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Grazie mille!

美しさは日々の小さな積み重ねから。

「東北の手仕事展」 最終日

2012-08-05 13:19:00 | AVANTI通信

          

         今日で楽しかった「東北の手仕事展」も最終日。
         毎朝、コーディネーターの川上さんやオーナーの田中さんと
         「おはようございます。」と交わすご挨拶も
         帰り際の「お疲れ様でした。」と交わすご挨拶も・・
         今日で終わり・・と思うと、
         何だかとっても寂しい気が致します。
         ちょうど子供の頃のあの感覚に似ている・・と思うと
         自分の成長の無さにちょっぴり自己嫌悪。
         思わぬところで、大きな反省をしている私でした。

         さて、今日も少し工芸品のご紹介を。
         最初の写真はご存知の「刺し子」です。
         雪深い北国で生きた女性達から生まれた手仕事です。
         日常の衣類・労働着の修理や補強を目的とした実用的な「刺し」という技法。
         暮らしの知恵であり、家族への愛情でもあったという「刺し子」は
         家族の絆を表現しているようにも思えます。
         最近では小物が沢山作られていて、若い方達にも本当に親しまれています。

         写真を掲載出来なかったのが残念ですけれど、
         この他に「裂き織り」という技法を活かした小物たちも素敵です。
         今回、大人気でした。
         使われなくなった古い布を1cm幅のひも状に手で引き裂き、
         それを再度織り直して新たな布を再生させる技・・これが「裂き織り」です。
         かつて東北は本当に貧しかったのです。
         1枚のハギレとて捨てられなかった環境の中で女性達の知恵の結集として
         受け継がれてきた技です。
         使い古した布に再び命を授けたことで生まれた新しい布。
         使い込むほどに魅力を増していきます。
         東北の伝統工芸には「命」と言う言葉がキーワードになりますね。


             

         大変有名な南部鉄器。こちらは15代鈴木盛久さんの作品。
         15代目は女性の方で、彫金デザイナーとしても大変有名な方です。
         襲名して盛久さんですが、本名は熊谷志衣子さん。
         女性ならではの美しさがこの鉄器には感じられます。

      


              


              
                福島県 昭和村のからむし織り

         一反の織物が出来上がるまでの工程を考えると
         気の遠くなる、とても大変な時間を要して作られます。
         当然その手作業がございますので、高価にはなりますが
         反物は100年は持つと言われるほど丈夫。
         そして、このからむしを夏着用してしまうと、
         あまりの涼しさ、着心地の良さで他のものは着られないと言われています。
         実際拝見させて頂きましたけれど、本当に素晴らしい反物でした。

         東北の手仕事は厳しい自然と共存しながら連綿と受け継がれてきました。
         そこには、貧しくても家族で支えあい、
         生きていく過程を丁寧に守り、生かされていることへの感謝が作品に表れていて
         手に取った瞬間、口をぐっと閉じて思わず姿勢を正してしまいます。
         そしてその作品から伝わる
         確かな気合と勇気、そして愛情を頂ける・・そんな有難さも感じます。
         私にとっては、「師」との出会いのようなものなのです。

         まだ、工芸品と出会っていない方は
         是非ご自分の波動と合う「手仕事」のものを見つけてみて下さい。
         きっと、大きな力を頂けることと思います。

         この6日間、お立ち寄り頂いた方々へ
         心からお礼を申し上げます。ありがとうございました。


         

         

                  

     


  





         


         

「東北の手仕事展」Part2 工芸品

2012-08-04 14:51:48 | AVANTI通信

                 



         地方紙「上毛新聞」に掲載されたお陰で
         水曜日からお問い合わせがとても多く、
         素敵な女性達が連日ご来場されています。
         前橋での開催をお誘いした私にとっては、
         あ~良かった・・と胸を撫で下ろしています。

         今日は、展示されている作品の一部を少しご紹介させて頂きます。
         最初の写真は「曲げわっぱ」・・大変有名な秋田県の工芸品ですね。
         東北の厳しい気候風土、生活の中で育まれた人の知恵の大結集だろう・・と
         私は思っています。
         樹齢200年に及ぶ杉の木の力を借りて生まれたという「曲げわっぱ」
         両手に抱えた瞬間、作り手の方の「想い」が伝わってきて
         何とも言えない温かさがこみ上げてきました。
         木の薫りにとても懐かしさがこみ上げてきて・・
         祖母の姿が重なりました。
         お釜で炊いたご飯をお櫃に入れて、釜の底についたおこげを
         よく小さなおむすびにしてくれたものです。
         この曲げわっぱのお櫃の木の香りは、私にとっては祖母の薫りでした。



