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【測定用】Sound Blaster Digital Music Premium HD(SB-DM-PHD)レビュー 前篇

2012年12月29日 | ヘッドホン、音響関連
【測定用】Sound Blaster Digital Music Premium HD(SB-DM-PHD)レビュー 前篇

Sound Blaster Digital Music Premium HDは馴染みのCreative社が販売したUSBUSBサウンドカードである
音声出力、録音とも96KHz/24Bitまでサポートし、光デジタルIN/OUT、
さらにLPプレイヤーと繋げるフォノイコライザまで内蔵されるスーパーサウンドカードです

Sound Blaster Digital Music Premium HDという名前は長すぎるから
以下、型番のSB-DM-PHDと呼ぶ

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開けてみたらいきなり本体が出てくる
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内容物
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本体
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ロゴ
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ヘッドホンジャックとマイクジャック
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なじみのSound Blaster
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裏パネル、出力入力端子
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裏パネル、出力入力端子
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前パネル
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音量つまみ
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接続の構成

USB-DACなのか?USBサウンドカード?オーディオプロセッサ?
正直曖昧ですね、自分ではUSBサウンドカード寄りだと思う
一般的言う単体DACなら、PCなしでも動作するのは殆ど、でもSB-DM-PHDはPCなしではなにも動けない
光デジタルINもOUTも使えないし、音量調整もできない。すべてがパソコンに依存する仕組みなのでUSBサウンドカードで良いかな?
市販のUSB-DACも大体同じくPCなしで使えないですが(例えばHud-MX1)、これらのUSB-DACは再生に特化したもの
SB-DM-PHDの入出力インタフェースが豊富で、ある意味オーディオプロセッサとも呼べるでしょう

測定用デバイスとしての価値
ピュアオーディオ界ではCreativeだのSound Blasterだの、素人用のものとしか見れなかったが
実はCreativeはプロ録音の領域ではかなり深い歴史を持つ、評価が高かったことは無視できない
かつてCreative E-MU 0404 USBという業務用録音インタフェースを販売してかなり好評を得た
最近でもCreative E-MU 0204 Audio Interfaceという同じく業務用の物を売ってましたが
なんとこのE-MU 0204は、ハードウェアの構成はSB-DM-PHDととても似ていた!
DACは同じく旭化成のAK4396VF(SNR 120dB)を使用し、録音用のADCも同じくADC CIRRUS LOGICのCS5361(SNR 114dB)
どちらも192KHz/24bitまでサポートするチップである(SB-DM-PHDはこれをわざと制限して、96KHz/24Bitまでにした)
実は双生バージョンではないかと疑われる
この名残りもあるだろうか、SB-DM-PHDの録音性能はとにかく「どこでも好評」だった
今回どうしても高品位の測定用デバイスが欲しくて、とりあえずSB-DM-PHDを購入した

前の記事ではSB-DM-PHDを用いて実際Musiland Monitor 02 US DragonとAudio-technica AT-HA26Dを測定したので
興味ある人は以下の記事も参考してください
Musiland Monitor 02 US Dragon長期使用レビュー

本体のRMAA、SNR等を測定
相手を試みる前に己を鍛え、とりあえずSB-DM-PHDの測定限界(基準)を知らないと何も始まらないので
RCAケーブルをSB-DM-PHDのライン出力からライン入力へループ接続してRMAAを計ってみた
RMAA(RightMark Audio Analyzer)ではとあるロシア人が開発した無料のオーディオ測定ソフト
ここで入手できる
起動してから、録音、再生レベルをRMAAの規定値以内まで調整すれば1ボタンで測定できる神ソフト
あと測定用のRCAケーブルも用意しないと行けない
あまりにも安価なケーブルだと疑心暗鬼になるので、この前作った自作AT-EA1000を使う
これでSB-DM-PHD自身のRMAA、つまり録音性能を測る

