『テネシー・ワルツ 江利チエミ物語』、最初のダンスシーンは、第1幕第4場、ひばりさんを演じる剣幸さんが歌う「お祭りマンボ」のシーンです。この曲の冒頭、お馴染みのイントロが始まると同時に、青山航士さんは、阿部裕さんと二人でお神輿を担ぎながら下手より登場します(前の持ち手担当)。昨年の演出では、曲の最初からお神輿は登場しなかったように記憶していますが、今年は曲のはじめと、終わりに近づいたところで、このお神輿が登場します。青山ファンとしてはどうしても、時間が許す限りビシバシと動きまわって踊る青山さんを期待してしまうところがありまして、お神輿を担いで動きに制限が出てしまっている、この状態が昨年よりも長い、ただそれだけのことで、「ダンスの分量が少なくなった!」と子供のように駄々をこねてしまうところがあるのです。(自分で自分のことをしょーがないなーと思っています~)でも、このお神輿を担いで登場してくる青山さんがまた素晴らしいのです!以下とてもオタク的見解ですので、ご容赦を・・・。
実際あのお神輿にどれぐらいの重さがあるのか、私にはわかりませんが、前の持ち手2本を肩に乗せて掌でしっかりと握っているために、上半身の動きには「制限」がつき、上体はほとんど動いていません。一見すると、まわりで踊っている他の方々のようにいわゆる「ダンス」をしているという印象はなく、お神輿の運び役のように見えてしまいます。しかし、そこは青山さんです。私は思わず青山さんの足元とお顔の表情に眼を奪われました。以前よりファンの間では、青山さんの足元、とりわけ爪先、甲、足首からふくらはぎの美しさと、その表情の豊かさは話題になっているところですが、ここではまさにその足元の表情というものが本当に素敵です。お神輿をワッショイ!とやるときのステップ、皆様も何となくイメージとして、頭の中にあると思いますが、あのときの足元の動きを、見事にこの曲のリズムに乗せて、「踊りのステップ」としてみせているのです。「おどろんぱ!」の「三忍者 誕生」でも「忍び足」の接地感覚を見事に舞にまで昇華していたり、同じく「三忍者 疾走」でも疾風(はやて)のような走りを、見事にあのロック調ギター音がうなるバックミュージックに乗せていました。最近では、「おどろんぱ!プラス」で「だれかがよんでるよ」の「みずたまり」を表現するステップなど、とても素敵でしたよね。それから『グランドホテル』の「共にグラスを」のシーン、音楽が流れるなか、青山さんはトレーを持ってホールを歩きまわります。ホールを歩き回るだけなのだけれど、そこには「音楽」があるんです。なんだかトレーを持って歩き回る青山さんが、シーン全体の調子を整える指揮者のように見えたのを覚えています。「歩く」だけなんだけれど、「共にグラスを」のあのシーン全体の調子を整えるような感じに、「お祭りマンボ」のお神輿を担ぐ青山さんの感じは重なります。お神輿を担ぎながら中央でステップを踏むだけなのだけれど、その足元が床から小気味よく跳ねる様子、そして中央のひばりさんのそばでお神輿を担いでいるあのお顔の表情が、冒頭からもう「水もしたたるいい男!(昨年もへーまさんと話題になりました)」なのです。血気盛んな「チャキチャキ江戸っ子」ぶりが、場面を盛り上げています。
こういう例からもわかると思うのですが、もともと日常生活のなかにある「歩く」、「走る」といった動作を、踊りとして、あるいはそこまでいかなくても振りとして音楽にのせてみせる場合、ダンスの動きとしては地味な動きに見える、あるいはダンスに見えないということもあるのかもしれません。しかし、青山さんが「歩く」、「走る」という日常的な動作を前提としている振りを見せてくれるとき、それは床と足元との非常に豊かな関係性を堪能できる絶好の機会でもあります。青山さんはどんな音楽にも見事にのることができる、このことはもうファンの間では常識ですけれど、床との関係性もああやって表情豊かに無数のバリエーションで魅せてくれる青山さんは本当にスゴイ!私自身は踊る人ではないので、ただ想像してみるだけなのですが、ダンサーにとっては、音楽と同じぐらい、床との関係の持ち方って、奥深いものなのでしょうね。「変幻自在」、この言葉、青山さんを語るときに私はよく使う言葉なのですが、床と足元、その部分だけを切り取ってみても青山さんは変幻自在です。