        

         桜皮細工はやはり秋田県の工芸品。
         山桜の皮でないとこの工芸品は出来ないそうです。
         奥深い山の厳しい自然の中で育った桜の木の皮を丁寧に剥いで
         作られるものです。
         味わい深い木のぬくもりを感じますね。
         こういう工芸品には、自然に対する畏敬の念を感じて
         本当に丁寧に扱えます。
         丁寧に扱うということは、作法をわきまえるという
         そんな姿勢までも育んでくれますから、学びに繋がっていきます。

        

         このバックには感動致しました。
         仙台箪笥の職人技のご紹介です。
         仙台箪笥といえば、男の羽織と刀が納められるように作られたという武士の箪笥。
         武士の時代が終わり、この箪笥は影を潜めましたけれど
         それでも、仙台箪笥の美しさはファンもいらした事と思います。
         箪笥の需要が減ってきたことから、箪笥用で用意してあった木を
         こんなに美しいバックに仕上げたそうです。
         このバックの美しさに勝るバックを私は見たことがありません。
         木と木を止めるのに釘は使わず、「ヤイト」と呼ばれる2ミリ幅のパーツを
         使います。この製法は仙台箪笥を作る技と全く同じです。

         今、日本の工芸品は後継者不足が大きな課題になっています。
         どうしたら後継者を増やせるのか・・
         増やせない実情には、消費率が下がっているという現状がありますよね。
         子供の情緒を育てる為には、人の手で作られた物を小さいころから触れさせ
         丁寧に使う気持ちを育み、自然と共に生きている人間のスタンスを
         教えなくていけない・・と、思ってしまいます。
         そうする事で、文化が継承され、日本の技術も進化しながら
         遺されていくのではないだろうか・・と、改めてこの作品たちを見ながら
         心に刻んでいる私です。

         是非、遊びにいらして下さい。

         日程:7月31日~8月5日  10:30~18:30
         会場:前橋市千代田町3-6-15  AVANTI 4F


         お会い出来ます事を、楽しみにしております。


    


         



         
         
         

「東北の手仕事」Part2 素敵なお話し会

2012-08-02 12:09:36 | AVANTI通信
            
                

         昨日は11時から「ゆずりは」オーナーの田中さんの
         とっても素敵なお話し会がありました。

         お店は定休日でしたので
         ご参加出来るお客様と待ち合わせをして
         私もちゃっかり参加させて頂きました。

         群馬県の地方紙「上毛新聞」に大きく記事にして頂けましたので
         お話し会にも沢山の方がご来場下さいました。
         私のように、青山のギャラリーに通ってご存知の方や
         十和田湖畔の「ゆずりは」さんへ行ってファンになられた方など
         色々なご縁で集まって頂き、何だかとっても嬉しかったです。
         最も田中さんが結構雑誌でご紹介されている方なので有名なのですけれど。

         東北の工芸を始めたきっかけや、職人さん達との心温まる交流のエピソードなど
         とても分かりやすく、又、胸に響く言葉の魅力に60分という時間は
         あっという間に過ぎていきました。

         皆さん、本当に感動されていました。
         それからの皆さんは、工芸品に「命」を感じているようでした。
         「物」達からの言葉では聴こえぬメッセージを受け取られたんだと思います。
         手に取り、眺めている様子がまるでその物たちと
         ゆっくり呼吸を合わせ、会話をしているようでした。

         人の手から作られたものには、「神様」の想いが込められている。
         私が始めて書道を教えて頂いた先生の言葉です。
         小学校2年生の時でした。
         硯・文鎮・筆・墨・半紙のお道具を大切に使うという事から始まったお稽古。
         最初に必ず、お道具に手を合わせ「お願いします。」と一礼。
         終わると、綺麗に硯を拭いて筆を調え、又、一礼。
         お道具には、その道を極めることへの「願い」が込められている。
         職人さん達はその「願い」を常に神様にお願いして下さっていると教えられました。

         その教えは、私にとっては大きな「宝物」となっております。

         昨日も「曲げわっぱ」や「桜皮工芸」にまつわるお話しを伺い
         胸がいっぱいになりました。
         東北の工芸品は後継者が少ないようですし、既に今の方が亡くなられたら終わり・・
         という技術もあるようです。もうかなり高齢化していらっしゃいますもんね。

         何とか遺せる手立てはないものでしょうか・・。
         感動する気持ちの中に、そんな切ない「想い」も感じた素晴らしいお話し会でした。

               


         日程:7月31日~8月5日  10:30~18:30
         会場:前橋市千代田町3-6-15 AVANTI 4F


         是非、お立ち寄り下さいませ。
         お会い出来ますことを楽しみにしております。


         

いよいよ開催!

