昨日紹介した本【離婚に伴う財産分与】ですが、
財産分与の中で、弁護士がとても「ぐぬぅぅ・・・」となる問題について、
整理がされていて、勉強になりました
「ぐぬぅぅ・・・」となっている弁護士って、
そんなにいるの???
あおい先生だけじゃない?そんなにわかりやすい人。
こんな事例をイメージしてください
夫婦共有財産: ①自宅不動産(1000万円相当の価値:夫名義)
②住宅ローン(2000万円:夫が銀行から借り入れている)
③貯金500万円(ただし妻が管理している)
夫が ① をもらう代りに ② もこのまま引き受ける方向で、
財産分与を検討している。
では、妻が持っている500万円はどうなるか???
げろ。計算めんどうくさいなぁ。
大きなお金動くことなので、
とても切実な計算なのですが、困ったことに、この計算方法は1通りではないんです・・・。
考え方その1:プラスの財産の合計が1500万円
マイナスの財産の合計が2000万円
マイナスが大きいので、財産分与はできません!!!
・・・私が以前当たった裁判官は、この考え方でした。
妻が持っている500万円が気になって仕方なくなりませんか???
考え方その2:① と ② をノーカウントにする。
500万円÷2として250万円を 妻が夫に渡す。
・・・この考え方の裁判官にも会ったことがあります。
考え方その3:プラスの財産の合計が1500万円
マイナスの財産の合計が2000万円
この夫婦はマイナス250万円を負担しあうべきだから、
妻は夫の750万円渡しなさい・・・というのは気の毒なので、
手持ちの500万円を渡しなさい
この考え方は本でよく見ます。
金額に幅がありすぎない!?!?!?!
弁護士が頭を悩ませる理由が分かっていただけましたか?
この部分について、
「絶対にこうなります」と言い切ることが、私はできません。
「ぐぬぅぅ・・・」となりますでしょ???
弁護士 生井澤 葵(なまいざわ あおい)
◆プロフィール◆
埼玉弁護士会所属
埼玉県熊谷市の弁護士 中央大学法科大学院兼任教員
JADP認定夫婦カウンセラー資格取得 埼玉弁護士会司法修習委員会セクハラ相談窓口
離婚問題、不貞問題についての相談を多くいただいております。
詳細なプロフィールはこばと法律事務所 弁護士生井澤葵 HPへ