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中性子星の謎 ⑷

2023-12-07 11:06:24 | 理論物理学 素粒子


 1970年代にはパルサーとマグネターは完全に別種の天体として扱われてきたが、これらは一つの天体の異なる状態であると考えられている。

 中性子星は、パルサーとマグネターの側面を持っており、パルサーとしては グリッチと呼ばれているパルス周期の変動が観測されている。

 通常の中性子星は球体であると考えられているので、グリッチを起こすためには、中性子星の内部で、コアとクラストの結び付きが強まることでグリッチが起きパルス周期が早まると考えられている。

 中性子星に取り込まれた物質は、プラズマ粒子として、白の矢印のように中性子星の極から内部に向かって渦を巻きながら流れ込んでいく。(👆写真参照)

 👆の中性子星の形は球形ではないので、通常の理論とは異なるシステムでグリッチを起こす事が可能になっている。

 白の矢印はプラズマ粒子が中性子星の磁場によって引き込まれている方向を示しており、中性子星の極が極端に凹んでアリ地獄のような形状になっていれば、流れ込んだプラズマ粒子は中性子星の中心部に達する事になる。

 通常であれば、中心部に達したプラズマ粒子は中性子星のコアに吸収されてしまうので外部に放出されることはない。

 しかし、天文観測では、中性子星はブラックホールと同様に、ジェットを噴射する事ができる。

 即ち、ジェットの存在は、中心部に取り込まれた物質が反転して逆方向(黒の矢印)に噴射されている事を意味している。

 このような現象は、天文観測による実ブラックホールに見られる。

 また、中性子星がアリ地獄構造をもっていれば、グリッチの説明が容易になる。アリ地獄構造が広がった状態で安定していた中性子星の、あり地獄構造が狭まった場合には、回転が急激に早まることになり、簡単にグリッチが起こるのだ。


天文学辞典 > 高エネルギー現象 > グリッチ
中性子星は自転しているためにパルス状の電磁波が観測されるが(パルサーの項目を参照)、そのパルス周期が瞬時に短くなり、その後ゆっくり以前の周期に近づいていく現象。

中性子星は内部のコアと外部のクラストで構成される (中性子星の項目を参照)。コアとクラストの結びつきが弱いことから、コアとクラストの回転の間にズレが生じており、コアの角速度がわずかに大きい。ただし、両者の回転速度の差が臨界値より大きくなると、コアがもつ角運動量がクラストに突然輸送されて両者の回転速度が等しくなる。これがグリッチの原因と考えられる。パルス周期の変化や緩和時間は、超流動物質の質量や超流動物質と通常物質との相互作用の性質を反映する(超流動コアの項目も参照)。なお、マグネターなどの強磁場を持つ天体では、磁場の圧力によるクラストの破壊もグリッチの原因として議論されている。

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