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アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

コンカドール(金色のカサブランカ) - 安城デンパーク

2025-07-07 07:00:00 | みんなの花図鑑
この記事は 当初(2019-07-14 10:36)「なんというユリ」と題して投稿していました。
(初出: 2019-07-18 )


デンパークのビール館前の花壇に植えてあった 巨大な蕊をもったユリです。
至近距離で 撮っています。





少し 下がって。
ユリなんですが、その名前8が分かりません。
ラッパが横を向いて咲いているので、スカシユリでないことは分かるのですが。





オニユリなら、花弁の内側に 点々がついてますよね。

〔後記〕「点々」じゃなく、「スポット」っていうんですね










全体はこんな風で、背丈は 2m以上あります!
何という ユリでしょう?


【追記】
えー、なつみかんさんと うたかた花詩さんから、さっそくレスをいただきました \(^o^)/
カサブランカ あるいは イエローカサブランカ(コンカドール)かな?
ということで、さっそく カサブランカとは なんぞや と、少し調べてみたのですが・・・

カサブランカは 「ユリの女王」と言われ、オリエンタルハイブリット系(オリエンタル百合) 不動の一番人気品種!なんですってね。

カサブランカ(Lilium ‘Casa Blanca’)はユリの中でも、
オリエンタル・ハイブリッドという園芸品種群の中の1品種です。(カサブランカとユリの違いは?)

カサブランカは、花が大きくて白くて豪華で、
香りも強くて良いということで、とても人気があります。(同上)

そもそもカサブランカは、スペイン語で「白い家」という意味がついているので、
白色が特徴とされています。(同上)
ということは、典型的なカサブランカではなく、新手のオリエンタル・ハイブリッドの一種ということでしょうか

他のユリ品種によくある、花弁の内側のスポット(斑点)がほぼありません。
スポットがないことで、さらに花弁の白さが際立ちます。
また、とても花が大きく、豪華ながら気品のある雰囲気を放ちます。(同上)
この花弁にスポットがないことは たしかに 大きな特徴ですね。私も 気がつきましたから(^^


それから 別の記事にこんなことが書いてありました:
カサブランカは 花弁の内側に スポットがない。代わりに、花の内側ににツンツンと小さな突起がある!
どういうものか、文章ではよく分からないので、それが分かる画像へのリンク を示します。




カサブランカ(モロッコの都市)がスペイン語で 白い家 を意味してたことを考慮すると、元祖カサブランカというよりも

イエローカサブランカ(コンカドール)

なのかもしれません。

上記で検索すると、ほぼそっくりのユリの画像が出てきます\(^o^)/
長々とすみません。確認してから タイトル変更します。


【後記】2019-7-18
デンパークさんより 返信がありました。

「ユリですが、コンカドールと言う品種と思われます。
 (イエローカサブランカとも言われる時もあります)」


【追記】2025-07-07
★コンカドール(Conca d'Or)
元はイタリア語で〈コンカ・ドーロConca d'Oro〉は「黄金の盆地」の意味だそうです。特に、シチリア島のパレルモ周辺の肥沃な平原を指し、オリーブ,かんきつ類,ブドウ酒,硫黄などが主要産物の土地を「コンカドーロ」と呼ぶのだそうです。この名をフランス語圏で「金色のカサブランカ」の愛称として用いるようになったのだそうです。


 

ネジバナとハゼラン - ラン科と非ラン科

2025-07-06 07:00:00 | みんなの花図鑑
(初出:2022-06-29)

きょうはランの名が付かないけれどラン科のネジバナと、ランが付くけれどラン科ではないハゼランの話題です。


ネジバナ

まず、ネジバナ。ラン科ネジバナ属。
つい先だっても矢作川の河川敷のネジバナを取り上げましたが、これは豊田安城自転車道の草地の中。




ネジバナは土手や草地、ゴルフ場のラフや公園の芝地などによく生えてます。
要するに、腹ばいになって撮影するのにちょうどいい平坦な草地の上です。




ところで、ネジバナの花はなぜ、らせん状に咲いているのでしょう?




