先日、二酸化塩素(ClO2)を原料にした滅菌剤と防臭剤を販売している会社の
社長とお会いしてきました。
私も二酸化塩素というという塩素化合物はあまり聞きなれなかったので、
話を伺うと非常に優れたもののようです。
もともとこの無機化合物は、常温・常圧では塩素やオゾンのような刺激臭があり
光や熱に対しては不安定な無機化合物で、用途としては、殺菌作用があることが
確認されておりました。
この不安定な物質を安定化させる技術が求められていましたが、アメリカで二酸化塩素を
純粋に溶解させ炭酸ナトリウムで安定させる方法が確立され、
「ANTHIUM DEOXICIDE」という商品名で米国においてかなり売れているそうです。
この商品は、安定二酸化塩素(Stabilized Chroline Deoxide)とも呼ばれ、二酸化塩素
の弱いところである安定化と安全性を獲得した商品です。
昨年は、新型インフルエンザ対策に対する有効性が確認されており滅菌の必要な
医療機関向けを中心に実績が増えているそうです。
また、正露丸で有名な大幸薬品がこの二酸化塩素を原料にした「クレベリン」と
いう商品を昨年発売し、結構売れているようです。http://www.seirogan.co.jp/dl_news/file0046.pdf
日本において、浄水(水道水など)の処理には、主に塩素や、次亜塩素酸ナトリウムが
使用されています。しかし、有機物の多い水の場合、有機物を塩素化することによって
発癌性物質であるトリハロメタンを生成してしまいます。一方、二酸化塩素は、
浄水(水道水など)の処理用として使用が認められており、発癌性物質トリハロメタンを
生成しにくいという特徴を持っておることから非常に注目されております。
化学物質というと、私たち素人は、尻込みしてしまいますが、この夢のような物質に注目してみたいと
思います。