アプリコット プリンセス

チューリップ城には
とてもチャーミングなアプリコット姫がおりました

赤穂事件 大悪党の使命

2023-02-09 15:07:07 | 漫画

        赤穂事件 大悪党の使命



伊藤 東涯 (儒学者 伊藤仁斎の長男)
「よく ご無事で参りました」
「隠れ家は用意しております故
御緩とお過ごし下さい」

大野群右衛門(大野知房の子)
「感謝申し上げる」
「ゆっくりとはいかぬが
暫し隠れて過ごしたい」


大野九郎兵衛(大野知房)
「儂はもう疲れた」
「ゆっくりさせておくれ」

伊藤 東涯
「九郎兵衛様に於かれましては
父(仁斎)も世話になっております」
「遠慮為さらずお過ごし下さいませ」

大野群右衛門
「大石は幕府に盾突き
藩士揃って切腹すると申したが
嘘であった」
「我らは、不忠者として
成敗されるところで御座った」

大野九郎兵衛
「大石は
幕府に逆らい
謀反を企んでおるのじゃ」
「あの者共、隠しておるが
仇は幕府」

伊藤 東涯
「おおォ」
「それは、真か?」

大野群右衛門
「赤穂藩士で幕府に付く者共は
不忠者と呼ばれ
資産を奪われて追放された」

大野九郎兵衛
「まッ」
「我らは、分配金を奪って逃げたから
資金の問題はない」
「金の事は心配はいらんぞ」

伊藤 東涯
「大石は討幕するつもりなのか?」

大野群右衛門
「いやいや」
「もう無理じゃ」
「籠城して戦えば、抵抗の出来るが
城は明け渡された」

大野九郎兵衛
「あの者共も又
我らのように浪人となる」

伊藤 東涯
「赤穂の仇討ちがあると
評判に為っておりますぞ」

大野群右衛門
「籠城が為らぬので
吉良を討たねば面目が立たぬのであろう」

大野九郎兵衛
「吉良を討てば
赤穂が救われるとでも
思っておるのかのォ」

伊藤 東涯
「いやいや」
「幕府の中に
吉良を討たせたいと思っておる者共がいるようじゃ」

大野群右衛門
「吉良を討てば
幕府から咎めを受ける」
「幕府からは、
仇討ちの許可は出ておらんのにな」

大野九郎兵衛
「大石は、周りに踊らされて
引っ込みが付かなくなっておる」
「仇討ちを誓う赤穂浪士は
いずれ罪に問われて切腹じゃ」

伊藤 東涯
「父が情をもって
忠義と為すと申されております」
「父(仁斎)は、京の都では名が通る儒学者
江戸に参れば
必ず役に立つ筈で御座る」
「ただ」
「父は、もう歳 故」
「某が江戸に赴こうと思っております」

大野群右衛門
「おおォ」
「東涯殿が力添え下さるか」
「心強い」

大野九郎兵衛
「んんゥ」
「では」
「儂は、此処で静養したら
米子に参ろう」
「上杉の動向を見張っておる」

伊藤 東涯
「それが宜しい」
「某が先に赴いて
旅籠屋を建てておきます故
其処に御隠れ下され」

大野群右衛門
「かたじけない」

大野九郎兵衛
「んんゥ」
「しかし、歳には勝てん」
「疲れた」

伊藤 東涯
「これから、難儀ですぞ」

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