よく言われるのが、訪花昆虫が訪れる頻度によりねじれの度合いが変わるという説です。
すなわち、ハナバチの訪れる頻度の低い環境のネジバナは、ねじれを小さくして、沢山花をつけているように見せ、ハナバチが訪れやすくしているということです。



しかし、ねじれが少ないと花と花が近づいて訪れたハナバチが隣の花に移動しやすくなり、自家受粉しやすくなります。自家受粉では、結実率も低いそうです。
そのため、ハナバチが頻繁に訪れやすい環境では、ねじれを大きくして咲くことによって自家受粉しにくくしているというのがこの説です。




別の説もあります。
片側に花が一列に咲くと花の重みで茎が曲がってしまうのを防ぐため、花自身が調整して、らせん状に捻じっているのだという説です。







ハゼラン

いまではどこにでも見られる野草ですが、ハゼランは、熱帯アメリカ原産の1年草で、明治時代に観賞用として導入された外来種なのだそうです。




ラン科ではないのですが、何科だとお思いですか?




スベリヒユ科でした !(^^)!
スベリヒユという野草は

こんな野草で、これの園芸品種が

上のポーチュラカです。
でも、ハゼランのめしべは丸い子房がはっきりしていてそこからひょろっと柱頭が伸びているのに対し、スベリヒユやポーチュラカのめしべは子房が見えません。




それにしても、ランでもないのになぜ「ハゼラン」なのでしょう?
諸説あるようです。
花がはじける(はぜる)ように次々と咲く様子からという説。
秋になると直径1~3㎜ほどの小さな実が、「爆(は)ぜ」て周囲にはじけ飛ぶからという説。
赤い丸い果実を、はじける線香花火に例えたという説。

「ハゼ」のほうは上の説で分かりましたが・・・
「ラン」の名がついたのはなぜでしょうね?





 



ニューサイラン - 40年に一度咲く?

2025-07-05 07:00:00 | みんなの花図鑑
(初出:2021-06-27)


ニューサイランは ツルボラン科(またはキジカクシ科)フォルミウム属(マオラン属)の常緑性多年草です。
漢字で書くと、「入才蘭」だそうですが、蘭の仲間ではありません。



ニューサイランの記事をネット上で検索しますと 「40年に一度咲く花」という記事が飛び込んできます・・・



たとえば、
「40年に一度 ニューサイランの花咲く 高さ2メートル、何気なく見てびっくり 山口」(毎日新聞
ほかにも
「「何、この花…」 40年に一度しか咲かない?「ニューサイラン」が開花」(丹波新聞

他にも 「40年に一度」の記事は いっぱいあります▼





でも、私は ここ安城デンパークでこの花を「毎年」見ています (^_-)-☆

種類が違うのでしょうか??




「ニューサイランは花が咲くことは珍しく、条件が合わないと咲かないと言われているほどです。一部のニューサイランは40年に一度しか開花しないと言われることも。」(GreenSnap 「ニューサイランの花言葉|意味や種類」)
やっぱり、「一部のニューサイラン」だったのねぇ



しかし、それにしては 「40年に一度」の記事画像と ここで見るニューサイランの花、とってもよく似てます。
とても 別種とは思えないけどな~~~ (´∀`)






 

ペンタス - 少し分かったかも篇

2025-07-04 07:00:00 | みんなの花図鑑
(初出:2021-06-12)

ペンタスの花には めしべが突き出している花(こちらが一般的)と 5本の雄しべが突き出している花とあることが分かりました。
それで、問題はある種の花のように、一つの花で 雄しべが突き出す時期とめしべが突き出す時期があるのか?
それとも、めしべだけの雌花、おしべだけの雄花とあるのか?
ということでした。



これはもう解剖して確かめてみるしかない、ということで、ピンセットで花冠の一部を剥いでみました!




めしべが突き出している花を剥いでみた結果ですが、花筒の中には 雄しべらしきものは見当たりませんでした。



あるのは筒元から長く伸びる雌しべの花柱と沢山の腺毛ばかりでした。





つぎに、雄しべが突き出しているほうも 剥いでみました。(右)



その結果、花筒の中には 雌しべらしきものは見当たりませんでした。



このことから、どうやら ペンタスには めしべだけの雌花と 雄しべだけの雄花とがあるようだ、と推論できそうです。
実は、他のブログ記事でも同じ考えに至っている方もみえます。ただし、その方が観察されためしべが突き出ている花では 花筒の中に腺毛に紛れて雄しべがあったのですが「雄蕊は短すぎてまるで退化しているような姿」だったので、ペンタスは雌雄異花なのではないかと考えられたのです。
私が見たのは 花筒の中に退化した蕊が見当たらなかったので、ペンタスは刻々と進化しているのかもしれません (^_-)-☆







 

ザクロ - 今度こそペルシャから

2025-07-03 07:00:00 | みんなの花図鑑
(初出: 2021-06-14 )
直前の投稿で 、ハルシャギクの「ハルシャ」は「ペルシャ」のことらしいが、原産地は北アメリカということで、なぜ「ペルシャ」となったのかよく分からず有耶無耶(うやむや)になってしまいました。


