はいは~い。(^^)/ 文法バカの私がきましたよー。(自分で言ってて悲しくなってきた;;)
北海道札幌市にお住まいのRYUKIさんから質問が来ています。(いいのかこの流れ^^;)
(本人のコメントより)
JRのドアにある表記:"The door opens at a touch."
そこで、この英文を見ていた女子高校生2人。
女子生徒1「ねぇねぇ、どうして『at』なんだろ?『by』じゃダメなのかな?」
女子生徒2「なんで、そう思うの?」
女子生徒1「atは訳すと『~で』って意味だし、ふつ~後ろに場所や地名がくるじゃん。それより、『~によって』と訳せるbyの方がしっくりくるから♪」
女子生徒2「っていうか、どっちでも通じなくない?」←私は、この日本語に疑問(笑)
質問:「atの場合とbyの場合では、どう和訳に違いがでるのですか?そもそも、byの使用は間違いなんでしょうか?」
うーむ(´・ω・`) 質問がありすぎ状態(むしろ良いこと)ですねぇ。じっくり説明いたします。
①この場合の"at"はどういう意味で使われてるの?
女子高生1:「atは訳すと『~で』って意味だし…」のように考えているようでは、答えは見えてきませんねぇ。(^^;多分彼女は(「どーせ中学レベルの単語だから」という理由で)"at"を一度も辞書で引いたことがないのでしょうねぇ。(実際は不明)
Oxford英英辞書でそれっぽい用法を探してみましたが、(電子辞書パワー炸裂w)
「13 (formal)in response to sth」
和訳:(格式) ~に対応して
が一番近そうです。「格式」というところも、JRのドアらしくてピッタリだと思います。
つまり、「ドア自身が『あ、触られてる~』と感知したら、それに対応して開きますよ」ということです。
ただ、付け加えておきますが、 辞書でそれっぽい用法を探すときは「ストライクゾーン」は広めに構えておくべきです。「これだ!!」と思えるものがどれなのかは、実は個人差があります。「答えが1つしかない」というわけではありません。「これもアリかも?」くらいがちょうど良いです。
※この続きは長くなりそうなので、この辺でストップしておきます。(^^;ああ、止まらない(笑)
②っていうか"by"はダメなの?もし"by"が使えるなら、和訳に違いは出てくるの?
まず、"by"が使用可能かについて。OKです。使用可能。(じゃなかったら中学校の先生は詐欺師^^;)
で、和訳の違いですが、はっきり言います。とりあえず、「和訳は考えません」(後まわし)
女子高生の話に戻しますが…
女子生徒1「atは訳すと『~で』って意味だし、(ry
かなり(よくない意味で)気になります。(´・ω・`)ショボーン
そもそも、「意味」と「訳(やく)」は別物です。女子高生の言い方だと、訳(わけ)がワカリマセン。
「意味」があるから、(それを基準として)「やく」が存在するのであって、その逆は通常ありえません。
おっと話がズレてしまった?(^^;
A:The door opens at a touch.
B:The door opens by a touch.
重要なのは、「"a touch"がどういう類の(意味の)ものなのか」を前置詞を通じて説明しているということです。
例)「手段」「理由」「場所」「方向」「目的」などなど
先ほど①で自分は、「ストライクゾーンは広めに」と述べました。実はこれが生きてきます。
①での自分の説明を鵜呑みにした人は非常に危険です。「他にもないのか?」くらいに留めて置いてください。
たとえば、
"at"を「原因」と解釈すれば、「触られたことが原因で、その結果としてドアが開くよ」と(苦しいけど^^;)訳して良いわけだし、
「時」:「触られたときにドアが開くよ」
cf.) I got up at noon.
「条件」:「触られたら、(それが条件で)ドアが開くよ」
cf.) Could you find the others at a low price?
「起点」:「触られたら、(それを起点として)ドアが開くよ」
Cf.) I got information at its sourse.
なんつーか、なんでもアリではありませんが、かなりイケます。
ただ、いちいち「ソレヲ起点トシテ」なんて言いませんよね?そんなことを考えていくと、いわゆる自然な言い回しにたどり着くのです。
"by"の場合も考えてみましょう。
「手段・媒介」:「触ることによって、ドアが開くよ」
cf.) He went to school by bus.
「経由」:「触られることを経由して、ドアが開くよ」
cf.) We drove by the highway.
「準拠」:「触られたら、それにしたがってドアが開くよ」
cf.) They work by the rules.
皆さんなら、どのように区別して訳し分けますか?
長くなったので、まとめ。読むのだるい人はここからどうぞ。(ぇ
Points
・「意味」と「訳」は別物。「意味」があるから「訳」が存在する。
・前置詞だけではないが、「どっちもアリ」ということはよくあること。「ストライクゾーン」は広めにとれ。
・前置詞はその訳ではなく、その「役割」が大切。例)「手段」「理由」など
・っていうか、訳すのなんて後でいいよ(態度デカイ)要は、「何を言わんとしているのか」が重要。
( つд`)ネムー言いながら書いてました。そして自分は未熟者なので「納得いかねぇ」というのがあったら何なりとおっしゃってください。
参考文献
(1999)「リーダーズ英和辞書 第2版」研究社
(2001)「ジーニアス英和大辞典」大修館書店
(2000)「OXFORD 現代英英辞典 第6版」Oxford University Press
田中茂範(1993)「わかる・覚える・使える 英単語ネットワーク 前置詞・編」アルク
読みにくい(^^;