アプリコット プリンセス

チューリップ城には
とてもチャーミングなアプリコット姫がおりました

赤穂事件 紀州徳川のお目付け

2023-04-01 12:32:38 | 漫画


岡部 長泰 (和泉国岸和田藩3代藩主)
「柳沢吉里殿の正室に
頼子姫をお願いしたい」

酒井 忠挙 (酒井忠清の長男)
「それは・・・?」
「んんんゥ・・・?」
「如何いう事情で御座いますか?」

岡部 長泰
「其方の娘を吉里殿に嫁がせたいと申しておるのです」
「何卒、宜しくお願い申し上げる」

酒井 忠挙
「んんゥ」
「長泰殿も事情を承知しておろうが
儂は、故父の忠清の長子でありますが故に
将軍様には疎まれております」
「とても、とても」
「どの娘にせよ
吉里様の下に嫁がせる事など無理で御座います」

岡部 長泰
「吉里様の正室を決めておく必要が出来たのじゃ」
「何卒、お願い申し上げる」

酒井 忠挙
「大老格(柳沢吉保)は何と申されておられる」

岡部 長泰
「当然、この縁談に前向きじゃぞ」
「本来であれば
大老格直々に頼みに来るところ
某は、事前に
其方の了承を確かめに参った」

酒井 忠挙
「如何いう事か
儂にはさっぱり分からぬ?」
「吉里様は将軍様の跡取りでは御座らぬか?」

岡部 長泰
「跡取りは、吉里様ではない」
「嗣子様は、徳川綱教 様 じゃ」

酒井 忠挙
「しかし、まだ養子に入った訳ではない」
「吉里様は上様の御落胤では・・」

岡部 長泰
「変な事を申すな・・」
「吉里様は大老格の御子じゃぞ」
「今、柳沢家との縁組があれば
其方の家も安泰で御座ろう」
「もう、そろそろ幕府の役目に復帰しては如何じゃ?」

酒井 忠挙
「しかし、上様がお認めには為らぬと・・・」

岡部 長泰
「いやいや」
「上様もお悦びじゃ」
「柳沢吉里殿と頼子姫との縁組を快く許しておられる」

酒井 忠挙
「何故じゃ?」

岡部 長泰
「不信に思うのかな?」

酒井 忠挙
「大留守居については、
家格の高い酒井氏に与えた閑職で御座った」
「儂は、病気を理由にして辞職したのじゃぞ」

岡部 長泰
「それは誤解じゃ」
「上様は、酒井家を潰したいとは思っておらぬ」
「上様は、酒井家復興を望まれた」

酒井 忠挙
「故父の墓はあばかれ
故父に与した者は全て失脚した」
「儂も、失職したのじゃぞ」

岡部 長泰
「実は、吉里様の縁談は全て断られておる」
「諸国大名は、上様の御落胤を信じて恐れておるのじゃ」

酒井 忠挙
「それならば、儂は尚更じゃぞ」
「上様は、儂を疎んでおられる」
「儂は、上様に嫌われておるのじゃぞ!」
「それを、承知で申しておるのか?」

岡部 長泰
「疎むのであれば
縁談を赦したりはしない」
「この縁談話は、良き気転ではあるまいか」
「むしろ、断ったりすれば
それこそ、疎まれますぞ!」

酒井 忠挙
「確かに・・・」
「儂に、選択の余地はない」

岡部 長泰
「左様か、では了承で宜しいのじゃな」

酒井 忠挙
「快く、有難く、お願い申し上げる」

岡部 長泰
「喜ばしき事じゃ」
「吉里様もお悦びじゃ」

酒井 忠挙
「ところで、岸和田藩は全盛期であると聞きます」
「何故、左様に豊かなので御座る」
「我が藩は、
元禄12年(1699年)に暴風雨に見舞われ
国替えを願い出ているが叶わず
財政は逼迫、既に破綻しておる」

岡部 長泰
「我らは、紀州徳川家のお目付けじゃ」
「祖父の代から、幕府からの高い信頼を得ている故に
富を得ている」
「これからは、酒井家も同様に豊かになればよい」

酒井 忠挙
「この縁談が気転となれば良いな・・・」

岡部 長泰
「左様に御座る」

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