「中国の核戦力」 先制不使用の方針、変化も 米陸軍大研究所が報告
2007年5月26日 SANKEI WEB
■通常弾頭と見分けつかず
【ワシントン=古森義久】米国陸軍大学の戦略研究所は25日までに「中国の核戦力」と題する研究報告を公表した。同報告は中国軍が最近、核兵器に関する戦略を大幅に変え、(1)日本を射程内にとらえる弾道ミサイルに核と通常の両方の弾頭を混在させるようになった(2)米海軍の機動部隊に核と通常両方の弾頭装備の弾道ミサイルを使う新作戦を立て始めた(3)年来の「核先制不使用」の方針を変える兆しをみせてきた-ことなどを指摘し、米軍側への新たな対応を提案した。
同報告は同戦略研究所の元所長で現在は米国議会の超党派政策諮問機関「米中経済安保調査委員会」の委員を務める中国軍研究の権威ラリー・ウォーツェル氏により作成された。同研究所の支援で書かれた同報告は42ページから成り、「中国の核戦力=行動・訓練・ドクトリン・指揮・管制・作戦計画」と題されている。
同報告は中国人民解放軍国防大学の最新の戦略教典「戦役理論学習指南」など一連の文書に米国当局の情報などを加えた資料を基礎としている。同報告はまず中国が米国の軍事能力とアジアでの安保政策のために米国を最大の潜在脅威とみなし、戦略ミサイル部隊の「第2砲兵」を中心に米軍との核戦争をも想定し、ことに最近、核と通常の戦力の相互関係を主に弾道ミサイルの機能にしぼって再考し始めた-と分析している。
同報告は中国が最近、年来の「核先制不使用」(軍事衝突でも核兵器は先には使わないという言明)の方針を変え始めたと述べ、その理由として米軍が通常兵器の性能を高め、非核の第一撃で中国側の核戦力を破壊し尽くす能力を高めたため、中国側では自国の核が報復力を失い、抑止効果を発揮できないという見方を強めてきた、ことをあげた。
同報告はさらに中国軍が米海軍の空母を中心とする機動部隊に対し核、非核両方の弾頭を装備した弾道ミサイルで攻撃をかけるという新戦術を実行する能力をほぼ保持するにいたった、と伝えている。中国軍は弾道ミサイルによる米機動部隊の制圧、あるいは撃滅の能力開発を長年の目標とし、そのためには弾道ミサイル用の個別誘導複数目標弾頭(MIRV)技術をも開発中だという。
同報告はまた中国の核戦略の危険な側面として「核弾頭と非核の通常弾頭とを同じクラスの弾道ミサイルに装備し、たがいに近くに配備して混在させる傾向がさらに強くなった」点を指摘した。その危険性とは米側が中国側から発射されたミサイルが核か非核か判定できない確率が高まり、事故のような核戦争を起こす可能性が強まることだという。米軍の場合、核弾頭装備のミサイルと非核弾頭装備のミサイルとはクラスをあえて別にしている。
同報告は中国軍が核と非核の弾頭を混在させている比率が最も高いのは中距離ミサイルのDF(東風)21=別称CSS5=だと述べ、射程1800キロの同ミサイルはとくに日本の要衝や沖縄の米軍基地に照準を合わせて配備されているとしている。
中国軍の保有するDF21は合計50基以上だとされるが、同報告は「中国軍はこの機動性のある中距離ミサイルを日本や沖縄の米軍基地への脅威として現在よりも多く必要としており、日米側はその増強に注意し、対応策を考えねばならない」という警告を発した。
・・・・・・・・・
米報告書 中国ミサイル警戒 「台湾照準、年100基増強」
2007年5月26日 SANKEI WEB
【ワシントン=山本秀也】米国防総省は25日、中国の軍事力に関する年次報告書を公表した。報告書は、太平洋地域の米軍基地や米本土を射程内に収める中国の中長距離弾道ミサイル開発に強い懸念を示した。また、今年1月に中国が実施した衛星攻撃兵器(ASAT)の実射実験について、報告書は各国の宇宙開発を危険にさらしたと非難した。
攻撃力の柱となる弾道ミサイルについて、報告書は台湾に照準を当てる短距離弾道ミサイルの配備と、直接的な対米抑止力を狙う中長距離弾道ミサイルを詳しく分析。M9、M11型など台湾海峡周辺に配備された短距離弾道ミサイルは約900基に達し、年間100基程度のペースで増強されているとしている。
中長距離弾道ミサイルでは、米本土の一部に到達可能な地上発射型移動式弾道ミサイル東風31号(DF31)の実戦配備が近く可能になると指摘。さらに射程を伸ばした改良型のDF31Aも、07年中に配備可能なレベルに達すると警告した。
また、新型の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の「JL(巨浪)2」にも言及し、新型のジン(晋)級原子力潜水艦に搭載されるとの判断を示した。
潜水艦は台湾有事への米空母戦闘群の介入を阻む中国の切り札とみられ、米側では攻撃型原潜を含めた中国原潜の防音性能の向上を懸念している。昨年10月に沖縄近海で米空母が中国のソン(宋)級潜水艦に急接近を受けた事件にも言及した。
ゲーツ国防長官は24日、記者団に対して、中国の軍事動向に「懸念」を示し、装備や戦略の透明性確保を求めてゆく考えを表明した。
・・・・・・・・・・・
甘く見たらイカンよ。
この両国は。
こと軍事についてはね。
爪を研ぐトラと巨大な怪物(ドラゴン)。
日本はどうあるべきか。
鳳凰ですか?
