あろてあろあ日記

単なる日記です。特にテーマもありません。
目的地を定めない旅行もいいものです。

せっけん

2006-07-05 | Weblog
接見に行ってきました。石鹸ではありません。



接見というのは,犯罪の容疑者が警察に逮捕・勾留されたり,検察官に起訴されたたりしたときに,弁護士・親族などが面会に行き,話をしたりするものです。テレビでよく見るアクリル板みたいなものを介して話をする,アレです。

弁護士に同行していくわけですが,拘置所にも,初めて入りました(初めてでなければ困りますが)。


拘置所の門の近くの受付で手続きを済ませると,門のところで番号札をもらい,弁護士待機室に入ります。しばらく待つと,名前を呼ばれ,ずらっと並んだ接見室の一つに入ります。そうすると,既に容疑者(被疑者・被告人)がアクリル板を介して向こう側に座っています。

拘置所にもよるのでしょうか,接見室内は暗く,容疑者もちゃんとした格好をしていないので,雰囲気はテレビで見ていたのとあまり変わりません。違うのは,接見室内に警備員みたいな立会人がいないことくらいです。弁護士との接見では,立会人をつけることはできません。まあ,この辺はもう一般に知れ渡っているでしょうが。


弁護士は,淡々と話を進めていきます。
起訴されている場合,検察官が裁判で提出する予定の記録を読んで事件の内容を頭に入れていくので,ある程度話をすることができるでしょうが,起訴前の捜査段階では,事前に記録を読めず,短い時間にゼロから聞いていくので,大変です。


ほとんどが犯罪事実を認めている自白事件なので,容疑者の関心は,もっぱら実刑になるのか,何年ぐらいの刑になるのか,という点です。
もっとも,当然の話ですが,実刑になるのか何年の刑になるのかは裁判が終わるまでわからないので,適当な話はできません。


弁護士は別にすべてのことを知っているわけではなく,当然わからないこともあります。

そのときに,わかったふりをして適当なことを言ってしまうと,後でいろんな面で問題となります。

もっとも,素直にわからないと言って,おしまいにしてしまうと,依頼者にこの弁護士は頼りないと思われてしまうおそれがあります。

どっちがいいのかというと,わからないことをわかったと言うよりも,わからないことは素直にわからないと言ったほうがよいのですが,断定的な発言を避けつつも,依頼者がどう対処したらよいか,ある程度の方向性を示せるようにすると,よいのかもしれません。


難しいんでしょうけど,あと一年ちょっとしたら自分ひとりでやらなければならないと思うと,やばいっすね