ザクロ(愛知県緑化センター樹木園にて)

ザクロの原産地はペルシャがそのひとつであることは確実なようです。

「原産地であるイランからシルクロードを通って中国やヨーロッパに伝わり、日本へは平安時代に渡来したといわれています。」(果物ナビ > 果物図鑑 > ザクロ)



以下話題は、ザクロの花ではなく ザクロの実の話になりますが、お許しください。
ザクロといっても、産地によりその大きさや味に違いが出てきます。
私は ダマスカス(シリア)のスークで 手のひらいっぱいの大きなザクロの実を見つけ、買って食べたことがあります。これがたぶんイラン産ザクロだったのだろうと思います。
というのもダマスカス郊外の農園でも ザクロの木をよく見たのですが、スークで売られていたのほど大きくなかったので。



イラン産のザクロは日本のザクロに比べて「実が大きい」です。

「それは気候が大きく関係しています。
 海が近く雨が多い地域では、土壌の水分量が多いため、ザクロが熟れて皮が堅くなる前に果実が成長してしまい、栄養分が十分蓄えられないまま皮が耐えられずに実が割れてしまいます。
 これが日本で実が割れたザクロをよく見かける理由です。」(nini > Topics > Column > 日本人が知らない、イラン産ザクロの素晴らしさ)




斑入りザクロ(安城デンパーク・花木園にて)

日本に来ているイランの人たちは 日本のザクロを見て「見た目も、中身も、全く別の果物と言って良いほど異なっていた」(同上)と驚くそうですが、私も想像できます。



「砂漠と高原が多いイランは、乾燥した長い夏の気候(5月~10月)があり、昼間は灼熱の暑さですが夜は涼しくなります。
 1日の寒暖差が激しく、これらの条件をすべて満たしているので、美味しいザクロの生育条件にピッタリなのです。」(同上)




「イランの気候は非常に乾燥していて土地に水分が非常に少ないため、ザクロの木は生き延びるために地面に深い根を張り、時間をかけて最大限の栄養を吸収しようとします。」
「さらに、標高の高さと厳しい冬の寒さに害虫もつくことができず、一切農薬を使う必要がありません。」
「その結果、皮が薄く、果実は十分に大きくなり、果汁も十分、種も小さく、栄養たっぷりで丸ごと食べることができるイランにしかない奇跡のザクロになるのです。」(同上)




「丸ごと食べる」って!
ザクロはタネばかりだから、食べるというよりしゃぶりついて種は吐き出すしかないでしょ?!
いいえ、ペルシャのザクロは種も丸ごと食べられるのだそうです (^_-)-☆

「イラン産のザクロはその理想的な生育条件から、ザクロの粒(種衣)の果汁が豊富で種が小さく柔らかいので、種まで美味しく食べられます。

イランの子どもは、ザクロを食べて種を吐き出そうとすると両親からひどく叱られます。
イラン産のザクロは、その種に最も美容や健康に良い栄養成分が含まれているからなのです。

イラン産のザクロが運良く手に入った場合は、必ず種まで食べるようにしてください。」(同上)

そういえば、シリアの人たちも ザクロの実と サボテンの実も 種ごと食べていたなぁ (´v_v`)
 




 

ハルシャギク - ペルシャから?

2025-07-02 07:00:00 | みんなの花図鑑
(初出: 2021-06-13)


ハルシャギクは キク科ハルシャギク連の植物です。
ハルシャギク連というと、ハルシャギク属のほかに
コスモス属が属しています。コスモスのことを「オオハルシャギク」というんですね。



ハルシャギク(波斯菊)のハルシャは 「ペルシャ」のことなんですが・・・



原産地は北アメリカなんだそうです。
では、なぜ「ペルシャ」の名が付いたかというと・・・




分かりません (^_-)-☆




「原産地は北アメリカなのですがヨーロッパを経由してペルシャ方面に伝わり・・・」
という記事がありましたが、それ以上は分からず。




英名は Coreopsis すなわち 属名の コレオプシス です。



和名の属名は ジャノメソウ(蛇目草)です。花の中心が 蛇の目模様ということで、これが一番覚えやすそうです。






 


フェイジョアにメジロが来てたんですが…

2025-06-30 07:00:00 | みんなの花図鑑
(初出:2021-06-12)

