合言葉を作るのかと思ってたら、面白い合言葉を作った。

「2045」

大抵の人は分かると思う。1945年の百年後、というだけの意味である。
が、百年後が何を意味するのかというと、要するに2045年にまた世界大戦でも起こそう、というブラックジョークらしい。
実際、ドイツと日本の間にはその手のブラックジョークが多い。

日本人「今度はイタリア抜きでやりましょう」
ドイツ人「その話はここではまずい、誰にも聞かれない場所で話そう」

といったブラックジョークなど。
その合言葉を決めた時の彼らは、なんとも言えない状態だった。
目だけが爛々と光り、夢想した情景を現実のものと捉えているかのような表情。
その時初めて、彼らの暗い情熱の正体の一端を見た気がした。





そんな日本とドイツも150年近い交流を続けてきた。
自分としては、日韓友情年よりも、ドイツ年の方にもっと力を入れてもらいたいと思う。
いつ裏切るか分からない隣人よりも、愚直な遠い友人のほうがずっと頼りになるのだから。

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