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リベラルくずれの繰り言

時事問題について日ごろ感じているモヤモヤを投稿していこうと思います.

恵方巻き:大量廃棄の元凶は現実無視のノルマではないか

2019-02-06 | 一般
いつのまにか節分の行事になってしまった「恵方巻き」。今年は今まで以上に売れ残りの大量廃棄が早くから話題になっていた。事前に農林水産省が業界に注意喚起したものの、あまり改善は見られなかったようだ(朝日新聞2019-2-5)。
同じような廃棄はクリスマスケーキや土用の丑の日のウナギでもあるはずなのに、恵方巻は特に話題になる。賞味期限が短いことで大量廃棄につながっているという。たしかにバレンタインチョコなら、日持ちがするから売れ残ったら即廃棄にはならないのだろう。ウナギあたりは賞味期限が近付いたら割り引けば売れるような気がする(個人的な好みかもしれないが)。
そもそも食品ロスは季節商品以外でも常に問題になっているわけだが、小売店が欠品を避けようとすることでどうしても多めに在庫をもつから、ある程度の売れ残りは必然だともいえる。(消費者も小売店も欠品を許容するようになればいいのだが、利便性を考えるとそれにも限度がある。)

だがコンビニでの恵方巻の場合、本部が現実を無視して過大な目標を立てているのが元凶ではないかと、今日の記事を読んで思った。記事では、本部に言われて発注を増やしたが結局売れ残るという証言が二つもあった。(その一方は、本部から廃棄も出すなと言われてやむなく社員で6万円分を買い取ったという。「食品ロス」の観点からは無駄にならずにすんだことになるが、このような売れ残りの自腹買取強要は違法ではないのだろうか。同じような事例は年賀はがきでも問題になる。)

コンビニはPOSシステムで売れ行きを綿密に管理して、店舗ごとにきめ細かく仕入れを決めている、というような話を聞いたように思う。恵方巻きもそのように実態に合った適正量の生産・販売を目標とすれば、一般の総菜や弁当くらいには売れ残りを減らせるはずだ。せっかく大量廃棄が問題になっている今、やみくもに「もったいない」と叫ぶのではなく、不合理な販売目標の押しつけをやめさせるよう声を上げていきたい。

追記:経済気象台(朝日新聞2019-2-16)でも同じ問題が取り上げられている。そもそも1月の段階で農林水産省は「需要に見合った販売」を呼びかけていたという。問題がメーカーではなく、発注する小売り側にあるという指摘は正しいだろう。問題は、廃棄のコストを誰が負担しているかだ。著者は大手小売りでは他の商品で廃棄ロス分を補充できると指摘していることから、小売店が損失をかぶっているのだろう。コンビニの場合、本部に言われて末端の店舗がかぶっているということがないことを祈りたい。だが、従業員の自腹という話を聞くとどうもあやしい。



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