RCAケーブルの自作記事はこちら
OYAIDE PA-02、AT-EA1000のRCAラインケーブルを自作してみた

RMAA結果

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AT-EA1000でループ接続

まずAT-EA1000ケーブルで繋いでRMAAを測ってみた
結果は、かなり良いと言えるでしょう、公式の114dBまでは行かないけど
SNR/ダイナミックレンジとも108dB辺りに達成している
左右音量の差は殆どなく、帯域のバランスも凄くフラット
とりあえずSNRが108dBというのは測定の限界と認識する

Sound Blaster Premium HD(With AT-EA1000):
Frequency response (from 40 Hz to 15 kHz), dB +0.01, -0.07 Excellent
Noise level, dB (A) -107.9 Excellent
Dynamic range, dB (A) 108.0 Excellent
THD, % 0.0033 Very good
THD + Noise, dB (A) -87.0 Good
IMD + Noise, % 0.0039 Excellent
Stereo crosstalk, dB -100.7 Excellent
IMD at 10 kHz, % 0.0059 Excellent
General performance Very good

Sound Blaster Digital Music Premium HD RMAA Report


Frequency response

Noise level

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OYAIDE PA-02でループ接続

せっかくだから自分で作ったOYAIDE PA-2ケーブルを使ってRMAAを計ってみた
結果はほぼ同じですが、SNR/ダイナミックレンジとも0.6dB位落ちていた
多分これはケーブルに使われたRCAプラグは半田付けではなくネジ止め式だからだろうか
あとL/Rの干渉を示すCrosstalkも0.8dB落としました
帯域反応は同じなので、ちょっとだけ性能が落としたものの同じ音を発するはず

USB Sound Blaster HD with OYAIDE-PA02:
Frequency response (from 40 Hz to 15 kHz), dB +0.01, -0.07 Excellent
Noise level, dB (A) -107.3 Excellent
Dynamic range, dB (A) 107.4 Excellent
THD, % 0.0033 Very good
THD + Noise, dB (A) -86.9 Good
IMD + Noise, % 0.0039 Excellent
Stereo crosstalk, dB -100.1 Excellent
IMD at 10 kHz, % 0.0059 Excellent
General performance Very good

USB Sound Blaster HD with OYAIDE-PA02 RMAA

おまけに、SB-DM-PHDを使って色々計ってみた結果を貼ります(随時更新)

MUSILAND Monitor 02 US Dragon:
Frequency response (from 40 Hz to 15 kHz), dB +0.02, -0.08 Excellent
Noise level, dB (A) -100.1 Excellent
Dynamic range, dB (A) 100.8 Excellent
THD, % 0.0028 Excellent
THD + Noise, dB (A) -87.4 Good
IMD + Noise, % 0.0040 Excellent
Stereo crosstalk, dB -97.2 Excellent
IMD at 10 kHz, % 0.0060 Excellent
General performance Very good

Musiland Monitor 02 US Dragon - RMAA(96KHz/24Bit)

Audio-technica AT-HA26D:
Frequency response (from 40 Hz to 15 kHz), dB +0.01, -0.16 Very good
Noise level, dB (A) -106.5 Excellent
Dynamic range, dB (A) 106.2 Excellent
THD, % 0.0017 Excellent
THD + Noise, dB (A) -91.5 Very good
IMD + Noise, % 0.0030 Excellent
Stereo crosstalk, dB -100.6 Excellent
IMD at 10 kHz, % 0.0056 Excellent
General performance Very good

Audio-technica AT-HA26D - RMAA

Fiio E17 + Fii L7(Line Outモジュール) 光デジタル接続
光デジタルケーブル:Audio-technica DVDLink AT-DV61A

DDC(Monitor 02 US Dragon)光デジタル接続 - 96KHz/24Bit
Frequency response (from 40 Hz to 15 kHz), dB +0.01, -0.08 Excellent
Noise level, dB (A) -105.5 Excellent
Dynamic range, dB (A) 105.6 Excellent
THD, % 0.0027 Excellent
THD + Noise, dB (A) -78.1 Average
IMD + Noise, % 0.018 Very good
Stereo crosstalk, dB -92.4 Excellent
IMD at 10 kHz, % 0.013 Very good
General performance Very good

