伊藤 克浩(べるお/Beruo)の「折れない心」ブログ

理学療法士伊藤克浩(べるお/Beruo)のサッカーとフットサル、そして理学療法に関するブログ。

雲の切れ間

2010年09月28日 | Weblog
秋雨の雲の切れ間から日の光が差し込み急速に秋の気配が身体に染み込む

冷たい空気が喉を通り過ぎる

心地良い…

そんな9月の終わり。

シンポジウムの打ち合わせのあとも地下で池田屋計画進行中。

エビデンスを旗印に封じ込めようとしていた流れに逆らえるか?

だが何度も大きな波を乗り越えて来た。

かつての波は今、声高らかに神経科学、そして脳の可塑性を叫んでいる。

療法士は知っている。それはどんな技術であるかどうかではなく、如何にクリニカルリーズニング能力に長けた人のコトバであるかなのかを…


神経科学で様々な出会い

2010年09月26日 | Weblog
9月の末にほんの少し時代が動く音が聞こえた。

 私のIBITA成人片麻痺上級インストラクター承認のお祝いに関東の指導者陣から頂いたipadで始めたツイッターで道免和久教授(CI療法の日本第一人者であり兵庫医科大学リハビリテーション部教授)と知り合うことができた。前に飼われていた愛犬がうちのゴールデンレトリーバーにそっくりで愛犬の話をすることができた。そして当院でFIMの講習会を開いて頂いた高橋秀寿先生(杏林大学リハビリテーション医学教室准教授/慶応大学出身)と同級生だという偶然にも驚いた。(同教室の岡島康友教授には毎月一度当院にお越し頂き指導を受けさせて頂いています)
 
 そしてまた新しい出会い。先週には当院の山本伸一IBITA成人片麻痺基礎講習会インストラクターと「作業療法コラボレーション研修会」で意気投合されたとお聞きしている宮口先生(広島大学大学院教授)と内山先生(名瀬徳洲会病院)が当院に来られ、私も「認知神経リハビリテーション」の事を学ぶことができた。
 二日間にわたり同一症例をボバース概念に基づく姿勢コントロールを私が説明・治療し、「認知神経リハビリテーション」の認知課題を内山先生に行ってもらう・・などして「認知神経リハビリテーション」の片鱗を知ることができた。

 後にお逢いする佐野恭子先生(CIMT指導者/兵庫医療大学)と宮口先生が近畿OTメーリンググリストを通しての友人であったことも何かの縁だろうか。

 佐野恭子先生も当院の山本伸一インストラクターと「コラボレーション研修会」で意気投合されたと聞いていたので今回のシンポジウム(中枢神経疾患へのリハアプローチの再構築 http://www.gene-llc.jp/sympo_101107.html)でCIMTについてお話しして頂こうとシンポジストを依頼した先生である。
 
 そして今週、11月7日のシンポジウムの打ち合わせ会へ。

 森岡周先生(畿央大学教授)、高倉先生(埼玉医科大教授)、合同会社gene張本先生との再会、そして佐野恭子先生と初めて出会う。
 大阪難波スイスホテルでビジネスミーティング、その後、難波の料亭で神経科学の話で盛り上がった。

 高倉先生は今回シンポジウムで司会をお願いした先生だが、インターネットが今のように定着する前のニフティサーブ、パソコン通信時代からの付き合いである。その時代のNifty FCASE(症例検討フォーラム12番会議室リハビリテーションの部屋)は、文字情報だけのコミュニケーションであったが現在の藤田保健衛生大学七栗サナトリウムの園田茂先生とも知り合うことができ、日本のリハビリテーションの将来について語り合う事ができた。その当時の仲間は自分にとってとても大切な財産である。
 
 そして森岡周先生、高村浩司IBITA成人片麻痺基礎講習会インストラクターと同級生という事もあり、昨年に山梨県理学療法士会でお呼びした際に意気投合。来年の日本理学療法士協会学術集会(宮崎)のオープニングセミナーの司会を勤めさせて頂くことにもなった。森岡先生は皮質から皮質下、そしてルリアを代表とする神経心理にまで知見が深いので、神経科学に基づいて症例の話をしても何一つ違和感がない・・というか波長が合う。「認知神経リハビリテーション」という枠に捕らわれず、今後も指南を受けていきたい研究者である。
 
 佐野先生とは初対面であったがCIMTに関する神経科学の話で語り合えたと思う。私自身がCIMTを十分に理解しきれていなかったので、山梨の勉強会でも講演を依頼中であるが今回の打ち合わせで半球間抑制の事やシェイピング(CIMTの課題等)のお話を聞くことができ、CIMTについて知見を深めることができた。先生自身はCIMTに対する誤解(非麻痺側を拘束すれば良い・・等)を解くと言われていたのでシンポジウムでもう少し深くお話を聞きたいと思っている。メアリー・リンチ先生(BBTAシニアインストラクター)がチューターズモジュールで提示されたCIMTやオランダの保険制度にそくした講習会(神経リハビリテーション講習会/脳卒中)にCIMTが取り入れられていること、そして前述した園田先生達が検証されているFITプログラムアドバンス(365日リハプログラムで7-9単位における様々なアプローチ介入による効果の差を検証)にCIMTが取り入れられていることを鑑みればCIMTについて我々もさらに知見を深めるべきであろう。

 最後に合同会社geneの張本先生には今回のシンポジウムに関して思いの外、ご心労をおかけした。先生は民間会社の代表でありながら、若いセラピストに何を学ぶべきか道を示してこられたお方である。
 今回のシンポジウムに関しては日本作業療法士協会、PT・OTNET、その他の後援取得を含め、無理なお願いを聞いて頂いた。その恩に報いるためにも当日のシンポジウムを参加していただける療法士の方々に満足して頂ける内容にしたいと思っている。


