オバマ政権アジア布陣「対日重視、対北朝鮮圧力」
2009年6月27日 ASAHI.COM
【ワシントン=伊藤宏、村山祐介】オバマ米大統領が東アジア太平洋担当の国務次官補に指名したカート・キャンベル氏が25日、米上院で正式に承認され、オバマ政権のアジア外交を担う顔ぶれが出そろった。「日本重視」の布陣を敷くとともに、北朝鮮政策では、対話から圧力に軸足を移し始めたことが鮮明になった。
「日本との強固な協力関係は、譲ることができない基盤だ」。キャンベル氏は上院外交委員会で10日に開かれた公聴会で、日本重視の姿勢を鮮明にした。中国との関係についても「日本との協力関係を最大限強化することが最善の方法だ」と、日米関係を軸にする考えを強調した。
オバマ政権の人選には、日本重視の姿勢が表れている。中でもカギを握るのは、キャンベル氏と、国防総省で「相方」になるウォレス・グレッグソン次官補のラインだ。
キャンベル氏は、クリントン政権で国防次官補代理を務め、96年の日米安保の「再定義」を担当するなど、民主党を代表する知日派。グレッグソン氏は、海兵隊出身の元軍人で沖縄駐留が長い。国防総省でキャンベル氏のもとで東アジア・太平洋政策に取り組んだこともある。「2人は頻繁に連絡を取りあっており、対日政策の要になる」というのが、米国の日本専門家の一致した見方だ。
ただ「対日重視」は、ゲーツ国防長官が日本や韓国との関係について「保護者からパートナーへと転換しつつある」と指摘したように、国際的な問題に取り組むにあたって日本に応分の役割を求めるという意味もありそうだ。グレッグソン氏は4月、上院軍事委員会の公聴会に提出した書面で「日本が地域問題と地球規模の問題の双方で、貢献を増やすよう働きかけたい」としている。
一方、政策調整の要を担うホワイトハウスの国家安全保障会議(NSC)アジア上級部長には、著名な中国専門家のジェフリー・ベーダー氏を配置している。
キャンベル氏の政権入りで北朝鮮政策も立て直しが進みそうだ。
オバマ政権は2月、「北朝鮮政策特別代表」職を新設し、ボズワース元駐韓大使を起用。北朝鮮に対話を呼びかけてきた。だが、東アジア政策全般を担う国務次官補のポストは、6者協議首席代表を務めた前任のヒル氏が駐イラク大使に転出し、2カ月余り空席に。北朝鮮がミサイル発射、核実験と行動をエスカレートさせるなか、対応が後手に回った感は否めない。ボズワース氏が大学院学長を兼任していることから、米メディアからは「パートタイムで対応できるのか」との批判も出ていた。
こうした中、オバマ大統領は核実験直後に「行動で応えなければならない」と表明。対話の旗を掲げつつも、制裁を含めた圧力重視に軸足を移した。国防総省、財務省といった制裁の「実動部隊」を含む代表団編成を自ら指示。アジア政策全般に詳しいスタインバーグ国務副長官に日中韓歴訪を率いさせている。
キャンベル氏も10日の公聴会で、軍事面も含めたあらゆる政策を総動員して北朝鮮に対応する考えを強調した。
・・・・・・・・・・・・
まずはっきりとアメリカによる“核の傘”を再確認することだ。
そして常に再確認し続ける。
国内では核武装の“論議”をすることだ。
自衛のためにいつでも核武装するという意思を示し続けることだ。
北朝鮮だけじゃない。
中国やロシアが核を放棄するまで。
アメリカに住むアメリカ人であるオバマ氏に期待してはいけない。
彼にも判るようにアピールし続けること。
これが重要だ。
2009年6月27日 ASAHI.COM
【ワシントン=伊藤宏、村山祐介】オバマ米大統領が東アジア太平洋担当の国務次官補に指名したカート・キャンベル氏が25日、米上院で正式に承認され、オバマ政権のアジア外交を担う顔ぶれが出そろった。「日本重視」の布陣を敷くとともに、北朝鮮政策では、対話から圧力に軸足を移し始めたことが鮮明になった。
「日本との強固な協力関係は、譲ることができない基盤だ」。キャンベル氏は上院外交委員会で10日に開かれた公聴会で、日本重視の姿勢を鮮明にした。中国との関係についても「日本との協力関係を最大限強化することが最善の方法だ」と、日米関係を軸にする考えを強調した。
オバマ政権の人選には、日本重視の姿勢が表れている。中でもカギを握るのは、キャンベル氏と、国防総省で「相方」になるウォレス・グレッグソン次官補のラインだ。
キャンベル氏は、クリントン政権で国防次官補代理を務め、96年の日米安保の「再定義」を担当するなど、民主党を代表する知日派。グレッグソン氏は、海兵隊出身の元軍人で沖縄駐留が長い。国防総省でキャンベル氏のもとで東アジア・太平洋政策に取り組んだこともある。「2人は頻繁に連絡を取りあっており、対日政策の要になる」というのが、米国の日本専門家の一致した見方だ。
ただ「対日重視」は、ゲーツ国防長官が日本や韓国との関係について「保護者からパートナーへと転換しつつある」と指摘したように、国際的な問題に取り組むにあたって日本に応分の役割を求めるという意味もありそうだ。グレッグソン氏は4月、上院軍事委員会の公聴会に提出した書面で「日本が地域問題と地球規模の問題の双方で、貢献を増やすよう働きかけたい」としている。
一方、政策調整の要を担うホワイトハウスの国家安全保障会議(NSC)アジア上級部長には、著名な中国専門家のジェフリー・ベーダー氏を配置している。
キャンベル氏の政権入りで北朝鮮政策も立て直しが進みそうだ。
オバマ政権は2月、「北朝鮮政策特別代表」職を新設し、ボズワース元駐韓大使を起用。北朝鮮に対話を呼びかけてきた。だが、東アジア政策全般を担う国務次官補のポストは、6者協議首席代表を務めた前任のヒル氏が駐イラク大使に転出し、2カ月余り空席に。北朝鮮がミサイル発射、核実験と行動をエスカレートさせるなか、対応が後手に回った感は否めない。ボズワース氏が大学院学長を兼任していることから、米メディアからは「パートタイムで対応できるのか」との批判も出ていた。
こうした中、オバマ大統領は核実験直後に「行動で応えなければならない」と表明。対話の旗を掲げつつも、制裁を含めた圧力重視に軸足を移した。国防総省、財務省といった制裁の「実動部隊」を含む代表団編成を自ら指示。アジア政策全般に詳しいスタインバーグ国務副長官に日中韓歴訪を率いさせている。
キャンベル氏も10日の公聴会で、軍事面も含めたあらゆる政策を総動員して北朝鮮に対応する考えを強調した。
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まずはっきりとアメリカによる“核の傘”を再確認することだ。
そして常に再確認し続ける。
国内では核武装の“論議”をすることだ。
自衛のためにいつでも核武装するという意思を示し続けることだ。
北朝鮮だけじゃない。
中国やロシアが核を放棄するまで。
アメリカに住むアメリカ人であるオバマ氏に期待してはいけない。
彼にも判るようにアピールし続けること。
これが重要だ。