フェイジョア

場所は 愛知県緑化センター。
大きなフェイジョアの木に メジロが来ていたんです。



タイトルのとおり「メジロが来てたんですが・・・」撮り損ねました(ToT)
上は 唯一の?証拠写真で、後は全滅でした。



でも、いかにも嬉しそうに啄んでましたよ
蜜とかでなく花弁が美味しいんでしょうね




フェイジョアは フトモモ科の常緑低木。南米原産。
学名:Feijoa sellowiana
日本では30年ほど前に始まったキウイフルーツの栽培熱に刺激され、キウイに次ぐ新果樹としてフェイジョアが紹介されるや、瞬く間にブームになりました。あっという間にフェイジョア生産地域ができあがり、多くの果実が収穫されました。(wiki)

フェイジョアの果実



自家受粉では果実は育たないそうです。
メジロも他家受粉に一役買ってるのかしらん。




ブラシノキ

ブラシノキ(カリステモン、金宝樹)はやはりフトモモ科。
原産地はオーストラリアの東部ということです。



紅いブラシは雄しべで、ブラシノキの花といえば、ほとんどこれが実態。



上から見ると 数は少ないけれど、雄しべより突き出しているシベがあります。



それが雌しべ。



雌しべの観察。



同上。





 

ガクアジサイ - 四葩(よひら)

2025-06-29 07:00:00 | みんなの花図鑑
(初出:2021-06-10)


自宅のガクアジサイです。
今ピントの合ってる部分が装飾花の部分で、ご存じのように 萼片が花弁のように変化したものです。
萼片は 4枚あり、大きく目立つので、 それでアジサイのことを「四葩(よひら)」と呼ぶのだそうです。
このガクアジサイから 装飾花ばかりのアジサイが作り出されました。




同じ株の若い花。装飾花の向こうの部分が 雄しべ雌しべをもつ両性花の部分です。




観賞するときには萼の変化した装飾花の部分が目立つのでそれでガク(萼)アジサイというのかと思ったら・・・




中央の両性花を囲んでいる装飾花の部分が額縁に見えることからガク(額)アジサイというのだそうです。




両性花の部分も 開花すると ちゃんと雄しべがたくさん、めしべの柱頭も3本あって、なかなか可愛いです(^^♪




下から眺めたガクアジサイの花序。




ちょっと花に触れると、役目を終えたおしべたちが はらはらと落ちてきます。




萼片が肥大化した装飾花ですが、中心にちゃんと花があります。
たぶんもう少ししたら開花するのではないかと思います。
結実はしにくいようですが・・・






 

キキョウにもステージがあります

2025-06-28 07:00:00 | みんなの花図鑑
(初出:2021-06-09)
コロナ感染状況にステージがあるように、キキョウの花にもステージがあります。
まず雄しべが活動する時期があり、それが終わってから 雌しべ活動期となります。


ステージ 0

キキョウの花が開いた最初は 中心の めしべの花柱を象牙色をした雄しべが囲んでいます。
この状態は 雄性期ではなく、雄性期の前段階といったほうが良いと思います。
なぜなら花粉が出ていませんので。




雄しべは雌しべの外面に向かって花粉を放出し続けます。
めしべはまだ未熟で柱頭を閉じたまま上に向かって伸長します。
そうすると、どういうことが起こるかというと・・・



ステージ1

伸長する雌しべ棒の頭部(将来柱頭になる部分)に微細な毛(集粉毛)があって、雄しべから出た花粉がまとわりつくのです。
この状態が 「雄性期」の状態です。雄性期といっても、めしべ棒の頭部に花粉が付着していて虫が運んでくれるのを待っている状態ですから、「雄しべ活動期」という状態ではないのです。



雄性期(花粉を運んでもらう時期)に 活動するのは雄しべではなく、めしべ棒なのです。
雄しべのほうは すでにその役割を終わって花弁のほうに横たわっています。



ステージ2

雄性期(花粉送粉期)のあとは 雌性期に入ります。閉じていた雌しべの頭部が開いて 柱頭が顔を出します。柱頭は 内側に向いていて開くと反り返り上と外を向くようになります。
めしべ棒にはまだ花粉が付いていますが、花粉の寿命はそう長くはないし、柱頭はその面とは反対側にあるので 自家受粉することはありません。
私たちがよく見るのは このステージ2 (雌性期)の花のことが多いと思います。



「ただし、同じ個体で複数の花をつけ、成熟のタイミングはずれているから、同一個体内での自家受粉は避けられないと思われる。 」(続・樹の散歩道「身近な「雌雄異熟」の事例 (1)キキョウ」)