世の中驚くことばかり! 記事保管倉庫

右も左もあるものか
僕らが見るのは常に上

恐ろしい現実

2009-11-03 | 国際的なこと
吉田鈴香の「世界の中のニッポン」 ウイグルの母「チベットは先に国際ステージに立った」 世界ウイグル会議議長インタビュー、予想と違ったいくつかの答え
2009年10月29日 日経ビジネスON LINE


 今年7月、G20の会合を途中で中止して胡錦濤総書記が本国に帰ったことは、記憶に新しい。会議を放り出しての帰国は、ウイグルでの騒動を鎮圧するためであった。本格武装した軍の投入を求める声が強い中、胡錦濤は、それをしたのでは国際社会からの批判を受けてしまうと判断し、警察の身なりをした軍人の投入でとどめた。その後、ウイグル人、漢人(漢民族)双方に死刑宣告がなされるなど、事後処理は続いている。

 中国政府が弾圧を加え続けているチベットとウイグルの民族。チベット族には、ダライ・ラマ氏が人々の心のよりどころとなり、インドに在住しながら、中国政府に対話を求めている。ウイグル族は、この人、ラビア・カーディル氏が精神的な柱となって率いている。カーディル氏は世界ウイグル会議議長でもある。
 カーディル氏は、2005年に6年間続いた投獄を突如解かれた。今は米国の首都、ワシントンで夫と子供たちと共に暮らしている。
 その彼女が、自伝「ウイグルの母、ラビア・カーディル自伝」の出版を記念して来日した。カーディル氏が中国国内で受けてきた数々の苦痛と弾圧は、彼女の自伝に詳しい。自身の個人的な家族関係がそのまま、中国政府によるウイグルへの継続的な弾圧の証左として記録されている。503ページにわたる分厚い本だが、筆者は読了してカーディル氏を訪ねた。

『ウイグルの母 ラビア・カーディル自伝 中国に一番憎まれている女性』ラビア カーディル、アレクサンドラ カヴェーリウス著、 水谷尚子監修、熊河浩翻訳、ランダムハウス講談社、2400円(税別)

   カーディルさん、今日はお目にかかれて嬉しいです。私はウイグル問題に関心があり、実はアブドゥレヒム・オトキュル氏が書いた『英雄たちの涙 目醒めよ、ウイグル』を読んだりしておりました。そこへ、カーディルさんが来日されるというので、参りました。

 カーディル それはありがとうございます。

   今は、米国でどのような毎日を過ごしていらっしゃいますか。

 カーディル 1949年に中国に占領されてから60年経ちましたが、毎日大学や、教会、自分のオフィス、議会へ行き、ウイグルで何が起きているかを話しています。

東トルキスタンの人間、1人のウイグル人

   ウイグルでの貿易、投資のビジネスはもう止めたのですか?

 カーディル 1997年、(新彊ウイグル自治区の)イリで大きなデモがあり、それがきっかけで私は逮捕され、ビジネスも停止しました。1997年は私の黄金期で、ビジネスも政治的地位もまた、最高位にありました。ですから、私は政府に対してデモをした人たちに正義をもって対応するよう求めました。

   カーディルさんはご自分の国籍はどこだと思っておられますか。

 カーディル 1948年に生まれてからずっと、逮捕されている間も、そして外国で暮らす今も、私は自分を東トルキスタンの人間、1人のウイグル人だと思っています。ほかの国籍だと思ったことはありません。

   国際的に認められるということではなく、ご自分の気持ちとして東トルキスタンの人だと思っているのですね。

独立ではなく民族自決、自治権を求めている

 カーディル 私はウイグルに生まれました。私のお金は中国領の新疆ウイグル自治区で生まれましたが、いつも、どこにいようとも、私はウイグル人であると思っています。

   今カーディルさんが米国でしていらっしゃることはウイグルの実情を世界に訴えることですが、カーディルさんが目指しているのは、東トルキスタンの独立ですか?

