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2017.9.23 川島雄三『銀座二十四帖』をシネマヴェーラ渋谷の特集上映「安倍徹生誕百年記念 悪い奴ら」で観る。観てよかったあ!

2017-09-23 | 日記
川島雄三監督作品が名画座にかかると観ています。今日は『銀座二十四帖』(1955年)。シネマヴェーラ渋谷の特集上映「安倍徹生誕百年記念 悪い奴ら」の一本です。

主演は三橋達也と月丘夢路。三橋は銀座で小さな花屋を営んでいます。築地の料亭に住む月丘が花を買いに立ち寄るところからドラマは始まります。花屋は戦災にあったみなし児の少女をやとっているのですが、そのひとりが当時ハイティーンの浅丘ルリ子さん。もう天使のようにかわいいです。月丘の姪の役が北原三枝。「ミス平凡コンテスト」に出るために大阪からくるという設定です。スタイルバツグン、しゃきしゃきとした現代娘で、こちらも魅力的です。

情報量の多い映画です。もう、細かいところが気になるし、興味深い。例えば、タイトルバックにかかる主題歌は森繁久彌が歌う『銀座の雀』です。この映画が元だったんですね。森繁さんは出演はしていませんで、クレジットは「歌とジョッキー」とあります。ナレーションのことなんですが、映画の筋とは関係なく、「ディスクジョッキー」のように銀座のことを話します。「東京には画廊が16あり、そのうち13は銀座にある」とか。どのくだりの銀座うんちくも今観るととても面白いんです。もう埋められてしまった川もふんだんにでてきます。銀座は水の町です。銀座の百貨店戦争にふれ、各店を簡単に紹介します。映像では有楽町のそごうの建築現場まで映し出されます。ここにデパートが出来、「あなたを待てば…有楽町で逢いましょう」の舞台になるのはこの2年後です。いまはビックカメラか。

この特集上映は、安倍徹、河津清三郎、小沢栄太郎の三人をフィーチャーしています。『銀座二十四帖』では安倍さんがオネエ言葉を使うちょび髭の画家の役で登場します。珍品です。河津さんもでているのですが、これがなかなか姿を現しません。ネタバレですが、映画のなかでキーとなる謎の男の役です。その登場はまるで『第三の男』のようです。ソフトをかぶってタバコをくわえ…(特集上映のチラシはこの映画の河津さんです)。彼が大活躍をするクライマックスは、服部時計店の時計や、ナショナルのネオンが窓の外に煌々と映し出されるビルの屋上で展開されます。

ドラマは大したことないですが、当時の銀座の映像がここまででてくることに感動します。戦後十年、昭和30年の日活作品です。定番通り服部時計店の時計で幕を開け、時計にエンドマークがかかって終わります。観てよかったあ!
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