2012-07-31 16:52:01 | AVANTI通信

                  


             いよいよ「東北の手仕事」展が開催されました。
             昨日、展示会場のディスプレイを受け持っていらっしゃる川上さんが
             11時頃から作業を始められて18時30分に終了。
             とても沢山の商品をものの見事に展示されました。
             何しろ小さな物が沢山あるので大変な作業なのです。
             でも・・
             青山のギャラリーのように展示されているので
             本当に嬉しくなりました。

                                      エントランス風景

             へぇ~こんな風に演出されると、私のところも
             ちょっとしたギャラリーみたい・・


                                              津波で流されて復活した「雄勝硯」

              


                   


              

            裂き織りのブックカバーのようなものから
            それこそ、人間国宝級の着物や帯の反物まで
            普段なら敷居が高くて見られない・・なんていう物まで
            勢揃いしています。
            
            私は今回は欲しい気持ちをグッと我慢。
            まずは、お客様優先という事で最終日まで待つ事に致しました。
            でも・・叫んでしまおう~
            福島のガラス作家さんの器が欲しい~!
            色合いがまるで「ガレ」のようなのです。素敵・・・

            明日は店主の田中陽子さんのお話し会。
            感動した気持ちを、又ブログでご紹介しますね。

            それよりも、お近くの方お出かけ下さい。
            お会いできますのを、心より楽しみにしております

            会場:群馬県前橋市千代田町3-6-15 AVANTI 4階 
            日程:7月31日~8月5日  10:30~18:30
            
             




            


              


      





      




      




       


        


             





東北の手仕事展

2012-07-29 12:18:15 | AVANTI通信
                 


         オリンピックが開催されましたね。
         昨夜も姪と、女子のサッカー、柔道を見ました。
         本当に、ここまでくるのには
         どれほどの道のりを、自分と向き合って努力してきたのか・・
         そう思っただけで・・涙がこぼれそうになります。
         「また泣いてる~」と姪に言われるのが嫌で
         立ち上がろうしたら、何と姪も涙ぐんでいて・・
         こりゃ、年のせいではないのだな・・と安心致しました。
        
         自分の信じた道をひたすら歩む姿というものには
         神々しさを感じます。
         職業に関わらず、ひたむきに打ち込む姿には
         感動と共に大きなエネルギーを頂き、いつしか勇気も頂ける。
         素晴らしい功績を遺しながら、魂にまで働きかけることができるなんて
         本当に素晴らしいこと・・
         伝統工芸品の職人さん達もまさにそんな方々です。

         「東北の手仕事」は煌びやかな工芸品ではありません。
         生活のなかで必要とされて、その地域の方達が自然の恩恵に感謝しつつ
         作り、守ってきたものです。
         寡黙な人間性を感じる強さと、厳しい冬の気候風土で培われた温かさを感じます。
         まさに、東北人の気質そのままです。
         でも、そんな東北の手仕事は
         少しづつ、作家さんも減っていらっしゃるとか。
         貴重なものが失われていく・・哀しいですね。

         物が溢れている時代。
         溢れているということは、そこに丹念に「心」を込めるという作業はあるの?
         そんなことを考えてしまいます。
         「想い」を伝える、「夢」を与える、「愛」を育むという工程がないものには
         不思議と大切にするという感覚も生まれないものですよね。
         これがないと生活が出来ない・・というものではありません。
         でもこれがあると、生活に「夢」が持てて心が豊かになり
         大切にするという感情が身につくようになる・・
         そして更に、その物たちは親から子へ、そして孫へと続く「命」のバトン。
         それが、日本の各地で生まれ伝えられている工芸品なのだと思います。

         青森県の風土で生まれ育った「ゆずりは」オーナーの田中さんなればこそ
         その想いがストレートに伝わります。

         全国を巡回していらっしゃいますが、群馬県では初の展示即売です。
         光栄にも、私共の会社を会場にして頂きました。
         是非、下記日程にて開催されますのでお立ち寄り下さいませ。
       

         日程:7月31日(火)~8月5日(日) 10:30~18:30
         会場:群馬県前橋市千代田町3-6-15 AVANTI 4階
            Tel027-233-1656


         1階のShopには私がおりますので、ご来場の際には是非お立ち寄り下さい。
         お会いできますのを、楽しみにしております。