カーディル まず私が国際社会にウイグルの現実を話し、国際社会がウイグルに何ができるかを考え、そして、我が民族(nation)が行くべき方向を示すのです。そして、中国政府の現実を国際社会に知らせ、平和な社会へとウイグルが向かうためにはどの方向をとるべきかを考えています。

 ―― 「社会」ですか。ということは、国家建設(nation-building)ではなくて、自治を求めることで満足ですか。

 カーディル 私が民族の行く末について決めることはできませんが、国際法に準じてself-determination(民族自決)を求めています。民族自決は国連が定めたもので1997年に中国政府もサインしています。私が目指すのは民族自決です。

 もし私に独立した権利があるなら、それは55年前に中国政府がすでに我々に与えています。チベットも同様です。モンゴルもです。自治権(Autonomy)は土地の名前だけではなく、モンゴル人は中国人に認められています。ですから、われわれを暗殺することはできないはずなのですが、彼らはモンゴル人を暗殺し、ウイグル人を殺し始めました。

私は国際法と国連の法律に準じている

 カーディル 彼らが自治権を口にするとき、『我々はすでに2度も自治権を与えたではないか』といいます。でも、私たちは1度たりとも、手にしたことはありません。自治は国連が定め、それはつまり民族自決を意味すると定めています。私は国際法と、そして国連の法律に準じています。

 私は中国政府に対して、話し合いのテーブルに着くよう求めています。もし中国政府が要求を聞き入れて話し合うなら、私たちは中国政府が我々に何を与えるか見て行こうと思うし、そして、真の漢人(漢民族)を見極め、決断していきたいと思います。

 もし中国政府と話せるなら、ウイグル社会についてだけではなく、すべての小数民族の、平和な社会の発展について話し合いたいと思っています。ウイグルについてだけ話すつもりはありません。

 ということで、私はいつもウイグル問題だけを話していますが、それは中国政府がウイグルから暗殺を始めたからです。私たちは平和な土地に住んではいませんし、平和な社会ではありません。

漢人はチベットのほうを恐れている

 ―― 中国政府の少数民族への弾圧は、チベットについては良く知られていますが、ウイグルについてはそれほどでもありません。なぜでしょう。

 カーディル チベットと私たちは同じ状況にありますが、漢人はチベットの方を恐れています。ダライ・ラマ氏が50年以上前から国際社会に実情を訴え、西側諸国、特に米国、日本の外務省も支持する方針を固めています。

 チベットは明らかに国際社会のステージに立っており、中国政府も西側諸国がチベットを支援していることを気にしています。それに比べて、私はまだ始めて3~4年ですから、チベットとは大いに違うのです。

 ダライ・ラマ氏にお会いしたとき、彼が私にこう言いました。

 「ウイグル問題は中国内部ではチベット問題よりもはるかに大きい。ウイグル、ウルムチの法廷は(今年の)7・5事件でデモに参加した若い11人を殺すと決めたけれども、これがチベットで起きたことなら、中国政府は殺せなかったでしょう」

まだ、影響力に満足していない

 カーディル チベットと同様、私は国際社会にウイグルの真実を訴えたいと思います。

 私が政治活動を始めたばかりのころ、それは困難でした。今は、多くの人が聞いてくれますし、多くの俳優、女優に訴えることができます。ウイグルは今や国際社会の注目を集め、メディアが報じるようになり、ホットラインができました。私のスピーチに関心を持ってくれます。

 しかしまだ、影響力には満足していません。もしあれば11人を救えたでしょうからね。もし国際社会がウイグル問題に注意を払わなかったなら、「11人」は毎月のように行われるでしょう。今月も、来月もと、もっと多くの人が殺される。

―― 私の目から見るとウイグルはマイナスをゼロにすることばかりに時間を取られていますが、多くの人の協力を得るにはその姿勢では弱いのではないか。つまり、ウイグルはこういう社会を目指す、こう世界に貢献するというポジティブなアイデアがあれば、もっと多くの人が当事者として関わるだろうに、と思います。

 カーディル ウイグルコミュニティは、どこの国にもあります。まず彼らと連合を構成して、外国に在住しながらいかに政治活動ができるかを教えています。

 ウイグル人はいまや、正義とは何か、人権とは何か理解しています。正義や人権を理解できる前は、何もアイデアがなかった。人権、人道を理解できるようになった彼らは、私についてきて人権や民主主義のために一緒にプロジェクトを始めています。

