POP LIFEwww.wb.commufa.jp/atl-pop

春日井市の絵画教室、あとりえPOPアートスクールの教室風景や内容を中心に、アートについて広く記事にします。

描くべき者の様

2012-12-26 12:23:15 | アート紹介

絵などこの世の中からなくなってしまったところで、痛くも痒くもないではないか。
と、日常の何気ない営みを、地球の僻地で繰り返す中で思います。

希望や光、絶望や闇などを、あえて言葉ではないもので伝える意味など、本当の希望や絶望の前ではカンバス一枚の値打ちもないのではないか。
と、真っ白なカンバスを前に思います。

増してや心象などを表に出してなんの得や意味があるのか…

それを言い出せばキリがありませんが、徒労であろうが、無意味であろうが、それに心血注ぐことに、生きる意味を見いだす人間は少なからずいて、その人間を画家と言います。

個の中の美意識、哲学を悩みもがきながらカンバスに表す。

その快楽に取り憑かれたら最後、生涯繰り返し、一枚描き上げるごとに、確実に死に近づくことを覚えていく。

しかし、終わりは道半ばに過ぎず、明日も描くためにカンバスを見つめながら、突然目の前の絵画が、地上の生活における最後の産物となるはずです。

今や、画家を突き動かすだけの時代背景は薄く、内に内に衝動を探し求めねばならないことを平和というならば、益々画家がやっていることは、この世の中で奇異に映るに違いありません。

必然的に今の時代は、意味を考えていては絵など描くことはできないのです。

ならば我々画家は、そこに意味を見いださず、自分に取り憑いた魔物の手足となって、ただ素直に描くだけで良い。

そして―
…………………………

などの文は、ものすごく表面的な言葉です。

このような薄っぺらい言葉にはなんの説得力もなく、例え正しかろうが、こんなことを宣う輩は「だからなんだ?」と一笑に付してやれば良いのです。


大切なことは、描くべき者、描くために生まれてきたような者がいて、その者は自然の成り行きで、そのように生きていくこと。

例えばある「そんな者」の成り行きの道中に私はいましたが、その開拓する様は危うくも強く迷わず進む。

その先に、燦然と輝く未来があろうがなかろうが、何かを信じて川があれば橋を架け、山があれば乗り越えてゆく。

それが描くべき者のやり方で、描くために生まれた者の生き方ではないかと思うのです。


正しいと思う。
君のやり方は。



鳥居純子展 「+mind」

2013.2.15FRI~2.24SUN
cafe&雑貨「GRASSE」
Close: TUE
Open :11:00-20:00
URL/http:/www.grasse-style.com

ここには画家としての迷わぬ証があります。

是非ご高覧賜りますよう。




※写真は案内ハガキ。
美しい仕上がりです。
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年越し展覧会

2012-12-25 19:09:01 | 教室のこと(一般絵画)



高蔵寺中日文化センター「オールラウンド絵画教室」の展覧会が始まります。

ユニー南館2階ギャラリースペースにて、明日から来年1月16日まで。
なのですが、本日搬入が終わりましたので、この時点から観覧は可能です。

決まったのは2週間前でした。


これは、空席になった店舗スペースを、ギャラリーにする話が割と急ピッチにまとまり、オープニング展覧会をやるグループとして、ゆとりなく我々に白羽の矢が立ったために行われるものです。

しかし、突然でも慌てないのがオールラウンドの良さ。


我がオールラウンド絵画教室が選ばれた理由は二つあります。

ひとつは、オールラウンドの生徒の松木さんのご尽力によるもの。

松木さんはユニーグループのOBで、現在も嘱託でこちらに勤めておられ、文化的事業に積極的に取り組まれています。
その松木さんが、我々を推して下さったことが大きな理由であり、もうひとつは、上述の通りなにがあっても慌てないパワフルオールラウンドのノリの良さと、作品ストックの充実、フットワークの軽さでしょう。

いわゆるオールラウンド絵画教室高蔵寺の資質。

オールラウンドイズム。

極端に言えば、皆さん「明日からやりましょうか?」と言えば、作品を手直しし、額装して翌日搬入に集ってくださることでしょう。

でもそれは私がキツい(笑)


