6月から引き続き、糖尿病学会総会の聴講に続き 今は内分泌学会総会の聴講をこつこつと行っています。
長時間の講演はなかなかいっぺんに時間が取れないので、朝の1時間などで細切れです。
それでも、なるほどと思ったり、日常的に役立ちそうな知識が溢れていて、おもしろく聴いています。
日常診療では初めましての来院の方もちらほら。特に最近気になるのが、熱中症の方の点滴治療が多いこと!
毎日、数名が点滴をしています。当院にしてはとても珍しい光景です。去年より多いかもしれません。
健診結果をもって来院される方もとても多いです。いつも通ってらっしゃる方も5月の町ぐるみ健診の結果を握りしめてきてくださいます。
定期の来院採血の中で高齢者で多いのが低栄養 総蛋白やアルブミンの項目が低いいわゆる『低栄養』です。
厚生労働省がまとめた「日本人の食事摂取基準2015年版」では高齢期における低栄養の危険が初めて取り上げられました。
低栄養がなぜ問題かというと、それは筋肉の量と関係しています。筋肉量が減ると運動能力の低下による転倒事故の増加、さらには転倒による骨折がきっかけとなって、寝たきりになってしまうといったことがありえます。
また、筋肉量が少ないと身体に水をため込む量が少なくなり、今の季節は特に熱中症になりやすくなります。
筋肉はタンパク質を摂取しなければ、作ることができません。低栄養の最大の原因はたんぱく質の摂取不足です。
実は70歳以上の人でも数値的には18歳の時と同じくらいのたんぱく質摂取が推奨されています。(1日当たり男性60g、女性50g)ただし、腎機能が悪い人などは積極的な摂取は推奨されませんので、気になる人は主治医の先生と相談してくださいね。
今回、学会の聴講で学びましたが、たんぱく質も1日トータルで何gと摂取するよりも、できれば朝食時にきちんとタンパク質を摂取する。また、毎食ちゃんと摂取する というのが効率的だそうです。朝食のタンパク質摂取が大切ということでしたので、朝食内容少しでも見直ししてみようと思いました。
高齢者における低栄養のもう一つの原因としては「食の楽しみを失いがち」ということにもあります。
食の楽しみを保つ秘訣は、おいしいと感じることを誰かと共通しあうことですが、現在では一人で食事をとる孤食の方が増えてきました。当院の通院患者さんでも、お嫁さんが作ってくれたご飯を部屋に運んでもらって一人で食べる という方が割といます。
健康に生活をしていくうえでも、できるだけ、ご家族や友人と食事をする機会を増やすとよいと思います。さらにはご自身で食べたものを写真に撮って、簡単な文章を添えて気軽にインターネットにアップしてみるのもいいかもしれません。
こうしたことから、おいしさの共感が広がって、それは食の楽しみを支える大きな要素の一つになります。
参考になれば幸いです。
今日も熱中症対策しっかりとして、元気に過ごしましょう!