今日で楽しかった「東北の手仕事展」も最終日。
毎朝、コーディネーターの川上さんやオーナーの田中さんと
「おはようございます。」と交わすご挨拶も
帰り際の「お疲れ様でした。」と交わすご挨拶も・・
今日で終わり・・と思うと、
何だかとっても寂しい気が致します。
ちょうど子供の頃のあの感覚に似ている・・と思うと
自分の成長の無さにちょっぴり自己嫌悪。
思わぬところで、大きな反省をしている私でした。
さて、今日も少し工芸品のご紹介を。
最初の写真はご存知の「刺し子」です。
雪深い北国で生きた女性達から生まれた手仕事です。
日常の衣類・労働着の修理や補強を目的とした実用的な「刺し」という技法。
暮らしの知恵であり、家族への愛情でもあったという「刺し子」は
家族の絆を表現しているようにも思えます。
最近では小物が沢山作られていて、若い方達にも本当に親しまれています。
写真を掲載出来なかったのが残念ですけれど、
この他に「裂き織り」という技法を活かした小物たちも素敵です。
今回、大人気でした。
使われなくなった古い布を1cm幅のひも状に手で引き裂き、
それを再度織り直して新たな布を再生させる技・・これが「裂き織り」です。
かつて東北は本当に貧しかったのです。
1枚のハギレとて捨てられなかった環境の中で女性達の知恵の結集として
受け継がれてきた技です。
使い古した布に再び命を授けたことで生まれた新しい布。
使い込むほどに魅力を増していきます。
東北の伝統工芸には「命」と言う言葉がキーワードになりますね。
大変有名な南部鉄器。こちらは15代鈴木盛久さんの作品。
15代目は女性の方で、彫金デザイナーとしても大変有名な方です。
襲名して盛久さんですが、本名は熊谷志衣子さん。
女性ならではの美しさがこの鉄器には感じられます。
福島県 昭和村のからむし織り
一反の織物が出来上がるまでの工程を考えると
気の遠くなる、とても大変な時間を要して作られます。
当然その手作業がございますので、高価にはなりますが
反物は100年は持つと言われるほど丈夫。
そして、このからむしを夏着用してしまうと、
あまりの涼しさ、着心地の良さで他のものは着られないと言われています。
実際拝見させて頂きましたけれど、本当に素晴らしい反物でした。
東北の手仕事は厳しい自然と共存しながら連綿と受け継がれてきました。
そこには、貧しくても家族で支えあい、
生きていく過程を丁寧に守り、生かされていることへの感謝が作品に表れていて
手に取った瞬間、口をぐっと閉じて思わず姿勢を正してしまいます。
そしてその作品から伝わる
確かな気合と勇気、そして愛情を頂ける・・そんな有難さも感じます。
私にとっては、「師」との出会いのようなものなのです。
まだ、工芸品と出会っていない方は
是非ご自分の波動と合う「手仕事」のものを見つけてみて下さい。
きっと、大きな力を頂けることと思います。
この6日間、お立ち寄り頂いた方々へ
心からお礼を申し上げます。ありがとうございました。