豊かになった人は海外へ逃亡してしまう

 カーディル 私はチベット政治を参考にして政治活動を始めました。ダライ・ラマがしているように、国連にウイグルの代表を置いたり、欧州議会に代表を置いたりしています。チベットと私たちの政治手法はある部分同じで、またある部分では違います。

 中国政府はチベット問題への対処とウイグルのそれへの対処は変えています。地政学的位置が違います。常に平和的に対応するよう心がけています。まず、国際社会の支持を得る、次に、中国政府との話し合いをオープンにすることです。

 ―― 独立を目指さないまでも、民族自決を目指すには、人材育成とか、ウイグルに眠る天然資源の使い方を使うビジネスを育てるとか、外交問題にもっと協力してくれる外国の外交官を味方につけることが必要だろうと思います。

 カーディル 新疆ウイグル地区にいた時、子供たちを相手にした教室を開いておりましたが、今は、できません。まずは自分がウイグル内で豊かになって、次に貧しい人を支援しようとするのですが、政府が直ぐに止めさせてしまいます。豊かになった人はすぐに海外へ逃亡してしまいます。

 ―― 私が聞きたい人材育成とは、子供のレベルではなくて、高等教育のことです。海外にいるウイグル人たちが民族自治のために貢献できるよう人材育成をしていますか。ネットワークを築いていますか。

 カーディル 海外在住の高等教育を受けた人々は、私と同じ意見で、私を支持してくれています。民族自治をよく理解しています。ウイグルは漢人によって仕切られ、通訳者が管理している。民族自治は通訳者によってコントロールされています。

 民族自治とは本来、自分たちですべてをコントロールすることです。地下資源も私たちのために使い、多数派と同じように平等で、正義に基づき平和的に生きることができるはず。ウイグル人のためだけではなく、ほかの民族も共にです。

CIAからも米国議会からも支援はない

 ―― 違う角度から質問します。カーディルさんは米国でCIA(米国中央情報局)と米国の議会から支援を受けていると思いますが、その支援はいつまで続くと思いますか。

 カーディル 私たちはCIAと一切つながりはありません。今に至るも会ったこともありません。

 彼ら(米国議会)の方から支援を申し出てくれなかったので、私の方から1人ずつドアをノックして、支援をお願いしてきました。私が中国国内にいる間は一切支援がなく、私が米国に到着してから支援が始まりました。

 以前はなぜ、支援がなかったのでしょう。米国に到着して初めて、欧州議会に到着して初めて、支援が始まりました。私が一つひとつドアをノックしてからです。この支援は、ウイグルだけに向けられてはおらず、世界中のすべての民族に向けられています。

 ―― ウイグル問題は中国の国内問題だからと諸外国は思っているからではないですか。

これは国内問題などではない

 カーディル 中国政府は常に、チベット問題もウイグル問題も中国の国内問題だといってきました。しかしこれは国内問題ではありません。これが国内問題だというなら、なぜ多くの人々を殺すのでしょう。なぜ60年も私たちの土地を占領し続けるのでしょう。

 彼らは決して私たちに平和な暮らしを与えてくれません。なぜ私たちの緊張がこんなに高く、悪くなるのでしょう。ウイグル人に漢人と同じ人間性を認めるなら、なぜ多くの人を殺すのでしょう。これは国内問題なんかではありません。

 同じ人間だと思うなら、ウイグル人にも尊敬の念を持つはずです。漢人は私たちを決して尊敬などしません。

 もし仮に私たちが中国政府に自治権を要求したとして、中国はそれを飲みはしません。この意味で、これは国内問題などではありません。私たちも漢人もこの問題をよく知っています。

 ある事例をお話しましょう。今年7月9日、多くの警察官が1人のウイグル人少年、まだ3歳ですよ。4~5人の漢人がナイフでこの子供を殺したのです。

 人民解放軍が見る中で、子供を物色したのです。国際社会はそれを写真とウェブサイドで見て、現実を知ったのです。私は二度とこの写真を見たくありません。

アフガニスタン問題、中国の参加はよいこと

 ―― 米国は今、カーディルさんにセキュリティを保障し、平和な時間を与えていると思います。しかしながら、国際政治からみますと、米国はアフガニスタンで非常に苦しい戦争をしています。そして、そのアフガニスタンでの戦争に、中国を参加させようとしています。なぜなら、中国はお金持ちだから。米国の負担を減らそうとしています。中国がアフガニスタンの戦争に参加してくれるなら、ウイグル問題には目をつぶろうと思っていると思います。

