リベラルくずれの繰り言

時事問題について日ごろ感じているモヤモヤを投稿していこうと思います.

米中「人質外交」、どっちが悪い?

2018-12-12 | 政治
中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の幹部・孟晩舟氏が米国の要請によりカナダで逮捕された。中国に知財保護に向けた改革を迫っている最中のことであり、人質外交との報道もあったように思う。アメリカ政府がファーウェイの調査を始めてからファーウェイの幹部はアメリカ入りを避けていたというから、全く予想外のことでもなかったようだ。
だが中国は猛反発し、「重大な結果を招く」とカナダに警告していた。そして関連は不明だが、今朝、中国がカナダの元外交官を拘束したことが報道された(朝日新聞2018-12-12)。夕刊ではファーウェイ幹部が保釈されたという。パスポートを預けさせるなどして、裁判に現れないリスクは低いと判断したらしい。裁判で有罪が決まるまでは拘留は逃亡の恐れがある場合に限るのが原則であることを思えば、中国の圧力に屈したというわけでもないのだろう。
それにしても、大国が相手国の要人を拘束して交渉材料にするというのは、漫画の「悪の帝王」を地で行くようで、トランプ大統領の就任以来、世界で常識が通用しなくなったと嘆きたくなる。

そんなふうに思っていたら、中国で2015年以降、日本人がスパイ行為を疑われて相次いで拘束されているとの記事があった(朝日新聞2018-12-12)。もちろんスパイ行為が事実であればそれなりの罰を受けるのは当然なのだが、判決では何がスパイ行為と認定されたのかは明かされていないという。スパイ事件ではもちろん国家機密に関する部分もあるのだろうが、やはりトランプ云々以前に中国のやり方は不透明だ。

だが、日本の特定秘密保護法も「何が秘密かは秘密」という内容で野党から批判されている。日産のゴーン会長の長期拘留では日本の「人質司法」に対して世界から批判もあるようだ。アメリカ、中国だけではない。日本もおかしい。

追記:朝日新聞2018-12-13で思い出したが、2010年の尖閣諸島沖での中国漁船体当たり事件の際、準大手ゼネコンの社員ら日本人4人を拘束したことがあった。そういえば、それ以外にも、WTO違反のレアアースの輸出制限をするとか、フィリピン産のバナナの入館手続きを遅らせて腐らせるとか、露骨な意地悪を繰り返してきた国だった。米国に次ぐ大国となってしまっただけに、そんな低レベルの意地悪でも効果は絶大なのが悔しい。
トランプ政権の誕生でアメリカが中国レベルに落ちてしまった。そして日本もゆっくりだが着実に落ちているような気がする。

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