【（３）知的障碍者の行き先】

　【（３）知的障碍者の行き先】

それは、台湾に長女が留学する前のことだった
ように思い出される。
それは、ショッピングモールの一角のゲームセンターで
子供たち三人が楽しく遊んでいたときの思い掛けない
出来事であった。

次女が何処かのお爺さんに怒鳴られて悲しそうに
顔を下に向けていた。
長女は、お爺さんの方を向いてペコペコとなんだか
必死に誤っている。
それにも増してお爺さんの声は、益々高ぶり鼻息荒く
いきりたっていた。
周りの状況も見えずに、きちがいのようにいきりたつ
お爺ちゃん・・・
私が事情を聞こうと入ろうとしたら、長女が私を
手で引き離し、次女の腕を握り其の場を離れた。

後で娘より事情を聞くと、次女が可愛い小さな女の子を
見つけ優しくゲームを教えようとして近づいたらしい。
そして、ゲームの上に手を掛けているのをみて、
お爺ちゃんは、勝手に孫がゲームの邪魔をされていると
誤解して怒鳴り始めたらしいのだ。

そこまでは、私もお爺ちゃんなのだから已む得ない
かなぁと思うのだが、その最後の言葉がとても
赦せなかった。
これが最終的に健常者の言い分かと思わされた。
その言葉は、長女が
「次女は知的障碍を持ち小さい子に優しくするのが
スキなのです。」と言ったときの態度である。

「それは、そっちのことで、こっちには関係ない」と
益々怒りのテンションを上げ、真っ赤な顔になり始め
それ以上、長女の声も聞かずに怒鳴っていたと言う。
其の場を立ち去ろうとしたときも後ろから罵声(ばせい)を
浴びせられた。

通常なら切れる　ょ～～
私達がクリスチャンで良かったね～～

自分の孫が一番で、他には何にも見えない
障碍を軽蔑の目で感染症か何かのように取り扱う。

そのお爺さんももっと、老いて足腰立たず障碍を
抱えたときに、自分が今日言ったように、
「それは、こっちのことで、そっちには関係ない」と
言えるのだろうか！！！
多分、その時は、人並み以上に御託を並べ文句を
言うに違いない・・・
健常者の使命は、何時の間にか失われつつある。
今日は、その回復を願って・・・
エーメン
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