この「お祭りマンボ」での青山さん、歌詞にもある「ねじりはちまき そろいの浴衣~♪(ここでは「ハッピ」です)」じゃないですけれど、はちまきにハッピ、半股引(でも実際は白のピタピタスパッツ)、足元は白い地下足袋というお衣裳。イメージ的には、「おどろんぱ!」の「オーレオーレオーレ」の音頭シーンを思い出していただければいいのではないかと思います。お神輿を置きに行って、いよいよ本格的に群舞の輪に加わりますが、ここでも足元、そして手・腕の動きに注目です。衣裳のイメージとしては「オーレ×3」でよいと思うのですが、同じハッピ姿でも「オーレ×3」と「お祭りマンボ」とでは、動きの雰囲気は全く違います。「オーレ×3」や「チャレンジダンス」の「音頭篇」では、ぐっと重心を下に落としたような蟹股(へーまさんおっしゃるところの「プリエ」)の端正さが印象的ですが、こちらの「お祭りマンボ」では終始床とはじけあっているような軽やかさが印象に残ります。それに合わせて頭上でテンポよく繰り返しひるがえされる掌の動きの鮮やかでなめらかなこと!先日の「踊り隊」のギャグの中でも、笑いをとりながら「佐渡おけさ」のところで掌の動きが入りましたよね。ああいう和のテイストの動きも、青山さんの本領の発揮されるところでもあります。
・・・と今回は、「歩く」、「走る」という動作にこだわって書いてみましたが、これらの動作に限らなければ、青山さんのダンスにある床との豊かな関係性は、曲の数だけ、いやフレーズの数だけ無限に広がっていくような気がします。「おどろんぱ!」だけでも、風にひらひらと舞う「おちば」を繊細な片足先の動きだけで表現したり、「鶴」の生命感あふれる一瞬の跳躍を見事に写し取ったり・・・、と枚挙に遑がありません。青山さんが魅せてくれる足元の豊かな表情といったら・・・。だからこそっ、「おどろんぱ!プラス」の「行進曲風ステップ」が定番になりつつある昨今、ファンとしては、どうしても・・・。青山さんが魅せてくれる、足元と床の豊かな関係性、これが恋しくなります。言ってるそばからもう「駄々こね」が始まってしまう、まったくもってしょうがない私です・・・。
実際あのお神輿にどれぐらいの重さがあるのか、私にはわかりませんが、前の持ち手2本を肩に乗せて掌でしっかりと握っているために、上半身の動きには「制限」がつき、上体はほとんど動いていません。一見すると、まわりで踊っている他の方々のようにいわゆる「ダンス」をしているという印象はなく、お神輿の運び役のように見えてしまいます。しかし、そこは青山さんです。私は思わず青山さんの足元とお顔の表情に眼を奪われました。以前よりファンの間では、青山さんの足元、とりわけ爪先、甲、足首からふくらはぎの美しさと、その表情の豊かさは話題になっているところですが、ここではまさにその足元の表情というものが本当に素敵です。お神輿をワッショイ!とやるときのステップ、皆様も何となくイメージとして、頭の中にあると思いますが、あのときの足元の動きを、見事にこの曲のリズムに乗せて、「踊りのステップ」としてみせているのです。「おどろんぱ!」の「三忍者 誕生」でも「忍び足」の接地感覚を見事に舞にまで昇華していたり、同じく「三忍者 疾走」でも疾風(はやて)のような走りを、見事にあのロック調ギター音がうなるバックミュージックに乗せていました。最近では、「おどろんぱ!プラス」で「だれかがよんでるよ」の「みずたまり」を表現するステップなど、とても素敵でしたよね。それから『グランドホテル』の「共にグラスを」のシーン、音楽が流れるなか、青山さんはトレーを持ってホールを歩きまわります。