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岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

ヒルガオ科サツマイモ属の花散歩

2023-09-24 16:56:12 | みんなの花図鑑
きょうは ヒルガオ科サツマイモ属の花を、よく似たもの同士2組、都合4種類観察してみます。
最初はサツマイモ属と言っても小さなアサガオの仲間です。

ホシアサガオ

ホシアサガオの学名は Ipomoea triloba



背は高くなく、よくツユクサと同居しています。
属名の Ipomoea (イポメア)のことを 日本語では「サツマイモ属」と呼んでますが、
アサガオ、ヨルガオやルコウソウなどの園芸植物はみな 「イポメア(サツマイモ属)」だったのです。
属名の Ipomoea (イポメア)は ギリシャ語の ips(芋虫) + homoios(似ている)から、「芋虫に似た」 という意味で、つるが絡み付いてよじ登る様子を芋虫に例えた語源だったのです。なので、「イポメア属」の中でもツルが巻き付いてよじ登らないサツマイモ属と和訳するのは、知ってみれば、ちょっと違和感があります "(-""-)"




花は小さく、花冠を上から見ると5角形で星のように見えることから「ホシアサガオ」となりました。



よく似た花に、次に掲げるマメアサガオがありますが、マメアサガオは白色なので簡単に区別できます。


マメアサガオもホシアサガオも雌しべの柱頭は白いイボイボのついた球体で同じで、めしべだけを見ても区別できません。
ホシアサガオの雄しべの葯の色は白色なのに対し マメアサガオのほうは赤紫色が入っていて、ここがちがっています。




マメアサガオ

マメアサガオの学名は Ipomoea lacunosa


種小名のlacunosa は、「くぼみのある」というラテン語由来とのことですが、どの部分のことを言っているのか?よく分かりません。








雌しべの柱頭は ホシアサガオ同様イボイボのある白い球体ですが、
おしべの葯は赤紫色で ここがホシアサガオとちがっています。





2番目の似た者同士は 野草のマルバルコウと 園芸植物の ルコウソウです。
マルバルコウ

マルバルコウの学名は Ipomoea coccinea
「ルコウソウ属に分けられていたこともあるが、現在はサツマイモ属に分類されている。」(三河の植物観察)


種小名の coccineaは「緋紅色の」という意味で、coccinea と名前の付いた植物はたくさんあります。
マルバルコウのばあいは花冠の色から。







マルバルコウの雄しべの葯は白色です。ホシアサガオの葯と色はよく似ています。





ルコウソウ

ルコウソウの学名は Ipomoea quamoclit


マルバルコウソウを含め他のサツマイモ属とは葉が大きく異なります。
種小名の quamoclit はギリシャ語の 「kyamos(豆) + clitos(低い)」が語源。 豆の植物のようにつる性で伸び 背が低いことから。
園芸植物ですが、よく逃げ出して野生化しています。






こちらの葯の色は花弁と同じ緋紅色のようです。





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