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亀鳴く

2015-04-05 17:22:14 | 日記
亀鳴く
 亀鳴くや男は無口なるべしと   田中裕明
 亀鳴くや弱いものには粛々と     拙

 ざる法で自分を擁護し、弱いものへは粛々として事を進め・・・。話し合いより武力をという政治姿勢に 将来の国の行き先が思いやられる。

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2 コメント

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亀鳴く (願船)
2015-04-06 07:17:16
   亀鳴くや男は無口なるべしと  田中裕明

 田中裕明の句集はときどき読んでいる。亀鳴くやの句は第一句集山信(私家版昭和54年)に収められており裕明二十歳のときの作となっている。その頃亀鳴くという幻想的で使い難そうな季語を用いて句を作っていることは彼の詩的成長の早さを示しているように感じる。「男は無口なるべしと」と詠っているが、温顔寡黙であったらしい彼自身のことのような気がする。亀鳴くと無口は感覚的につながっているように思う。

   亀鳴くや弱いものには粛々と  阿部

 表現形式は裕明の句と共通点がある。「男は無口なるべしと」に対して「弱いものには粛々と」。裕明句では
自分のこと、或いは自分をふくめて男というものは、というように考えられるが、阿部句が用いた「粛々と」の措辞には本来の静かで引き締まったという意味を超えて権力が反対勢力の意見を無視して或る計画を推進する政治的意図を感じさせるものがある。「弱いものには粛々と」となると、普天間飛行場の辺野古移設についての政府のやり方がすぐ浮んでくるのである。
阿部俳句がもつ時事性・社会性を今日の一句においても強く感じました。意味するところは異なっているが、裕明句の「無口」、阿部句の「弱いもの」に皮肉な感覚の触れあいのあることが面白いと思いました。今日は「亀鳴く」の句を二つ並べて読ませていただき有難うございます。願船
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有難うございました (阿部)
2015-04-06 09:38:04
願船さん 嬉しいコメントを有難うございます。
やっと政府と沖縄の対話がじつげんしましたね。これを契機として納得のいく結果に到達することを期待しています。 天才の句と比較されてのご鑑賞に感謝いたします。
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