ホールを歩き回るだけなのだけれど、そこには「音楽」があるんです。なんだかトレーを持って歩き回る青山さんが、シーン全体の調子を整える指揮者のように見えたのを覚えています。「歩く」だけなんだけれど、「共にグラスを」のあのシーン全体の調子を整えるような感じに、「お祭りマンボ」のお神輿を担ぐ青山さんの感じは重なります。お神輿を担ぎながら中央でステップを踏むだけなのだけれど、その足元が床から小気味よく跳ねる様子、そして中央のひばりさんのそばでお神輿を担いでいるあのお顔の表情が、冒頭からもう「水もしたたるいい男!(昨年もへーまさんと話題になりました)」なのです。血気盛んな「チャキチャキ江戸っ子」ぶりが、場面を盛り上げています。
こういう例からもわかると思うのですが、もともと日常生活のなかにある「歩く」、「走る」といった動作を、踊りとして、あるいはそこまでいかなくても振りとして音楽にのせてみせる場合、ダンスの動きとしては地味な動きに見える、あるいはダンスに見えないということもあるのかもしれません。しかし、青山さんが「歩く」、「走る」という日常的な動作を前提としている振りを見せてくれるとき、それは床と足元との非常に豊かな関係性を堪能できる絶好の機会でもあります。青山さんはどんな音楽にも見事にのることができる、このことはもうファンの間では常識ですけれど、床との関係性もああやって表情豊かに無数のバリエーションで魅せてくれる青山さんは本当にスゴイ!私自身は踊る人ではないので、ただ想像してみるだけなのですが、ダンサーにとっては、音楽と同じぐらい、床との関係の持ち方って、奥深いものなのでしょうね。「変幻自在」、この言葉、青山さんを語るときに私はよく使う言葉なのですが、床と足元、その部分だけを切り取ってみても青山さんは変幻自在です。
この「お祭りマンボ」での青山さん、歌詞にもある「ねじりはちまき そろいの浴衣~♪(ここでは「ハッピ」です)」じゃないですけれど、はちまきにハッピ、半股引(でも実際は白のピタピタスパッツ)、足元は白い地下足袋というお衣裳。イメージ的には、「おどろんぱ!」の「オーレオーレオーレ」の音頭シーンを思い出していただければいいのではないかと思います。お神輿を置きに行って、いよいよ本格的に群舞の輪に加わりますが、ここでも足元、そして手・腕の動きに注目です。衣裳のイメージとしては「オーレ×3」でよいと思うのですが、同じハッピ姿でも「オーレ×3」と「お祭りマンボ」とでは、動きの雰囲気は全く違います。「オーレ×3」や「チャレンジダンス」の「音頭篇」では、ぐっと重心を下に落としたような蟹股(へーまさんおっしゃるところの「プリエ」)の端正さが印象的ですが、こちらの「お祭りマンボ」では終始床とはじけあっているような軽やかさが印象に残ります。それに合わせて頭上でテンポよく繰り返しひるがえされる掌の動きの鮮やかでなめらかなこと!先日の「踊り隊」のギャグの中でも、笑いをとりながら「佐渡おけさ」のところで掌の動きが入りましたよね。ああいう和のテイストの動きも、青山さんの本領の発揮されるところでもあります。
・・・と今回は、「歩く」、「走る」という動作にこだわって書いてみましたが、これらの動作に限らなければ、青山さんのダンスにある床との豊かな関係性は、曲の数だけ、いやフレーズの数だけ無限に広がっていくような気がします。「おどろんぱ!」だけでも、風にひらひらと舞う「おちば」を繊細な片足先の動きだけで表現したり、「鶴」の生命感あふれる一瞬の跳躍を見事に写し取ったり・・・、と枚挙に遑がありません。青山さんが魅せてくれる足元の豊かな表情といったら・・・。だからこそっ、「おどろんぱ!プラス」の「行進曲風ステップ」が定番になりつつある昨今、ファンとしては、どうしても・・・。青山さんが魅せてくれる、足元と床の豊かな関係性、これが恋しくなります。言ってるそばからもう「駄々こね」が始まってしまう、まったくもってしょうがない私です・・・。