ブログから遠ざかってた2ヶ月。
この2ヶ月の間には色んな出来事があったりなかったりなわけで...
阪神の優勝はどっかへ消え、私のカリスマ、辰吉はもう一度リングへ。
自分の身の回りでも結構、色んなことが起きてました。
10月のある日、ウチのばあちゃんの90歳の誕生日。

一族20名の頂点。
私を含め6人の孫と7人のひ孫を持ち、
耳は遠いけど元気が自慢のウチのばぁちゃん。
私が母と2人暮らしの子供の頃、深夜まで仕事の母に代わって
私を育ててくれたのは祖母でした。
礼儀を大切にし、私が行儀の悪いことをすると、
体が持ち上がるくらい頬をつねり上げられたり、
勉強の嫌いな私の横で、宿題が終わるまで竹の物差しを持って座り、
雑な字を書くと、右手の甲をその物差しでピシピシ叩かれ、
恐怖で余計に字が乱れ、延々とその物差しでピシピシ叩かれ続ける...
なんてこともありました。
大人になり、そろそろオッサンにもなりつつある自分ですが、
偉い人にはなれないけども、そんなに悪いヤツにもならなかったのは
やっぱり祖母のおかげだと思ってます。
その祖母が誕生日当日の深夜に突然麻痺。
夕方、ウチの姫やジュニアと誕生日を祝っていた時には元気やったのに。
ろれつが回らず、左手足が動かず立てず。
すぐに救急車を呼ぶべきなのに、まず電話で家に呼びつけられたのは私。
ろれつの回らない話し方で私に言うのには、
「たぶん入院することになるから、準備と片付けをしときたい。手伝って。
全部用意できたら救急車呼んで。」
着替えに財布に数珠に保険証...十分に持ち物を確認し救急車で病院へ。
AM3:00 BB記念病院へ搬送され、診察の結果は脳梗塞。
早期に対処できたので、命に別状はないけれど、
何らかの後遺症は残るだろうと医師の話。
後遺症...90歳やもんな...
しかし、ウチのばぁちゃんは、そこらの普通の90歳とはワケが違うはず。
でも、後遺症で麻痺が残ったら、歩けなくなったら、認知症になったら、
もしかしたら、もう...
夜が明けて再び病院へ行くと、病室に運ばれてベッドに横たわっている祖母には
点滴、紙オムツがつけられ、一人では起き上がることも出来ない状態に。
病室は7人部屋。
認知症で被害妄想の強い人や動けずにじっと寝たきりの人、
辛さを常に訴え続ける人、人恋しいのか用もないのにナースコールばかり押す人。
一部屋に色んな状況のお婆さんが7人。
こんな中で治療回復できんのか...本当に適切なんやろか。
色々考えながらも、自分にできることは何もなく、
ただ毎日様子を見に通うだけ。
そして1週間が経ち、ある日の7人部屋。
ベッドにウチのばぁちゃんは...いない。
見ると、用もないのにナースコールばかり押す婆さんのベッドに
2人並んで座り、何か話し込んでる。
「ゲッ!?何してんねん!」
驚く私のほうへ、寝たきりのはずの祖母が普通に立ち上がって寄ってくる。
「この人、大変やねん。骨折で起き上がるのもしんどいんやて」
...イヤイヤ、あんたも寝たきりやったやん、脳梗塞やで。
何で立ってんの!歩けてるのん!
そして、この日から祖母はノートに毎日の出来事、目標、感謝と祈りを
書き始めた。
「書いとかんと。忘れたりボケたりしたらアカン」
まず入院した日からの出来事、食事や見舞いに来た人の名を7日分、
遡って思い出し、書き記す。
「アンタも試験あるんやったら勉強し。用ないのに毎日来んでええ。
来てくれるんやったら姫やジュニアのほうがよっぽどいい。」
医師の話では、ウチの祖母の場合、色々な要因がすべてよい方向に重なり、
奇跡的な回復を遂げているという。
しかし何よりも、大正生まれ、90歳代は気持ちが強い、あきらめない、らしい。
祖母が脳梗塞で病院へ運ばれて、今日で1ヶ月。
すでに7人部屋を出て、回復期リハビリ病棟へ移ったウチのばぁちゃんは
毎日リハビリに励み、4人部屋の年長者として皆を束ねている。
耳が遠くてほとんど聞こえないのに、暇さえあれば誰かと話している。
「心配いらんから、そんなに見舞いに来てもらわんでもいい」と言いながらも、
毎日、見舞いに来た人の名を記し、訪問者がゼロの日は日記に淋しさを綴ってる。
まぁ、そんな入院生活もあと1ヶ月足らずで終わり、家に帰る見通しがついたし、
ホンマによかったね。
久々のブログで、ドえらい長々と綴ってしまいましたが...
結局、何が言いたいかというと、
年齢なんか関係なく、気の持ちようで人は変わることができるし、
変わらずにいることもできるってことでしょうか。
脳梗塞を克服し、とても良い環境とは思えない7人部屋での状況から
這い上がり、2ヶ月足らずで抜け出そうとしているウチの祖母は90歳。
私にとっては、同じように脳梗塞から復活した長島茂雄氏や
イビチャ・オシム氏よりも強く大きい存在。
この先、150歳くらいまで元気だろうと私は思うし、本人も思っている。