こんばんは。今日も日中暖かく、穏やかな日でしたね。外での作業も風が無いとやりやすですね。
特に内装クリーニングとなると太陽光の下で行わないと色の確認が出来ないので今日の様な日は
作業者にとっては非常に助かるお天気です。
さて今日ご紹介するのは・・・
じゃん!これ、なんだと思います?正解は・・・3200GTのエンジンOHで全バラして、クランクシャフトを
外すところの写真です。5番シリンダーライナーにクラック・ピストンが溶ける&割れるトラブルで、
シリンダーライナー打替え・ピストン・コンロッド・メタル・ピストンリングの交換メニューです。
車体ににエンジンが載っているとエンジン自体大きく思いますが、ヘッド・腰下まで外すと、かなりコンパクトに
見えますね。私の手が写真に写りこんでいるので、おおよその大きさが想像できるかと思いますが、V8エンジンに見えないですね(笑)
エンジン自体車体から外すのはものの数時間ですが、ヘッド腰下まで割って完全にバラバラにするまでが一番大変な作業ですね。
マーキング・ナンバリングなどをしながら外していかなければなりません。ほとんどのエンジン内部の部品はよく見ると、番号が打刻印などが
入っており、確実にその場所へ同じ部品を組まないと稼働しなかったりするため、集中しないと大変なミスにつながってしまいます。
こちらは外したヘッドカムシャフト・カムホルダー・カムケースなどそれぞれ組まれていた順番に保管しておきます。
金属同士の構成部品ですから、いわゆる「アタリ」・「なじみ」がついているので、違う場所に組んでしまうとバランスは
崩れます。規定トルクで組んでいくのも大事ですが、ダイヤルゲージ・シックネスゲージなどでクリアランスや振れなどを見ながら組むのが非常に
重要ですね。組む人によって差は必ず出ます。
たとえば2台とも同じ車で年式も同じ、走行距離も変わらない車があったとして、一方の車の方がエンジンの回り具合が良いという
車があったとします。メーカーの工場で同じ生産ラインで同じように組まれてはいますが、工業製品である以上、メーカーが定めている数値に必ず差が出ます。
この差のことを「公差」といい、同じエンジンでもよく回るエンジンはこの公差が少なく一般的によく言う「当たり」というやつですね。
OHの作業は部品交換も大事な作業ですが、この公差をいかになくしていき、ゼロバランスに近づけるかが重要かと思います。
バラバラにするたびに思いますが、本当に生き物のようにおもいます。
OHもやっておりますので、ご興味のある方は是非ご相談を。
PS 年内の営業は休まずやっております。みなさまお気軽にご来店くださいませ。