リベラルくずれの繰り言

時事問題について日ごろ感じているモヤモヤを投稿していこうと思います.

「いつまでモリカケ」悪いのはどっち?

2018-06-26 | 政治
安倍首相は「いつまでモリカケやってるんだ」と声を荒げたことがあるらしい(日刊ゲンダイ2017-10-12個人ブログはいずれも昨年10月の記事だが,最近もそんな話を聞いたような気がする).検索すると,安倍首相支持派は「野党はいつまで森友・加計問題をやってるんだ.もっとほかに議論すべきことがあるだろう」と言い,反安倍派は「首相が罪を認めないからだ」と言って平行線だ.いったいどちらに理があるのだろうか.

百歩譲って「首相が罪を認めないからだ」というのは首相の有罪を前提としており公平ではないとしよう.だがそうだとしても,少なくとも,首相の関与を疑わせる証拠が出てきたら,その真贋も含めて徹底調査するのが筋ではないか.これまで野党がいろいろな文書をみつけてきても,政府は調査しようとさえせず,新たな証拠や証言で否定しきれなくなってようやく認めるということを繰り返してきた.疑惑解明をいたずらに長引かせているのは首相の側であることは明らかだ.
今日の朝刊でも,共産党が新たな「内部文書」を入手して追求したことが報じられていた(朝日新聞2018-6-26).一つは,おそらくは5月に財務省が森友学園問題での交渉記録を国会に提出したことに関する事前調整と思われる文書で,「最高裁まで争う覚悟で非公表とするのだろう」,「国交省として,出すのが得策かどうか検討してほしい」などの文言があり,佐川前理財局長の処分に関して「官邸も早くということで,法務省に何度も巻きを入れている」といった首相官邸の関与を示す記載があるという.もう一つは,「安倍総理夫人」が森友学園が開校を計画している小学校の名誉校長に就任していることを付記しての問い合わせだ.だが首相は「ご指摘のものがどのようなものであるか承知していない.答えようがない」などとして調べようともしない.現時点で「答えようがない」のは仕方がないことかもしれないが,「うみを出し切る」と言ったにしては,「調べます」とさえ言わないはおかしくないか.
「いつまでモリカケやってるんだ」というのは首相だけでなく,野党側も同じ気持ちだろう.だが疑惑解明を長引かせているのは首相側であることは明らかだ.世論調査で自民党の支持率が下げ止まっていることから,もうしばらくしらを切りとおせば国民は忘れると思っているのだろう(過去ブログ).

と,ここまでは筋論.もう一つは国会戦術という側面がある.「もっとほかに議論すべきこと」はあるのだが,自民・公明の与党が「議論すべきこと」をすっとばして強行採決でことを決めようとするからだ.
先ほどのカジノ法の衆院通過でも見られたように,政府は重要法案を十分な審議もなしに強行採決で通過させている.こうなると野党としては審議を遅らせる戦術は何でも使う,という戦術を取るしかない.国民民主党はカジノ法案の衆院委員会での採決の際に抗議行動に加わらなかったと聞く.たしかに「採決を実力で阻止する」というのは情けない光景ではあるのだが,与党が強行採決してでも押し通すという姿勢だと,傍観は筋を通したというよりは与党を利しただけと思える.モリカケ問題追及は,首相が調査さえしようとしないという姿勢で長引いている面はあるが,十分な審議もせずに重要法案を強行採決する姿勢も,そのような国会戦術の遠因になっている.


この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 安倍政権誕生は韓国大統領の... | トップ | 待機児童解消のための国の予... »
最新の画像もっと見る

政治」カテゴリの最新記事