伊藤 克浩(べるお/Beruo)の「折れない心」ブログ

理学療法士伊藤克浩(べるお/Beruo)のサッカーとフットサル、そして理学療法に関するブログ。

新人指導

2011年05月19日 | Weblog
 昨日と今日の新人指導、二日間ペットボトルへのリーチアウトについてリーズニングした。

 対象物までの距離の知覚は「動いて見る」すなわち、操作対象物と背景との見えの変化(運動パースペクティブ)が重要となる。

 それによりペットボトルがリアル(写真でない実物)に知覚され、背景との変化で距離も知覚される。
 そしてそれが手を伸ばす前に「構え」(先行随伴性姿勢調整/APAs)を作り出す情報となる。

 小脳にはエファレンスコピーがあらかじめ送られていて、実際に手を伸ばして・・、ペットボトルを持ってみて・・返ってくる脊髄小脳路(etc)からの情報とコピーを照合し、修正が必要かどうかを判断するのだ。

 飲むためのリーチ、キャップを開けるためのリーチ、内容量によってリーチは変化する。

 対象物は脳に働きかける。

 例えばA4の紙の資料を人に渡す時・・。

 紙の張りを作るようにカーブさせ、空気抵抗まで知覚して紙の資料の反対側を相手に差し出す・・。

 そのときの指の形を決定づけるのは素材の持っている知覚情報となる。

 同じサイズの鉄板であれば重心の近くまで出来るだけ指を伸ばして慣性テンソルをできるだけ操作できる手指の形が決定づけられる。もしくはテンソルを分散させるために両手で持つという選択を脳はさりげなく行う。

 すなわち環境や対象物が持つ知覚情報が脳に対してリーチ・構え(先行随伴性姿勢調整/APAs)・パターン選択をアフォードするのだ。

 ベルンシュタインの自由度の問題(リーチするときには肩甲骨・肩関節・肘関節・手関節の動きを総合すると数万通りの組み合わせがある。何がそれを決定づけるのか?)、シナジー・・複雑である。

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