DACとしての評価
SB-DM-PHDは旭化成AK4396VFというDACチップを採用し、DACチップの性能は192KHz/24bitまでサポートする
入力ソースは44.1KHzにせよ96KHzにせよ、
AK4396VFに通ると自動的に128倍オーバーサンプリングされ最大性能の192KHz/24bitに出力される
自分がAT-HA26D(同じAK4396採用)でオシロスコープで計測したグラフを見る限り、44.1KHzの場合はジッタによる影響はまったく見当たらず
DACチップとしては凄く優秀だと思う
ちなみに高価格DAC付きヘッドホンアンプのFOSTEX HP-A8も上位DACチップのAK4399を採用している

試聴

SB-DM-PHDとAT-HA26Dを96KHz/24bitに設定し、
ライン出力をRCAセレクトに経由してヘッドホンアンプのAT-HA5000に接続する
Foobar2000で同じ音楽ファイルを同時再生しながら切り替えて試聴する

試聴した結果、SB-DM-PHDの方は少しエッジがきつく硬い音でしたが、
両機のDAC出力では殆ど同じ音でした
まだ最終結論を出せないですが、多分SB-DM-PHDをUSB-DACとして使っても相当な品質を得ているだろう

音量ツマミはデジタル式、PC側の音量を制御
SB-DM-PHDの前パネルは音量つまみがあるが
本当はこれは音量ツマミ(volume)と呼べない、ただのデジタル信号発生器
音量調整のデジタル信号を発してドライバ経由してPC側のメイン音量を制御する
つまり音量を小さくするとデジタル信号を再エンコードして、データレベルで音量を小さくする
これで可変抵抗による音質劣化を避けられるが、ビット落ちというデジタル信号の劣化が起こる
ただし、24bitにリサンプルされた場合、
音量の精度は本来の256倍になるため若干ビット落ちになっても元データを損わないため
一応過度な心配は要りません
なお、音量調整はPC側のマスター音量を制御するため、SB-DM-PHDのアンプ部の増幅は固定されている

内蔵ヘッドホンアンプの質は:可
アンプの表現を計測してもよいですが、インピーダンスの改変もヘッドホンそれぞれ違うため
あるヘッドホンを使って計測してもそのヘッドホンとの相性を示すだけになる
よって、ここでは俺の聴感で評価してみる

DAC出力:SB-DM-PHDライン出力
アンプ:SB-DM-PHD内蔵ヘッドホンジャック、AT-HA26D、AT-HA5000
視聴用ヘッドホン:AT-AD1000PRM

SB-DM-PHD内蔵アンプ:
普通に悪くない音、しかしAT-HA26DとAT-HA5000と比べると音のエッジはきつく、
音は少しスカスカしている。ピュアヘッドホンアンプのAT-HA5000と比べると音の密度は足りない
評価:★★☆

AT-HA26D:
高音の伸び、広がり共に大幅に改善され、エッジもきつくことなく自然に聞こえる、音場は広めで、
ただ高音は前の評価のように少し雑な感じ(少し歪んでいるような)がする
評価:★★★★

AT-HA5000:
ものすごくピュアな音、音場はやや狭いだが音の密度は抜群、鮮烈かつ高解像度な音を響く
評価:★★★★★

まとめ
SB-DM-PHDは測定機としてはコスパ最高
DACとしては普通に良い
ヘッドホンアンプとしては普通
である、売価が7000円未満で凄くお得だと思いますが
目的に応じて選ぶ方が良いと思う
まだX-Fiと細かい設定と使い方はまだ全然紹介してないですが
今度はまずこの辺まで失礼致します


Creative USB Sound Blaster Digital Music Premium HD SB-DM-PHD


Creative USB Sound Blaster Digital Music Premium HD r2 ハイレゾ対応 USBオーディオインターフェース アナログ録音 再生リダイレクト SB-DM-PHDR2




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