ビートルズと黄金比 秘密の音３

神様はジョン・レノンにもう一つイタズラを
したんです。

ジョン・レノンは、ギターの弾き方をマスターする際、
非常に遠回りをしております。

バンジョーしか弾けない母親ジュリアから
ギターを教えてもらっております。

本来ギターの弦は６本でございますが、
ジョンはなぜか５本の弦を張り
バンジョーみたいに弾いていたと
本人が語っております。

ギターのチューニング（調律）は、弦を押さえない
状態で太い弦（音の低い方）から順に
E-A-D-G-B-E（ミーラーレーソーシーミ）と
響くように音を合わせます。
鍵盤楽器でみるとそれぞれの音は、
（ミファソラで４度）
４度離れております。（完全４度）

それに対しバンジョーは弦が四本で
弦を押さえない状態で
C-G-D-A（ドーソーレーラ）とチューニングされ、
それぞれの音が５度（ドレミファソで５度）
離れております。（完全５度）

つまりジョン少年はバンジョーのチューニング方法で
ギターを弾いていたのであります。

１９５７年７月６日、セントピータース教会の
ウールトン祭でジョン少年のバンド
「クォリーメン」はトラックの荷台を利用した
ステージに立っておりました。
この時ジョンの共通の友達に誘われポール少年（１５歳）は
ステージを見に来ておりまして、ジョンと
運命の出会いをするのでありました。

それからは、ポールがジョンのギターの先生に
なるのですが、なんとポールは左利きだったのです。
ジョンはポールのギターの押さえ方を見て、さらに
逆に直してフォームを覚えなければならなかったの
あります。

コレが２つ目のビートルズマジックであります。

バンジョーのチューニングで得られるサウンド（完全４度）と
ギターのチューニングで得られるサウンド（完全５度）を
完全に自分のモノにしているのであります。

アウワ的に申し上げますと完全５度が男性原理で陽、
それに対し、完全４度を女性原理の陰と観まして
ビートルズのサウンドには太極が隠れているのであります。

ちなみに音が５度離れている音程は、
完全５度といい中世のヨーロッパでは
「神の音程」と言われておりました。
例えばドとソの２音を同時に弾くと得られる和音で
ございます。
実に安定した美しい響きを持っております。
パワーコードとも呼ばれます。
クラシックは、この響きを尊重します。

また、ビートルズのドラマー
リンゴ・スターは、左利きなのに右利き用の
ドラムセットを使用しております。
しかもどんなにうまいドラマーが
リンゴのドラミングをコピーしようと
できないらしいのです。
それは、微妙なズレがあるのです。
手の癖というものでしょうか。
ここでも陰陽の作用が観られるのでありました。

まさにオンリーワンのサウンドなのであります。

数々の偶然が重なりビートルズマジックが
生まれたのでありました。