オータムリーフの部屋

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水責めの拷問はCIAの手法

2014-08-29 | 国際

米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)は28日、イスラム教スンニ派(Sunni)の過激派組織「イスラム国(Islamic State、IS)」が、シリアで拘束した少なくとも4人の欧米人に対し、拘束期間の早期の時点で水責めによる拷問を加えていたと報じた。これら欧米人の中には、今月殺害された米国人ジャーナリスト、ジェームズ・フォーリー(James Foley)氏も含まれていたとされる。
 水責めは2001年の米同時多発テロ事件後に拘束されたテロリスト容疑者たちに対する尋問の最中に米中央情報局(CIA)が使用し、拷問的手法だとして各方面から糾弾された。
 ポスト紙が引用している情報源は、イスラム国はCIAが行った水責めのやり方を「正確に知っていた」という。

 
 9.11の同時多発テロの後にアメリカが主導して始まった対テロ戦争は、1950年代にさかのぼるアメリカ心理学と拷問の関係を浮き彫りにした。心理学者がグアンタナモ海軍基地や他の極秘の収容施設で行われてきたテロ容疑者への過酷な尋問に深く係わっていることがニューヨークタイムズ紙などのマスメディアによって報道されたのだ。
 M.ウィンターボトム監督の 『グアンタナモ、僕達が見た真実(The Road to Guantanamo)』(2006,イギリス映画)はパキスタン系のイギリス人青年たちが、ひょんな偶然からテロ容疑者に間違えられて捕えられ、グアンタナモへ送られて苛烈な尋問を受けた実話をもとにした作品で、ベルリン国際映画祭監督賞を受賞した。
 この映画に心理学者はあらわれない。しかし、尋問官や監視兵が繰り返し行う感覚遮断や隔離、自尊心の否定などの「強化尋問技法」は、アメリカの心理学者が開発したものだと言う。

イラクやアフガニスタンにおけるアメリカの監獄、そして、もちろん、キューバのグアンタナモでは、抑留者は、虐待され、裁判無しで、いつまでも拘留された。
調査の手が入らない監獄で、無辜の人も、有罪の人も、拷問される。だがアメリカ人は依然として、この体制や抑留者を自分たちと同じ人間だとは考えていない。
 そこでは無実の若者が多数収容され、筆舌に尽くしがたい拷問を受けたと推察される。そこから解放された若者たちは今どうしているのだろう。IS建国を可能にした病根はアメリカの中にある・・・・・・


グアンタナモ米軍基地の収容所に8年間も不法に拘禁されていた3人の収容者が2010年、スイスに受け入れられた。同じようにスイスへの移送を希望したが、当局に拒否された収容者がほかに3人いた。この計6人の「その後」を追った。
 現在、米国のオバマ大統領が発表した「約束」により、グアンタナモ収容所は閉鎖され収容者の本国への送還、または第三国への移送の動きが再び高まっている。そのため、まだ拘禁中の166人への注目が集まっている。しかし一方で、グアンタナモから以前に出所した人たちは今どうしているのだろうか?特にスイスへの移送を希望し認可されなかった3人は、どこにいるのだろうか?
 話は2008年にさかのぼる。国際人権NGOアムネスティ・インターナショナル(AI)の支援により、この3人はスイスへの移送を希望した。だが、難民申請はスイス連邦司法警察省移民局により却下され、その後3人は連邦行政裁判所に上訴した。 2009年、アルジェリア人のアブダル・アジズ・ナジさんは行政裁判所から移民として認可するという判決を得た。しかし、移民局は行政裁判所に対し再検討を要求した。2人目のリビア人、ラウフ・アブ・アルカシムさんは2010年に行政裁判所から認可されている。だが、3人目のウイグル人、アデル・ノオリさんには認可が下りなかった。 結局、ナジさんとアルカシムさんの2人は、一度は行政裁判所によって認可されたものの、最終的に4年後の現在も受け入れは不確定のままだ。「この2人のケースは特に複雑だ」と移民局の広報担当官ミカエル・グラウザー氏は言う。グラウザー氏は、データ保護を理由になぜ最初の難民申請が却下されたのか、また行政裁判所の判決は現在どの程度考慮されているのかといった点には触れなかった。この3人はグアンタナモ収容所を2009~10年に離れている。公式な告訴も判決もなく、8年間ただ拘禁されていた。
 現在、許可が全く下りなかった3人目のウイグル人のアデル・ノオリさん(44)は、太平洋のパラオ島に受け入れられている。リビア人のアルカシムさんはまずアルバニアに移送され、カダフィー政権崩壊後、本国に戻れるようあらゆる手を尽くしたが、その後の行方は分からない。


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