民事裁判修習が始まって一ヶ月近くたちました。
僕の配属部の裁判官・書記官の方々もいい人が多く,雰囲気も明るいので,楽しく修習をしています。
裁判修習では,弁護修習の時よりもたくさんの弁護士を見ます。
これが結構勉強になっています。
弁護修習では,その弁護士の立場からものを見るのに対し,裁判修習では,一歩引いた立場から見ることができます。
また,一日に何件も事件が入っているので,実にたくさんの弁護士を見ます。
それゆえ,いろいろな弁護士を比較しながら見れるので,弁護士のいいところ・悪いところがよく見えます。
特に悪いところはよく見えるので,自分が弁護士になったときには気をつけよう,と肝に銘じつつ傍聴しています。
もっとも,裁判所では,裁判に現れた弁護士の一面しか見ないので,それだけで判断するのは危険です。裁判所に出てくる主張は一部分であるし,弁護士にとって裁判は紛争解決のひとつの道具に過ぎず,裁判だけがすべてというわけではないからです。
また,国民の税金を投入して最高の設備とスタッフのもと仕事をしている裁判官や検察官と,まったくの自力で仕事をしている弁護士とはぜんぜん立場が違うので,単純に比較はできません。
その点,僕は弁護修習からスタートしたので,裁判所の立場からの見方のみに影響されることなく,ちょうどいいバランスのもと裁判修習を過ごせているのではないか,と思っています。
ただ,今実際に弁護士をしている人たちも,ダメな弁護士を含めてみんな,元修習生であったわけで,かつて今の僕と同じように修習を過ごしていたはずであり,そのことを考えると,弁護士を客観的に見るというこの貴重な機会を大切にしていきたいと思っています