保育園の1歳児クラスの子どもと2歳児クラスの子どもに該当する子供たちが混在しています。
1~2歳児の縦割り仲間です。 一日当たりの保育室の定員は10名が上限です。曜日によって登園するメンバーが異なります。その分少々ややこしい面もありますが一方極めて面白い保育です。
給食の食べ終わりに麦茶を飲みます。
そして保温してあるおしぼりで自分の口元と手指の汚れを拭き取ります。
1歳児の場合は保育者が行います。
何でも自分でやりたがる2歳児になってくるとこの場面で保育者は直接手を出さずに子どもさん自身に拭き取りを促し傍で見守ります。
そしてきれいに拭けたかどうかを点検し「オーケー」を出します。
子どもさんたちは日々成長しています。
自律度はどんどん習熟していくので、子どもさん自身が自分の脳みそを使って考え判断していけるように環境を整えたいと思いつつ仕事をしてきました。
この保育室には壁に鏡がありませんでした。
鏡が一つあれば次の段階へとステップアップできます。
12月の後半頃に壁に鏡を取り付けました。
食後の後始末(おしぼりで汚れをぬぐう)をした子どもさんに「鏡の中を覗いて見てごらん、きれいに拭けたかなぁ?」
この問いかけへの一人一人のお子さんの反応が様々で面白かったです。
・シャイな子は鏡のところに行きません。あるいは素通り。
・鏡を覗き込んでいるものの何しに行ったか忘れてご機嫌に歌を歌っている子もいます。
・おしゃまさんは鏡を覗き込んで自分の姿が映っていることをうっとりと確認します。
・口元の汚れが拭けているかをピンポイントで点検している子もいます。
壁に鏡を一枚付けたことで、毎回の食事やおやつの後におしぼりを使い手指の汚れと口元や口周辺の拭き上がり加減を自己点検できるようになりました。
当初は形骸化しかかっていたこの手順(子どもさんによっては儀式?)も最近では厳しく自己チェックして「まだよごれてる」と拭き残りや拭き残しを『発見し、拭き直し』をしに自分の食事した場所に戻りもう一度拭き取るこどもさんの姿も出てきました。
こういうところの育ちのプロセスを大事に見守っていってあげたいと思っています。
「百聞は一見に如かず」ということわざがあります。昔『じゃりン子チエちゃん』という漫画で「ひゃくぶんはみたらわかる」というギャグがあってツボにはまってしまった私は呵々大笑した感動が今でもあります。子どもさん方が鏡を覗いてそれぞれ自分の始末のチェックをしているさまざまな様子が実になんともほほえましいのです。