…よしっ。
と、そのシーンを読んだとき、腰の辺りで小さくガッツポーズをしてしまいました。
アヒルと鴨のコインロッカー
著者:伊坂幸太郎
発行:東京創元社
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大学進学のために引っ越してきた「僕」は、その当日、隣人の青年に、本屋に強盗に入る計画を持ちかけられる。
黒いづくめの、どこか悪魔めいた、その青年の目的は、広辞苑1冊。
彼の真意は?
なんともそそられる設定です。
描かれる時間軸は2本。
と、なれば、それぞれの時間の出来事と登場人物たちが、どのように絡み合うのかが、ミステリとしての読みどころのひとつ。
ただ、一方は現在、もう一方は2年前と、はっきり描かれているので、叙述系のミステリとしては親切といえるでしょうか。
妙な警戒をしながら読んでいかなくても大丈夫。
著者独特の言い回しから生まれる軽さを、ゆっくりと楽しむことができます。
けれど、それは軽薄でも軽快でもなく、やはり軽妙という感じ。
考えることを放棄していない登場人物たちの作り出す雰囲気です。
そもそも、謎は「現在」の語り手である「僕」だけが感じるもので、「2年前」を同時に読み進める読者にとっては、問と解の両方が同時進行であるようなものです。
では、なぜ「僕」だけが、謎を感じるのか?
それは「****」だから。
一応、ミステリなので、伏字。漢字です。
この言葉から生まれる、物語の大きなねじれと、緩やかな結合。
ダイナミックな転換は、この世の中にはたくさんの人間が生きていて、深く知り合い、または触れるか触れないか程度にすれ違い、そうでなければ全く無関係に、それぞれの時を生きていることを、あらためて思い出させてくれます。
そして、私が思わず小さなガッツポーズを作ってしまった、少年と少女が去っていくという終盤のシーン。
それは、そのことの、鮮やかな例でした。
本屋襲撃から、「神様を閉じ込めに行こう」で終わる、この作品。
不思議なタイトルも最後まで読めば繋がります。
さすが、人気のある作家の作品と、納得。
独特の雰囲気があります。
でも、単行本ではなく、文庫で読みたい。
単行本の立派さや仰々しさは似合わない気がします。
新刊を待っているより、そういえばと、何気なく手にとって読みたいような作品です。
気のせいですね。
でも、その気持ち、よ~くわかります。
特に売れ線の本じゃないときは、絶版の憂き目が待っていそうでコワイです。
読んでから買うべきです
ですが、何故か見つけたときに買わないと買えなくなる気がしてしまうんです
・・・実際に、そういう経験もしてるからですが
これでも、即買いしてた時よりは、減ってる・・・かも
・・・気のせいか
買ってはみたものの、読めなかった本は
できるだけリサイクルするように心がけてはいるのですが・・・
…言っちゃおうかなぁ
『読んでから次の本を買いましょう!』
映画はどうなんでしょうねぇ。「ギャング」はおもしろかったけど。
ケースが・・・4つ、あります
果たしていつになったら読破できるのか!?
(いや、読む傍から増えていくんですが)
>好きな作家がはっきりしているから
・・・しかしそれも時として非常に困る事態を引き起こすのです
文庫って、なぜかいきなり同じ作家さんの作品が同時期にたくさん出ることがあって・・・
なので、最近は「○○作品だから即買い!」は避けるようにしています・・・一応
この作品は映画もちょっと期待してるのです
え?がんがん増えているのですけど、ワタクシ
いざわさんは好きな作家がはっきりしているから(数は多いけど)、新刊本を待つ楽しみがありますよね。
入っております
(・・・と言っても何冊もあるんですが)
文庫化されてから何度か本屋さんで見かけていて、
そのたびにどうしようかな~と悩んでいたのですが、
やっぱり買ってしまいました
きしさんが読んだことを知ってちょっと嬉しい・・・
今読んでいる前後編(浅田作品)の次あたりに読もうかなー
今月のダ・ヴィンチが伊坂特集なのですが、
この記事を読むと、ますます伊坂作品が読みたくなります♪
・・・しかし、これ以上「読む予定」本を増やす訳には~