 カーディル 中国がアフガニスタンに来るよう、米国政府が願っていることは、非常に私たちには好都合です。なぜなら、まず、アフガニスタンとウイグルは山1つ隔てて隣り合っているからです。

 次に、中国政府は私たちがテロリストグループとつながりがあるといっていますが、私は、中国政府の方こそたぶん、テロリストグループとつながりがあると思っています。

 イスラム世界を、漢人を殺す存在だとしていますが、それはムスリム(イスラム教徒)ではありませんし、ウイグルでもありません。ウイグル人はもっと近代的な考えで、アメリカンスタイルを追随しています。ほかのイスラム国へ行けば、いかにムスリムがよい人々か、分かるでしょう。

イスラム教か仏教か、それは重要ではない

 カーディル 中国政府はアラブの国々と外交ルートでつながっています。イスラム国は常に集まり、中国政府に対して、われわれのアイデンティティーは欧州のそれと同じ、米国の考えと同じだということを示そうとしています。

 中国政府は欧米社会に対して、ウイグル人はテロリストだと話していますが、実際には欧州人と同じ考えだと。ですから、もし中国がアフガニスタン戦線に参加したなら、イスラム世界は中国の真実を知るでしょう。これは本当に我々には利用できることです。

 ―― それこそ、中国が最も怖れている問題だと思います。チベットとウイグルは何が違うかというと、ウイグルはイスラム。チベットは仏教。ウイグルと交渉することは、ウイグルの後ろにあるイスラム社会を相手にすること。これを味方にするか敵にするか、大きな問題です。しかし、チベットはチベットだけの問題です。中国がいかにイスラム社会と付き合うかという問題と非常に関連しますので、中国政府はウイグル問題にナーバスになるのだろうと私は思っています。中国が恐れるイスラムの力をどう使って民族自治を勝ち取っていくか、アイデアを聞かせてください。これが最後の質問です。

 カーディル チベットとウイグルは違う問題ですが、中国政府が与える2つの将来と問題は似ています。イスラムとか仏教徒とか、それは中国政府には重要なことではありません。

 中国政府が狙っているのは常にわれわれの土地であり、われわれのアイデンティティーです。両民族は中国政府には等しく重要なのです。

チベットの今日はウイグルの明日だ

 カーディル 1947年から今まで、中国政府は中国共産党を結成し、ほかの民族を暗殺してきました。満州族、モンゴル族、すでに彼らの言語と文化などすべて中国政府への挑戦だとして抹殺されています。しかし、チベットとウイグルだけは殺せないのです。

 私が中国人民政治協商会議の委員だったとき、中国政府がしょっちゅう言っていたのは、チベットの今日はウイグルの明日だ、と言うことでした。つまり、中国政府は非常に2つの問題に熱心なのです。

 ―― もう時間なのでここで終わりにします。どうぞお元気でお過ごしください。この方はご主人ですか。本当にハンサムですね。

・・・・・・・・・・・以下略。
あまり良いインタビュアーとは言えないが、議長の生々しい声を伝えているのは確かだ。
・・・・・・・・・・・
一番重要なのは、中共政府の行っている侵略と文化破壊ってのは、実に60年以上も続いているってこと。

そしてソレはもうすぐ完成する。

チベットとウィグルの消滅という結果を以って。

まず居住地選択の自由を奪う。

純潔の子供の誕生を阻害する。

その上で老若男女を殺しまくる。

文化的産物を破壊しまくる。

“解放”の名の下に。

昼も夜も分かたぬ徹底的な破壊と虐殺。

こんなモノに耐えられる文化も民族も国家も、この地球には存在しない。

日本はもっと速やかに滅ぶだろう。

現在、地球上に、コレほど戦うことを恐れる文化グループは無いからだ。

残虐な漢人が大挙して押し寄せた段階で、もう抵抗力を無くすだろう。

長野に翻った赤い旗の群れと、それを必死で守った“日本の”官憲を思い出すが良い。

もう一押しで滅びるだろう。

一旦はじまれば、それはあっさりしたモノだ。

歴史はべき乗に動くのだから。


最新の画像もっと見る