焼かれても生き返る。
と言うことは、国家の本質をしっかり守れるシステムを作らないとね。
危機感が無いってのが一番困るんだけど。
2007年5月26日 SANKEI WEB
■通常弾頭と見分けつかず
【ワシントン=古森義久】米国陸軍大学の戦略研究所は25日までに「中国の核戦力」と題する研究報告を公表した。同報告は中国軍が最近、核兵器に関する戦略を大幅に変え、(1)日本を射程内にとらえる弾道ミサイルに核と通常の両方の弾頭を混在させるようになった(2)米海軍の機動部隊に核と通常両方の弾頭装備の弾道ミサイルを使う新作戦を立て始めた(3)年来の「核先制不使用」の方針を変える兆しをみせてきた-ことなどを指摘し、米軍側への新たな対応を提案した。
同報告は同戦略研究所の元所長で現在は米国議会の超党派政策諮問機関「米中経済安保調査委員会」の委員を務める中国軍研究の権威ラリー・ウォーツェル氏により作成された。同研究所の支援で書かれた同報告は42ページから成り、「中国の核戦力=行動・訓練・ドクトリン・指揮・管制・作戦計画」と題されている。
同報告は中国人民解放軍国防大学の最新の戦略教典「戦役理論学習指南」など一連の文書に米国当局の情報などを加えた資料を基礎としている。同報告はまず中国が米国の軍事能力とアジアでの安保政策のために米国を最大の潜在脅威とみなし、戦略ミサイル部隊の「第2砲兵」を中心に米軍との核戦争をも想定し、ことに最近、核と通常の戦力の相互関係を主に弾道ミサイルの機能にしぼって再考し始めた-と分析している。
同報告は中国が最近、年来の「核先制不使用」(軍事衝突でも核兵器は先には使わないという言明)の方針を変え始めたと述べ、その理由として米軍が通常兵器の性能を高め、非核の第一撃で中国側の核戦力を破壊し尽くす能力を高めたため、中国側では自国の核が報復力を失い、抑止効果を発揮できないという見方を強めてきた、ことをあげた。
同報告はさらに中国軍が米海軍の空母を中心とする機動部隊に対し核、非核両方の弾頭を装備した弾道ミサイルで攻撃をかけるという新戦術を実行する能力をほぼ保持するにいたった、と伝えている。中国軍は弾道ミサイルによる米機動部隊の制圧、あるいは撃滅の能力開発を長年の目標とし、そのためには弾道ミサイル用の個別誘導複数目標弾頭(MIRV)技術をも開発中だという。
同報告はまた中国の核戦略の危険な側面として「核弾頭と非核の通常弾頭とを同じクラスの弾道ミサイルに装備し、たがいに近くに配備して混在させる傾向がさらに強くなった」点を指摘した。その危険性とは米側が中国側から発射されたミサイルが核か非核か判定できない確率が高まり、事故のような核戦争を起こす可能性が強まることだという。米軍の場合、核弾頭装備のミサイルと非核弾頭装備のミサイルとはクラスをあえて別にしている。
同報告は中国軍が核と非核の弾頭を混在させている比率が最も高いのは中距離ミサイルのDF(東風)21=別称CSS5=だと述べ、射程1800キロの同ミサイルはとくに日本の要衝や沖縄の米軍基地に照準を合わせて配備されているとしている。
中国軍の保有するDF21は合計50基以上だとされるが、同報告は「中国軍はこの機動性のある中距離ミサイルを日本や沖縄の米軍基地への脅威として現在よりも多く必要としており、日米側はその増強に注意し、対応策を考えねばならない」という警告を発した。
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米報告書 中国ミサイル警戒 「台湾照準、年100基増強」
2007年5月26日 SANKEI WEB
【ワシントン=山本秀也】米国防総省は25日、中国の軍事力に関する年次報告書を公表した。報告書は、太平洋地域の米軍基地や米本土を射程内に収める中国の中長距離弾道ミサイル開発に強い懸念を示した。また、今年1月に中国が実施した衛星攻撃兵器(ASAT)の実射実験について、報告書は各国の宇宙開発を危険にさらしたと非難した。
攻撃力の柱となる弾道ミサイルについて、報告書は台湾に照準を当てる短距離弾道ミサイルの配備と、直接的な対米抑止力を狙う中長距離弾道ミサイルを詳しく分析。M9、M11型など台湾海峡周辺に配備された短距離弾道ミサイルは約900基に達し、年間100基程度のペースで増強されているとしている。
中長距離弾道ミサイルでは、米本土の一部に到達可能な地上発射型移動式弾道ミサイル東風31号(DF31)の実戦配備が近く可能になると指摘。さらに射程を伸ばした改良型のDF31Aも、07年中に配備可能なレベルに達すると警告した。
また、新型の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の「JL(巨浪)2」にも言及し、新型のジン(晋)級原子力潜水艦に搭載されるとの判断を示した。
潜水艦は台湾有事への米空母戦闘群の介入を阻む中国の切り札とみられ、米側では攻撃型原潜を含めた中国原潜の防音性能の向上を懸念している。昨年10月に沖縄近海で米空母が中国のソン(宋)級潜水艦に急接近を受けた事件にも言及した。
ゲーツ国防長官は24日、記者団に対して、中国の軍事動向に「懸念」を示し、装備や戦略の透明性確保を求めてゆく考えを表明した。
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甘く見たらイカンよ。
この両国は。
こと軍事についてはね。
爪を研ぐトラと巨大な怪物(ドラゴン)。
日本はどうあるべきか。
鳳凰ですか?
焼かれても生き返る。
と言うことは、国家の本質をしっかり守れるシステムを作らないとね。
危機感が無いってのが一番困るんだけど。