朝刊で著述家の湯山玲子氏が「「反安倍」や「脱原発」でも希望の党という保守系の新しい選択肢が出てきた」と述べていておやっと思った.私は希望の党が反安倍と言いつつ自民党との連携を目指すのは矛盾していると思っていた(10月5日;厳密には「自民党との連携を目指す」とまでは言っていないが,そうとしか思えない).だが言われてみれば「横暴をきわめた安倍首相さえいなくなったら自民党政権が続いて何も変わらないのがいい」と思っている「保守」的な人は多いかもしれない.希望の党が躍進して自民党が大敗すれば,安倍首相が退陣して自民+希望の「保守」政権で安泰というシナリオを期待してもいいのだろうか.(なお,安倍首相は「与党で過半数」を勝敗ラインとしており,80議席減らしてもまだ退陣しない可能性がある.)
だが先ごろの「排除の論理」で明らかになったように,希望の党が最も重視する政策は「改憲」と「安保法制」だ.自民+希望が連立したら一気に自民党ペースでの憲法改正に進んでいく恐れがあるのではないか.「現状でいい」という意味での「保守」の人は,自民+希望に期待をかけたりしないほうがいい.
10月6日の「リベラルって何だ?」でも書いたが,言論の自由を重んじ,自分と異なる意見の人にも耳を傾けるような姿勢を「真の意味で寛容な保守」と呼ぶ人がいる.私はそれは「リベラル」と呼んでいる.このように,「保守」「リベラル」というレッテルにこだわりすぎると,選択を誤ってしまう.
「保守」とされる自民,希望,維新は憲法改正を目指しており,決して「現状維持」という意味での保守ではなく,私には戦前回帰志向が強い「右派」という意味での「保守」に思える.リベラル系の政党というと立憲民主党,共産党,社民党ということになると思うが,必ずしもかつての「リベラル=左翼」の路線を追求しているわけではないのではないだろうか.
自民党などが目指す憲法改正の方向性に賛成するような「保守」なら「反安倍」を希望の党に託すのもいいのかもしれないが,現状が続いてほしいという意味の「保守」であれば,むしろリベラル系の政党にこそ希望があるのではないだろうか.
だが先ごろの「排除の論理」で明らかになったように,希望の党が最も重視する政策は「改憲」と「安保法制」だ.自民+希望が連立したら一気に自民党ペースでの憲法改正に進んでいく恐れがあるのではないか.「現状でいい」という意味での「保守」の人は,自民+希望に期待をかけたりしないほうがいい.
10月6日の「リベラルって何だ?」でも書いたが,言論の自由を重んじ,自分と異なる意見の人にも耳を傾けるような姿勢を「真の意味で寛容な保守」と呼ぶ人がいる.私はそれは「リベラル」と呼んでいる.このように,「保守」「リベラル」というレッテルにこだわりすぎると,選択を誤ってしまう.
「保守」とされる自民,希望,維新は憲法改正を目指しており,決して「現状維持」という意味での保守ではなく,私には戦前回帰志向が強い「右派」という意味での「保守」に思える.リベラル系の政党というと立憲民主党,共産党,社民党ということになると思うが,必ずしもかつての「リベラル=左翼」の路線を追求しているわけではないのではないだろうか.
自民党などが目指す憲法改正の方向性に賛成するような「保守」なら「反安倍」を希望の党に託すのもいいのかもしれないが,現状が続いてほしいという意味の「保守」であれば,むしろリベラル系の政党にこそ希望があるのではないだろうか.