富山県理学療法学術大会

2010年09月26日 | Weblog
富山県理学療法学術大会

テーマ:脳卒中のリハビリテーション最前線
特別講演:脳卒中のリハビリテーション最前線ーボバース概念の今とこれからー
山梨リハビリテーション病院 理学療法士 伊藤克浩
日時:平成22年10月10日
会場:富山県総合福祉会館 サンシップとやま

認知神経リハビリテーション的な今週

2010年09月22日 | Weblog
 昨日・今日と広島大学大学院の宮口先生、名瀬徳洲会の内山先生が当院に来られて同じ症例を通してディスカッションできました。

 ボバースの皮質下制御の話をして神経科学をベースに様々な討論をできたと思います。

 今週末は森岡周氏とシンポジウムの打ち合わせをします。認知神経リハビリテーションの人たちと濃厚に絡んだ(絡む)今週でした。(今週です)

ipadな日々

2010年09月21日 | Weblog
 8月の末にうちのコース終了に合わせてIBITA認定上級インストラクターのお祝い会を開いて頂いた。

 順天堂医院の新保先生や諏訪赤十字の大槻先生にまでお越し頂き恐縮である。

 参加して頂いた山梨の仲間からは私のリクエストもあってH.I.Sの旅行券を頂いた。

 年内には家族を恩返しのために旅行に連れて行く予定である。パスポート代は高くついたが・・。

 で、IBITAの指導者陣からはお祝いにipadを頂いた。

 ipad・・山梨ではwifiも飛んでないし使えるかな?と思っていたがNTTBフレッツの「どこでもwifi」を手に入れて思いの外便利なツールとなった。

 PCと違ってボタン一つで起動し、safariで即インターネット。SNSサイトはログインしっぱなしで常時アクセス。ツイッターはアプリでサクサク。メールも瞬時に返信できる。

 この「どこでもwifi」は自宅・職場はカテ5接続すれば普通にwifiを飛ばせるし、新幹線や都内のフレッツスポットでは電波を拾うので快適なツールとなる。

 ところが山梨では中央線を筆頭にマクド以外の店舗ではフリースポットが存在しない。

 そこでDOCOMO WANのSIMを「どこでもwifi」に入れて定額データプランを導入し、常時接続環境を構築しようと思ったのだが、今のサービス期間で4500円+モペラのプロバイダー料500円強(@niftyが対応していないらしい)、1年後にはサービス期間終了で6000円強が毎月かかるらしい。

 うーん。従量制を検討するか・・、それともDOCOMOの社長がサイトに書いている「ipadにSIM提供する用意がある」という言葉を信じてしばらく待つか・・。

 PCも買い換え時期でVAIOのXシリーズを検討中なので、ipadが手元に来るまではVAIOでWAN内蔵、サクサク常時接続環境を考えていたので複雑だ。

 しかも携帯でそのサクサク環境を手に入れるためにSH03B(キーボードのついたFOMAでフルブラウザ対応の携帯/高級価格6万円強)を買ったのに・・今はただの電話機になっている。

 読みが浅いという事だな。( -_-)ふ…

 ただipadのツイッターアプリで期せずしてCIMTの巨匠とやりとりすることができた。

 これも何かの流れなのか?

 とりあえず今週末、周さん、佐野恭子さん、高倉さん、張本さんとのシンポジウム打ち合わせだ。準備せねば・・

講習会新プログラムの概要

2010年09月13日 | Weblog
 当院のIBITA認定成人片麻痺講習会も今年で9期目となる。
 世界的な流れもあってBBTA(イギリスのボバース講師会議)に準じて当院の講習会も今年からニュープログラムに変更した。大きな変更点としては昨年までの実技10段階に変わって下記の実技構成となった事だ。Movement Analysisは主にハンドリングによって受講生同士の反応を感じ取り、正常運動の特徴や多様性をリーズニングする。Task Analysisは課題実行を観察、分析してそれを神経学的に考察し、受講生で特異的な人を評価してグループでディスカッションしハンドリングする。そして Facilitationは症例を想定して治療実技を行うといった構成となっている。
 全体にこれまでとくらべて触って感じ取る、そしてその理由を解釈し討議すると言った内容が増えている。症例のデモンストレーションに関しても以前はインストラクターが治療しながらそれを解説するという事が多かったが、現在は対象者さんとだけやりとりをしながら治療を展開し、デモンストレーション終了後に時間を取って受講生が「観察のポイント」「機能」「潜在能力」「計測(メジャーメント)」についてグループディスカッションを行う。そして最後にグループ毎にそれを発表。発表の内容に関してインストラクターが解説とまとめを行うといったクリニカルリーズニング形式をとるようになった。受講生の印象としても前半二週間を通して良く自分の考えをまとめられるようになるし積極的に意見を言い合う雰囲気が例年にも増していたように思う。
 また、神経学的に人の動きを解釈する良いトレーニングになったと思われる。一方、治療実習で実際の症例を目の前にしたときに治療場面の展開に困っている受講生もいたようで更なる試行錯誤や見直しも必要なようだ。3週目が終了した時点で検討する必要があると考えている。

-実技プログラムの一部を抜粋-
「Movement Analysis」
How to touch the human body
Bipedal standing & placing arms
Stop standing
Stop standing to symmetrical sitting posture Facilitation to sitting balance Get up from supine to sitting & sit up to standing

「Task Analysis」
Reach
Take a Bottle from higher
Pick up from floor
Up stairs Facilitation one leg standing
Activity
Facilitation to Hand Function

「Facilitation」
Core control in crook lying supine
walking