減価する通貨が導く近代超克への道

自然破壊、戦争、貧困、人心の荒廃・・・近代における様々な問題の根本に、私たちが使う「お金の非自然性」がある

資本主義経済の末期と悪徳商法(の傾向・対策)

2007-10-28 18:46:56 | Weblog
私もしばしばお邪魔する「復活!三輪のレッドアラート!」で、悪徳商法に関するエントリーがありましたので、ご紹介したいと思います。資本主義経済の末期を強く実感させる話だと思います。

復活!三輪のレッドアラート!:胸締め付けられる記事
http://klingon.blog87.fc2.com/blog-entry-435.html
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この記事を読んだ時、私は思わず落涙してしまった。
なんと哀しい記事なのだろう。

<クレジット>年収200万なのに契約1385万…女性自殺
10月26日3時6分配信 毎日新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071026-00000016-mai-soci
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 東北地方の小さな町で昨夏、50代の女性が海に身を投げた。
 死後、自宅から総額約1385万円のクレジット契約書と封も切られていない大量の呉服が見つかった。
 契約は支払い能力をはるかに超え、返済に窮した女性はうつ病を発症していた。「質素な母がなぜこんな買い物をしなければならなかったのか。(支払い能力の)審査がずさんでなければ、母は死なずに済んだはず」。大手クレジット会社の過剰与信に追い込まれた果ての死を、息子らは悔やむ。

 「これ以上めいわくかけたくないです。そう式もかんたんに」「今度生まれてくる(長男の)赤ちゃん顔見たいです」

 台所のテーブルに置かれた孫の漢字学習帳。9ページにわたり書かれた遺書の字はひどく乱れ、「世界一バカ バカ」と何度もつづられていた。

 昨年6月の早朝。女性は家族の就寝中に家を出て、近くの海岸で変わり果てた姿で発見された。
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これが今の日本の姿です。
需要を無理やり作り出している、哀しい姿がここにあります。
亡くなられたご婦人の冥福を祈ります。
ご家族の傷心がいつか癒される日が来ます様に・・・。
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私から付け加えることは何もありません。本当に胸が締め付けられる話です。お亡くなりになられたご婦人には心よりご冥福をお祈り申し上げます。

恥を忍んで書きますが、私も賃貸マンション購入の悪徳商法の営業マンに騙されて契約ハンコを押させられる寸前までいったことがあります。まさに悪徳不動産会社が個人の人脈を調べあげ、ターゲットを絞り、クレジット会社とタッグで攻めて高額ローンを組ませるというパターンでした。彼らの「騙し・脅し・懐柔」のテクニック(心理的戦略)は相当なものがあります。私がアホだった部分も思い返せば確かにあるのですが、冷静に考えても、攻める側はこれまでに様々な修羅場を経験してきた百戦錬磨のプロの詐欺師であり、少々の知識や意志を持ったとろで、一度ターゲットに絞りこまれた素人は、抵抗するのは極めて困難です。騙される側の自己責任だなどと思う人がいたら、絶対今のうちに考えを改めるべきです。そうしないといつの間にか現実にご自分やご家族、ご友人が犠牲になる可能性があります(悪徳業者の傾向と対策はこのエントリーの末尾に書いておきます)。


そして、この様な事件がなぜ起こるのかについても三輪さんが述べられている通りと思います。

復活!三輪のレッドアラート!:何故悪徳商法が蔓延るのか?
http://klingon.blog87.fc2.com/blog-entry-436.html
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前のエントリーでは、悪徳商法の被害者の女性の事を紹介致しました。
では何故これほどに悪徳商法が蔓延るのか?