昨日、依頼された額縁の選定と納入が終わり、本日搬入の運びとなりました。

皆様の顔と絵を思い浮かべながらのチョイスは、とても楽しいものです。

本日午後からの展示で初御披露目したのですが、大変喜んでもらえました。

などと言いながらも、時間的にも納得してもらうしかなかったのですが(^_^;)


5月に行った「本の王国コミュニティー広場」での展覧会から7ヵ月。

また違った個性と成長が見られます。

年越し展覧会ですが、来年のオールラウンドの皆様は、いったいどれだけのことを発見し、成長されるのでしょうか。

私は、今から楽しみでしかたありません。

どうぞPOPLIFEをご覧の皆様。
お近くにお寄りの際は、是非ともユニー南館2階ギャラリーまでお越しくださり、オールラウンド絵画展の熱を感じとってくださいませ。



※写真は今展覧会の案内状。
こちらも松木さんが急遽作ってくださりました。
急拵えとは思えない出来に、皆様大満足です。

個々の個性が強い教室ですが、本当に楽しい方ばかりです。
そして、それぞれの方に愛されて、教室が成り立っていることを実感しています。
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POPLIFE美術館 5

2012-12-24 20:37:07 | アート紹介




神出鬼没。
ある日気が向いた時に開館されるPOPLIFE美術館へようこそ。

館長のナカムラミオです。

本日はクリスマス・イヴ。

ちょっと趣向を変えて…

「ナカムラミオが一度は生で観てみたい絵画:イエス降誕展」

を開催致します。


クリスマスが、イエス・キリストの本当の誕生日であろうがなかろうが、そんなことは聖書研究者に任せておけばいいんです。

クリスマスはクリスマス。
今日はイヴで、明日はクリスマス。

世界中で祝福し、祈り願う日。

街は大騒ぎでしょうか?

騒ぎに疲れた皆様が、そっと立ち寄ってくださったら嬉しいです。

POPLIFE美術館は、今日は静かに佇みます。

本日はイエス降誕にまつわる名画をお楽しみください。


★ジョット
「ベツレヘムの星」
この後、どれほど写実が優れようと、ジョットがいなければ、絵画の形は変わっていました。スクロヴェニ礼拝堂はすべてジョットのフレスコで出来ているのですが、死ぬまでに行ってみたい場所です。

★ルーベンス
「東方三博士の礼拝」
このタイトルの絵画は沢山存在しますが、最も美しく描かれたものが、これではないでしょうか。
東方とは現在のイラクあたりを指します。

★レンブラント
「羊飼いの礼拝」
嬰児を礼拝するのが、羊飼いであるか東方三博士であるかは、どの福音書を模写したかで違います。東方三博士はマタイ、羊飼いはルカの福音書に因ります。

★フラ・アンジェリコ
「キリストの降誕」
ルネサンス史に燦然と輝く巨匠です。
有無を言わさぬ優雅さは、一度前に佇んでみたい代表です。

★ベラスケス
「東方三博士の礼拝」
ベラスケスは、お茶目な画家でした。ここに描かれた博士の一人は自画像です。
因みに今回同タイトルで、ルーベンスの作品も展示しましたが、これだけ違うのです。絵は面白いですね。


さて。
本日はこの5点を。

皆様。お気に入りの作品はあったでしょうか。


よい一日を。

merry・Christmas
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2913

2012-12-23 14:35:28 | 日記
昨日は、現在参加&会期中のイベントのメインとなるコンサート「マイ・クリスマス・キャロル」を観に行ってきました。

このイベントが、プロデューサーの意欲的挑戦である事は、以前POPLIFEでもご紹介しましたが、チケット販売と、極簡単な協賛のみが運営資金となる手作りイベント&コンサートは、内容、質ともに充実したものとなりました。

それについては、イベント終了後にご報告…

何だか昨日から「後日」やら「終了後」やら、後回し後回し。
「嫌なのか?」と誤解されてもおかしくない展開をしていますが、決してそうではなく、展示期間が終わってから、きちんとご報告したいと思うまでの話ですから、ご期待の方がおられましたら、申し訳ありませんがしばらくお待ちください。


