きょうも映画館通い by Banzong

わたしたちは世界一の映画の街に住んでいる!

2017.11.30 角川シネマ新宿で瀬々敬久監督の『最低。』を観る。良い後味でした。

2017-11-30 | 映画レビュー
瀬々敬久監督の『最低。』を観る。角川シネマ新宿です。

AV女優が書いた同名小説の映画化。家庭内のもやもやをかかえAV出演を決めた30代の主婦、AVにでたことが田舎にばれた女子大生、母がAV女優だったことを知った女子高生、三人の女性の物語が交差しながら描かれます。彼女らの苦悩をうけとめる家族たちのサイドストーリーもよくできています。

『64』『ヘヴンズ ストーリー』で注目された瀬々監督は、ピンク映画出身。お金がかかったエンタテインメントと小品佳作、どちらとも定評のある、現在の日本映画を代表するひとりです。とても優しいまなざしを感じる、といいますか、でてくる女性たちそれぞれを抱きとめてあげているようなあたたかさがあり、良い後味でした。

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2017.11.29 カルロス・サウラの『J:ビヨンド・フラメンコ』をBunkamura ル・シネマで観る。音楽&ダンス映画でした。

2017-11-29 | 映画レビュー
カルロス・サウラの『J:ビヨンド・フラメンコ』をBunkamura ル・シネマで観る。面白かったのですが、想像していたのとはだいぶ内容がちがいました。

ドキュメンタリーではなく音楽映画です。フラメンコの原点ともいえる「JOTA(ホタ)」というスペインの音楽&ダンスを、世界で活躍するギタリストが演奏し、現代のフラメンコ・ダンサーが踊る、それがすべて。説明的な映像やインタビューがあるわけではありません。

情熱的で、哀愁を帯びていて、リズミカルで、どことなくエキゾチック。さまざまなヨーロッパ各地の音楽の片鱗を感じさせる、なかなか面白い音楽&ダンスです。「ホタ」は、元来男女の愛のささやきだった、といいます。

1時間半、ギターやカスタネットなど、ここちよい音とダンスの世界にひたるのもいいものです。

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2017.11.28 TOHOシネマズ渋谷で『gifted/ギフテッド』を観る。

2017-11-29 | 映画レビュー
本日2本目もTOHOシネマズ渋谷。『gifted/ギフテッド』を観ました。お涙ちょうだいだろうと、スルーしていたのですが、新聞などでわりと評判がよいので。カミさんを誘って観ることにしました。

舞台は現代のフロリダ。生後間もなく母を亡くし、独身の叔父に育てられた7歳の少女の物語です。少女の母は著名な数学者。その血をひいて、彼女も非凡な頭脳の持ち主なのですが…。幸せって何なのか、がテーマです。

少女メアリー役のマッケナ・グレイスがすばらしい。「まあ、よくこういう天才子役がでてくるもんだね」とカミさんは感心しています。彼女を誘ったのは、実は主人公ふたりと一緒に住む猫ちゃんが重要な役柄という設定を読んだから。フレッドという名の片目の猫。ドラマの展開に不可欠な役割を担う存在です。もう少し出番が多くてもよかったのに、というのが、我が家の、この映画唯一の不満です。

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2017.11.28 TOHOシネマズ渋谷で『火花』観ました。ラストのテーマソングで思わず涙、でした。

2017-11-28 | 映画レビュー
『火花』観ました。TOHOシネマズ渋谷です。

菅田将暉くんは期待通りの熱演。『あゝ荒野』同様、きちんと役作りしたんでしょうね。漫才、いい感じです。まぶしいばかりの青春映画。何かに打ち込み、のたうち回る姿は観ていて羨ましくもあります。

ただ、ちょっと理屈っぽくってね。小説ならいいんですが、ビミョーなところやね。なんて思っていたのですが、ラストでやられました。

ビートたけしの『浅草キッド』が使われるというのは知っていました。主演の菅田将暉と桐谷健太がエンドロールで怒鳴るようにうたいます。思わず涙がでましたね。アメリカのアカデミー賞のような主題歌賞が日本の賞にあったら、間違いなくノミネートでしょう。ちょっとハマりすぎかな、と思わなくはないけど。

お前と会った 仲見世の
煮込みしかないくじら屋で
夢を語ったチューハイの
泡にはじけた 約束は ……

この後の「いつか売れると信じてた」という、ビートたけしが高いキーで歌うフレーズが好きです。

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2017.11.26 東京フィルメックス5本目。キアロスタミの遺作『24フレーム』を観る。

2017-11-27 | 映画レビュー
東京フィルメックス5本目。これで最後です。昨年他界したイランの巨匠、アッバス・キアロスタミの遺作『24フレーム』。監督の遺志をついで、完成させた作品だそうです。TOHOシネマズ日劇です。そういえばこの映画館も来春で閉館。ここがフィルメックスの会場になるのも最後ですね。

最初は、ルネサンス後期、ブリューゲル描く『雪中の狩人』が映し出される。静止していると思うと、遠くの家の煙突から煙が登る。犬が吠えて、動き出す。これをキアロスタミが自選した静止写真でやろうというアイデア。写真の撮影前、撮影後を再現してひとつの映像にする。それが合計24フレーム。カメラは固定のまま、ある風景をとらえる。まるで、動物を描いた日本画のような、雪の野原を走る白い馬、雨のなか、ゆったりと画面を横切る牛。夏の日、開けはなった窓の外の木樹が風で揺れている、窓の桟では小鳥が遊んでいる。青い空を突然飛行機が横切る。といった映像が続く。13フレーム目だったか、やや飽きたあたり。冬の海、かもめが飛んでいる。銃声が聞こえ、一羽のかもめが撃たれて浜辺に落ちる。しばらくして、別の一羽がかたわらにきて、悲しい声で鳴く。やがて何羽が集まってきて…。映画です。

日劇の大画面だから、凝視でき、この世界に入り込めた。すばらしい。が、DVDで家で観たら、短気な私はたぶん、早送りしてしまうと思う。



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