ゆっくりと世界が沈む水辺で

きしの字間漫遊記。読んでも読んでも、まだ読みたい。

金木犀の香る道。

2006-09-23 | 本にまつわる日々のあれこれ
 
ワタクシ、基本的に真夜中の道を歩くのが好きです。
色違いになっている歩道のブロックの同じ色だけを辿って歩くとか、横断歩道で白いところだけを歩くとか、そういうことは昼間できることではないので。
夜でも十分奇行かもしれません。
少なくとも素面ですることではないかもしれませんね。
私は素面でもやってしまいますが。

夜ならばできることの筆頭は道路のど真ん中を歩くこと。
車通りの多いところはさすがにムリですが、実家に住んでいる頃はそれが楽しみでした。
中央のあの白い線の上を歩いてみたりするわけです。
これは明らかに酔っ払いの所業ですが、前にも後ろにも、誰もいない道路に立つというのはなかなかオツな気分です。
都会に住んでいる方には味わえない気分かもしれませんね。

1年を通して夜の道は楽しいです。
稀に怖いこともあったりして肝を冷やすこともありますが、道すがら顔見知りのお店を作っておけば大抵はやり過ごせます。

でも、一番好きなのは今の時期。
なぜならば。
金木犀が香るからです。
甘酸っぱい香りが空気を満たしていて、その中を通り抜けるのが嬉しい。
暖かいところではもっと後なのでしょうか。
私の中では秋へ移行する時期の花です。
芳香剤みたいで好きじゃないとおっしゃる方も多いですが、良い香りだから芳香剤に使われるわけで。
本当に植物から香っているのは格別です。
夜目にも明るくオレンジ色の花が見えたりすると、思わずじっと眺めてしまいます。

金木犀で連想するのは『星の時計のliddell』。
ヒューが幻視する木が金木犀です。
そのためでしょうか。
この時期になると読み返したくなります。
先日も記事にあげたばかりですが。
Amazonで検索したら、あまりの価格の高さにびっくりしてしまいました。
倍以上。
もしかしたら、ご近所の古本屋さんで投売り価格で出ているかもしれませんから、もしその時はご縁があったと思って読んでみてください。
普段漫画を読まない方にこそ、読んでいただきたいような作品です。
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4 コメント

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金木犀 (koharu)
2006-09-23 12:02:54
うちの近所も金木犀が香り始めました。

蝉の声と入れ違いに香る花・・金木犀の匂いを嗅ぐと、季節が変わるのだなと思ったりします。



夜の散歩・・・きしさん楽しそう。うちの近所で白線の上を歩いたら、確実に痛い目にあいます。うん



さて、涼しくなったので、どうせだからと電車に乗って近くの町まで散歩に行ってしまいました。

帰りがけ、反対方向の電車に乗れば渋谷・・・NHKだと思ったら、乗ってしまいました。

まだ、『風林火山』まんじゅうも売ってなかったです。

そのまま帰るのも悔しいので、アーカイブスで、『十時半睡事件帖』のなかの、Aさまお勧めの『包丁侍』・・・河豚にあたった若侍・内野と最終回・・・柱にしがみつく若侍・内野を観て帰りました。



・・・すみません。話が思いっきりそれました。

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金木犀… (海明)
2006-09-23 14:56:01
うちの方でも香りだしました。

あんなに小さな花なのに、あたり一面を覆いつくす香りの強さに驚かされます。



金木犀で思い出すのは、光原百合さんの『十八の夏』、山田詠美さんの『放課後の音符』です。匂いと記憶は強く結びついているのですね。金木犀の咲く道を歩いていると、小説のワンシーンがぽわんと浮かびます。



もしさしつかえがないようでしたら、「待宵草子」からリンクを貼らせていただきたいと思っています。いかがでしょうか。
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koharuさま (きし)
2006-09-23 23:25:06
>夜の散歩・・・きしさん楽しそう。

お恥ずかしい所業ですがなかなかやめられません

季節を植物で思う感覚は失くしたくないもののひとつです。残念ながら緑の親指保持者ではないのでもっぱらよそのお庭で楽しませていただいています。



>柱にしがみつく若侍

いいな~。観たいです。NHKに気軽に行けるのはうらやましいです。

大河のスタジオ収録も見学できるらしいですね。覗いてみるのも一興?
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海明さま (きし)
2006-09-23 23:30:26
残念。どちらも未読です。山田詠美さんの作品は『蝶々の纏足』くらい。

金木犀はいろいろな連想を呼ぶ花ですね。やはりあの香りのためなのでしょうね。

うちの近所では金木犀の木が四角く整えられているのをよく見かけるのですが、全国共通なのでしょうか。



リンク、さしつかえどころか、願ってもないことです。よろしくお願いします。

私のほうでもリンクさせていただくのをお願いしようと思っていたところでした。

海明さんのところは雰囲気があって楽しませていただいております。
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