それは社会に需要がなくなって来ているからです。
具体的に言えば、こんな負の連鎖です。

不況の中で緊縮財政を行う⇒社会に金が回らなくなる⇒
しかし企業は業績をあげないといけない⇒しかし、金は日本国民に行き渡っていない⇒
対象にできる売り先がない⇒各企業の営業が弱者を騙し始める⇒
金融会社も業績が欲しい⇒金融会社が信用枠を誤魔化す⇒
各企業の営業は金融会社の後ろ盾を得て「騙す努力」に励む⇒
悪質な詐欺行為が人々に周知され始める⇒営業がやりにくくなる⇒
気の弱い人、老齢で思考力が衰えた人達を繰り返し騙す⇒
気の弱い人、老齢で思考力が衰えた人達が全てを奪われる⇒
最悪の場合自殺⇒企業の活動が更にやり難くなる


こんな事に何故なったのか?それは政府と財界が国民を騙した結果です。

経済コラムマガジン 況下の物価上昇
http://www.adpweb.com/eco/eco499.html
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日本では賃金が全く上がらないのに、物価だけが上昇する世の中が来ようとしている。これは明らかに経済政策の重大ミスである。さらに政府は、景気が良くなったと判断し、定率減税の廃止などの増税を行っているのである。
しかし家計の可処分所得は2000年度の298兆円から2005年度の283兆円へ15兆円も減っている。
この状況で消費者物価が上昇しようとしているのである。これからは実質成長率の方も低下するのだ。
筆者はこれを「日本型スタグフレーション」と呼ぼうと思う。これに対して日本国民がどのような反応を示すか興味がある。
自民党の政治家は、官僚から実質経済成長率の数字を使って「日本経済は戦後最長の景気拡大を続けている」と吹込まれている。
何と自民党は、この官僚達の言葉に乗って「経済成長を実感に」というキャッチコピーを参議院選で使っていた。景気が悪く感じるのも「気のせいだ」という言うのである。
筆者は「ばかじゃなかろうか」と思っていた。
国民の実感の方が正しいのである。自民党も方向転換に向かおうとしているが、党内の人材も枯渇しており既に手遅れである。
今後、自民党は混乱した政策を次々と打出してくると思われる。
しかし「2011年のプライマリーバランスの回復」という世紀の大悪方針を完全放棄しない限り、まともな経済政策は行えない
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経済コラムマガジン プライマリーバランスの話
http://www.adpweb.com/eco/eco500.html
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先週号で「家計の可処分所得は2000年度の298兆円から2005年度の283兆円へ15兆円も減っている」ことを指摘した。本来、経済が成長して、逆に家計の可処分所得が増えていなければならないのに、逆に減っているのである。その差額が大企業の収益になっていたり、プライマリーバランスの回復に使われていると考えれば良い。
長期金利がわずか1.6%なのに、なんで「財政危機」なのか。
政治家もマスコミも、そして国民も全て騙されているのである。ところが肝腎の政治家の大半が騙されていることにいまだに気が付いていない。
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経済コラムマガジン 税派と成長派
http://www.adpweb.com/eco/eco501.html
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表現はちょっと綺麗ではないが、増税派だ成長派だと言っても所詮「目くそ鼻くそ」の対立関係である。筆者は、財政危機が真の問題ではなく、「財政危機」と騒がれることによって、金融・財政政策が間違った方向に走ることが本当の問題と考える。
本当に日本の財政に問題があるなら、日本の国債を誰も買わないはずである。
つまり問題がないものを問題だと騒ぐから、これが本当の問題を引き起すのである。
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国民全員が詐欺に引っ掛かって騙された挙句にこのザマです。
詐欺にかけた自民党の一部(小泉純一郎、竹中平蔵、そのお友達の元大蔵官僚木村剛等)も悪いですが、それが詐欺だと知った上で追従し、更に過激で自分達だけに都合が良い方向に政策を変更させた財界も悪い。

現在までに経済諮問会議に参加していた者には、それ相応の罪を問わない事には社会正義の実現などありえません。
20万人の自殺者と、その何十倍かの困苦にあえいだ人の苦しみを償わせる為には、刑罰は上から下まで一つしかありえないでしょうけど。
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私も本当に三輪さんのおっしゃる通りだと思います。
思いますが、一言だけ。

「財政危機」を騒ぐのが「悪質なデマ」であることはわかります。しかし、現行の経済システムを変えない以上、どれだけ悪人の首を切っても、頭と心の弱い人々(含む政治家・公務員・企業人・マスコミ)を詐欺師に仕立て挙げようとすることはいくらでもできます。

