あろてあろあ日記

単なる日記です。特にテーマもありません。
目的地を定めない旅行もいいものです。

準備

2006-09-06 | Weblog



日中の暑さは相変わらずですが,夜はだいぶ涼しくなってきましたね。
あともう少しの辛抱でしょうか。


最近いくつか証人尋問に立ち会いました。

証人尋問とは,裁判における自己の主張が正しいことを証明する方法のひとつです。
書面など物的な証拠では勝負がつかない場合に,結構重要になります。


証人尋問に際しては準備が重要です。


自分の側が申請した証人に尋問することを主尋問といいますが,主尋問は,自分の側の証人なので,事前に証人を呼び,尋問事項を確認したうえ,あらかじめテストをすることが可能です。


一方,相手方が申請する証人に対して尋問することを反対尋問といいますが,反対尋問は,相手側の証人なので,あらかじめ打ち合わせすることはできず,尋問当日まで証人が何をしゃべるのかわかりません。

もっともわからないからといって,当日主尋問を聞いてその場で考えて反対尋問をしていたのでは効果的な反対尋問はできません。
事前に,相手方が当該証人によって,どんな事実を立証使用しようとしてくるのかを予想し,それを崩すにはどういう反対尋問をすると効果的かを具体的に検討する必要があります。

事前に準備をしていないと,相手方の主尋問を理解するのに精一杯になってしまい,臨機応変な反対尋問ができません。抽象的な質問に終始したり,質問があちこちに飛んだりしてしまいます。

事前に準備をしていれば,どこを突っ込むべきかを考えながら相手方の主尋問を聞くことができるので,臨機応変な反対尋問をすることができます。
臨機応変な反対尋問ができていると,反対尋問と証人の証言がリンクするので,聞いている人はそのやり取りに引き込まれることになります。
引き込まれるということは,こちらの主張が正しいのではないかと思うようになり,結果として裁判に勝つ,ということになる可能性があがっていきます。

また,事前によく準備をしている弁護士,検察官,裁判官はしゃべっていることに説得力があります。
これから,裁判員制度ができ,一般の人が裁判に参加してくるようになると,なおさらそういう力が重要になるでしょう。


ただ,事前に準備をしない人は,わざと準備をしないわけではなく,忙しかったりして,準備をするゆとりがないのかもしれません。準備の時間をうまく作り出し,また効率的に準備することも,重要な能力なのでしょう。



サッカーや野球などのスポーツにおいても,強いチーム,いい選手は事前の準備をしっかりやっているようです。


努力で埋めようとしても埋められない,生まれ持ったセンスというものがあるのならば,それはそれで仕方がないとしても,ある程度のレベルなら事前の準備をしっかりやって臨めば,それなりの結果がついてくる感じがします。


そこらへんを十分肝に銘じつつ,地味にこつこつやっていきたいと思う今日この頃です