リベラルくずれの繰り言

時事問題について日ごろ感じているモヤモヤを投稿していこうと思います.

「原発は安い」というなら市場原理にゆだねよ

2019-03-24 | 一般
経産省が原発を補助する制度を検討しているという(朝日新聞2019-3-23同7面)。原発で発電した電力を電力小売事業者に売るときに市場価格に一定の価格を上乗せすることを認めるというものだ。温室効果ガスを排出しないことに付加価値を認めるという理屈で、アメリカのゼロ・エミッション・クレジット(ZEC)をモデルにしているという。原発の電気の値段が上がるなら、小売事業者は他のエネルギーを優先すればいいのだが、2030年度から再生可能エネルギーと原発をいっしょくたにした「非化石エネルギー源」の電気を販売量の44%にするよう小売事業者に義務づけるという。再生可能エネルギーで44%をまかなえなければ、電力小売事業者はいやでも原発の電力を市場価格より高い値段で買わされるというわけだ。
それもこれも、原発の安全対策費がかさむからだ。大手電力会社幹部も「原発がリスクが大きすぎる。制度支援がなければ続けることは難しい」という。続けることが難しいなら撤退するのが市場経済の原則ではないか。経産省は原発の発電コスト(1キロワット時当たり)は10.1円以上であり、液化天然ガス火力(13.7円)、石炭火力(13.3円)より安いと試算し、「原発は安い」というのを原発推進の理由にしているが、本当に原発が安いなら補助が必要になるはずはないではないか。国民の反対も根強く、「リスクが大きすぎる」原発の維持を、市場原理を踏みにじってまで政府が強制する必要はないのではないか。

ただ、素人考えだが、「非化石エネルギー源」の電気を販売量の44%にするとの義務付けに希望がないでもないのではないか。「非化石エネルギー源」の中では「再生可能エネルギー」と「原発」が競合することになるが、「再生可能エネルギー」で44%をまなかえれば、原発の電力は使わずに済む。ただし、競争の土台は公平にしてほしい。先ごろ九州では、電力が余剰になったときに「原発は出力調整が難しいから再生可能エネルギーを発電抑制」ということがあった(朝日新聞2018-10-20朝日新聞2018-11-4)。これではクリーン・エネルギーの発電効率が最もいい時に発電させてもらえないということになる。完全に自由にして電力不足になっては困るのだが、もう少し公平な市場原理に基づく競争ができないものか。



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