戯言

萌えやら呟きやらたまに更新記録も混じる無駄口日記
現在ジャンルが雑穀米

聖なる夜に

2009年12月24日 | お侍
「どうしましたキュウゾウ殿? 誰かお探しで?」
「斥候が、潜入している」
「斥候? 本当ですか? 戦も終わったのに?」
「おかしな人間を、見た」
「はっはっはっ、お主以上におかしな人間が居るとはの」
「カンベエ様も他人のこと言えませんがね」
「先生、野伏せり残党が密かに此方の動向を探っているのでは」
「で、どんな奴でした?」
「筒状の狭いところから、出入りしていた」
「何でぇそりゃ?」
「ほほぅ、筒状とな」
「どんな筒です?」
「石造りの、細長い」
「で、直径が人が通れるくらいと?」
「そうだ」
「もしやそれって、縦長ではありませんでしたか?」
「そうだ」
「農民の家にある?」
「そうだ」
「出入りしていたのはどんな人でした?」
「髪の、長い」
「石造りの構造物から出入りする長髪の人間とは。これは興味深い」
「……ちょい待ち。今日は何月何日でした?」
「何でぇ何でぇ、モモタロウはもう耄碌しちまったってか? 今日は12月の24日に決まってんじゃねェか」
「シチロージ殿! もしやこれは噂に名高いサンタクロースというものではありませんか!」
「お主見たのか! サンタクロースを!」
「真に居たとはの」
「私が聞いたところによると、穢れなき子供の目にしか見えぬそうで。お米の神様以上にレアだとか」
「さすがはキュウゾウ殿! 純真な心をお持ちということですね。やはり貴方は素晴らしい人です!」
「此奴の目ン玉がガキンチョ並みって事じゃねェのか」
「穢れがないのか天然なのか、さて」
「如何したキュウゾウ、あらぬ方向など見…」
「「「……ヒィィイイ!!」」」
「こっ…これは!」
「出たっ…! 出たーっ!!」
「死ぬんですか! 私たち死んじゃうんですか!」
「いやぁぁあああ!!」
「これがサンタクロースか。名だけはヒョーゴから聞いたことがあったが」
「キュキュキュキュウゾウ殿、逃げてー!」
「井戸ばかりか、テレビの画面からも出入りするのだな」


 それサンタちゃうから。貞子だから。
 どちらにしろ不法侵入者には変わりありません。
「此れ、斬って良いのか」

 どなた様もメリークリスマス。


 拍手のお侍様有難うございました。キュウなら案外貞子とも打ち解けられるような気がします。言葉なんか要らない。大事なのはソウルだよ。


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