意図的に罪を犯すような悪人はどんな世の中になってもいるとは思いますし、死刑のような極刑の存在も必要悪として否定しません。しかし、経済システムの根本が「詐欺」を推奨するようになっているとすれば、頭と心の弱い人々が詐欺師となり、その犠牲者も生まれ続けると思うのです。そして(犠牲の程度に差はあるものの)騙す方も騙される方もともに犠牲者ではないかという気がするのです。

その残酷な「構造」自体を意識するとき、私はまた胸を締め付けられる思いがします。だから根本的には、(どれだけ時間がかかろうと)今日の経済システム(マスコミ含む)とそれを支える貨幣の性質を改めねばならないと思うのです。

もちろん、根本治癒には時間がかかるので、対処療法を否定するものではなりません。むしろ対処療法を続けることで、多くの人々が根本的な問題に気が付くという過程を経る必要性があるとも感じています。重要なのは最終的に「もっとも犠牲者が少ない」ことを目指して、適切な方法を皆が知恵と心を使って考え、実行することだと思います。



補記:悪徳業者の傾向と対策
まず、とにかく重要なのは絶対にそういう人達と会わないことです。悪徳業者は普段付き合いのある個人名や団体名を出してその紹介でなどと言ってきますが、それは大概「名簿屋」から手に入れた個人情報で、適当に言ってくるだけです。本当に知り合いなどとつながっていることなどはまずありえませんし、仮に本人からの紹介であっても怪しい営業マンなどとは断固としてあわない方が間違いなく「お互いのため」でもあります。電話なら基本は全て「ガチャ切り」ですが、しつこく勧誘される場合は、「あんたらのやっている勧誘は法律違反だよね。警察に連絡するよ」と言って、取り合わないことです。この「会うことを拒否する」というのは、何度いってもいい足りないぐらい重要なことです。会ってしまったが最後、百戦錬磨の悪徳営業マンの話術(脅しを含む言葉巧みな洗脳)から『まともな方法』で逃れることは極めて困難になります。

対面での勧誘やすでに合ってしまった場合は、とにかく彼らはあらゆる手段を使って、ターゲットを孤立させようと画策します。これは「何かおかしい」と感づいた段階で、なるべく早く近くにいる家族・知り合い、あるいは他人に対して「この人達はサギの犯罪者だから、すぐに警察を呼んで下さい」と叫びます(実際、強制的に購入を勧誘することは、本当に商法違反ですから遠慮などいりません)。相手がなんとかその場をとりなそうとしても、もう馬鹿のように叫びまくって、隙を見てその場から逃げるようにしてください。すでに、完全に隔離されている場合は、とにかくトイレに行きたいとか、携帯電話に緊急の用事が入ってきたとかいって、その場を離れた隙に逃げるか、それでも付いてきた場合は、やはり人のいるところに出てから「こいつら犯罪者だ。警察を呼んでくれ」と叫びます。このなりふり構わず叫んで回りの人の注意を向けさせるということが、絶対に重要です(実際、これがなかなか出来なかったために、私は相当危険なところまで行ってしまいました)。また、最悪、契約させられてしまった場合も、とにかく少しでも早く力になってくれそうな人に相談することです。悪徳業者は、他人のプライドやコンプレックスを利用して、これは人に相談するものではないとか、他人にしゃべってはいけないなどと言葉巧みにターゲットを洗脳し、孤立化させます。騙された方の人も、そういう洗脳や自責の念、恥ずかしさなどが綯い交ぜになってなかなか家族等にはしゃべれなくなっています。ですから、家族でも、友人でもなんかこの人最近おかしいぞというシグナルを拾ったときには、ぜひそれに感づいて「丁寧に」相談にのって欲しいと思います。

とにかくまず絶対に会わないこと。不運にも会って、隔離されそうになったら、なりふり構わず叫んで人の注意を呼びつつ、逃げること。さらに騙されたとしても、孤立しないこと、孤立させないことが、ポイントです。



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