タイトルの数字
「2913」

これを、今年を締めくくる数字にしました。

思考、勇気、英知、閃き、決断、運、勘、欲、夢、そして今年を表す漢字に選ばれ、金魚主さんもにんまりの「金」

この「人生にもっとも必要なものトップ10」とも言える要素を一塊にした数字がこれです。


アートスクールを営み、こどもを教える人間は、品行方正でなければならない。

アーティストは俗世間に捕らわれてはいけない。

などと言われてしまえば、おっしゃる通りです。


しかし、私の「負であり不」の時代を知る昔の生徒に「初めて出会ったダメな大人」にめでたく選出されたことがある私。

家庭の事情もあって大学を辞めた後、この仕事を始めながらも食うに困り、返済に追われながら真夜中、明け方まで働いて働いて家族を支え、人に言えないことも沢山してきた私。

そんな20代があったからこそ今があります。

45才。
「酔いつぶれて処構わず寝る」以外は至って真面目な私。


いいじゃないですか。


一年に一度くらい有馬記念を買っても。
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黒い人

2012-12-22 12:31:05 | 日記
本日、POPLIFEでもお知らせし続けていますクリスマスイベントの、メインコンサートが行われます。
それにつきましては特に書くことはなく…いや、あるとすれば心優しきレインマン、中村レイ主水。
雨を午前中にしてやったことくらいですか。

このコンサートにつきましては、後日報告させていただくとして、本日は全く繋がりのない話をしようと思います。

察しの通りネタがない…
正確には、あるにはあるのですが、まとまりきらないためのその場しのぎで。



「黒い人」について話しましょう。

黒い人だった、と過去形にすべきか悩むところですが。


私が「黒い人」と呼んでいる方は、黒人ではなく、純然たるモンゴリックレディ。

年の頃は50代後半の肥った小さな女性です。

黒い人と言うには余りに白塗りが過ぎるのですが、それが逆に黒をこれでもかと引き立てます。

腰まで来る美しい黒髪は、オン・ザ・眉毛でパッツリ切られ、顔を半分隠す黒いサングラス。
もちろん首から下は黒以外の色要素は見当たらない出で立ちで、季節に関わらず露出は顔のみ。
それも上記の通りサングラスで半分隠されている―。


この黒い人。
必ず決まった時間にすれ違います。

ほとんど黒ずくめにも関わらず、モンゴリックと言い切れるこの方を、一度だけ尾行をしたのですがこのご人。

バスに乗りました。
勝川駅行き。

勝川駅方面に、黒い人の某かのアジトがあり、そこに決まった時間に向かう。


黒い人はよちよちといった感じで、歩幅小さく左右に体をふりながら歩くのですが、その姿はかわいくないペンギンのようです。

このペンギン、もとい黒い人。
何度挨拶をしても、会釈もなくスルーします。

またそれがいい。
似合うんです無礼な感じが。

私はめげずに今でも挨拶を続け、その甘美なまでの無礼感に浸るのを、密かな楽しみにしています。


そんな黒い人と私の間に、ある事件がおこったのは今月初めでしたか。

相変わらずの無礼な間が過ぎ去って5秒後、後頭部が「ドサッ」という音を捕らえたので振り向くと、黒い人が前のめりに転んでいたのです。
よくある尻を突き出すストレッチのような態勢で。

そうならないためにペンギンスタイルで歩いていたんじゃないんですか?

すれ違い様のファッションチェックでは、腰丈のファーブルゾンにナイロンのピチピチパンツ。



「だいじょう…」
その後に続くはずの「ぶですか」を私は飲み込みました。

ピチピチナイロンパンツは、股の縫い目から腰までパックリ裂け、ビーチボールの一面のような形に下着が見えていたのです。


私に「ぶですか」を飲み込ませた下着の色は赤。
真っ赤っか。
炎のような赤。

私はそのままビーチボールを蹴り上げ…るわけありません。


黒い人はゆっくり立ち上がり、何事もなかったように歩きはじめ、恩讐の彼方に消えゆきました。

よちよちゆっくりした足取りで。

黙って私は、いつまでもぱかぱかとなびく尻を見送るしかありませんでした…。

たったこれだけの事件です。

あれから3週間ほど経ちますが、二人は何も変わりありません。


もし変わったことがあるとすれば、私の中であれから「赤い人」に呼び名が変わったくらいでしょうか。



いったいあの人は何者なんだろう…



※写真は…
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