水虫治療っているの?困ってへんねんけどー。
別の症状で来院した方の足を診察した際に足の水虫と爪の水虫があり、会話していた時の発言です。
あーー、なるほどなあ と思いました。本人まったく困ってません。
当院に来る前に皮膚科で診てもらい、別の症状で受診したのに水虫って言われて薬出されたんだと。ちゃんと治療しないんだろうなあという雰囲気でした。
そもそも、水虫ってなんで治療しないといけないんでしょう。
と、少し考えてみました。
テレビコマーシャルとかで水虫の症状を足が痒い痒い!と紹介してるので、痒みがあれば水虫かもと思う人も多いのかなと思います。
けれど、今日の患者さんみたいに何も症状がなくて皮むけだけだったり、足の裏が白く角質が硬くなっているだけ?だったり、爪が分厚い(これは爪白癬の場合)だけだったり
結局見た目の変化はあっても、痒くないし痛くないし困ってないしーとなりがちなのかなと思います。
そもそも水虫って、虫ではないです。
白癬菌というカビの一種で、皮膚の角質層に入り込んで繁殖することで起きる病気です。カビは高温多湿で活発に繁殖するので(お風呂場などがいい例ですね)、夏場は症状が悪化しやすいです。
水虫は長年放置するとより治りにくくなり、さらには爪にくっついて爪白癬になったり、二次細菌感染をおこしたり、白癬疹といって白癬菌に対してアレルギー反応を起こしたりします。
水虫になると正常な皮膚のバリア機能が壊れて弱くなり、最近が感染しやすくなります。場合によっては蜂窩織炎を併発して、入院加療が必要になることがあります。
私も糖尿病の患者さんでひどくなった蜂窩織炎を何例も見たことがあります。治療はかなり難渋します。
後は1番には人に移してしまうというのが問題ではないでしょうか。自分1人の問題ならばまあ、症状ないしー困るの自分だけだからーと放置も自己責任だと思います。
しかし、同居の家族や職場などでスリッパを履く場合などは職場の人、身近な人に高率でうつしてしまいます。お互いに移し合うという悪循環も生まれるかもしれません。
根気よく塗り薬を使うことで早い段階では治療をすることができます。
水虫は治りにくいとは言われますが、赤いところや痒いところだけでなく全体の広い範囲にぬることが大切です。そして症状がが良くなったように見えても、白癬菌がいなくなるまで少なくとも3ヶ月以上は薬を続けることが大切です。
角質肥厚型では6ヶ月以上
爪白癬では爪が生え変わるまでなので、少なくとも1年はかかるので本当に根気よく続けてください。
たかが水虫、されど水虫。
これから症状が治まる人が増えて治療中断しがちですが、完全に治しておくことで来年夏の再発が防げるかもしれませんよ。
患者さんたちにもまた、説明をしてみます。
青山医院
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