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産経モードは“開戦に備えよ!”/2

2023-08-23 08:23:03 | 戦争
産経モードは“開戦に備えよ!”/2
“シーチン”修一

【雀庵の「大戦序章」212/通算643 2023(令和5)/8/23/水】猛暑と体調不善で“ガス抜き散歩”が思うようにできないと鬱屈気味になる。躁鬱病の人が鬱屈すると小人閑居してドーデモイイことをクソ真面目に考えるのだろう、一段と悲観的になっていくよう。負の連鎖・・・死に神が憑りつく。嫌なものだ。

小生は哲学者になりたいと思っているのだが、どういう訳か「明るく元気で楽しそうな哲学者」はほとんどいないよう。哲学者は「いかに生きるべきか」を考えながらブルーになる人が多いのではないか。死刑判決を受けたソクラテスは処刑前に自死したがブルーだったのか?

ブログ「アンサーソング」2023/6/4「我思う、ゆえに我生きる 哲学者が自殺しない理由」にはこうあった。
<実際のところ「哲学」→「自殺」的なイメージとは裏腹に、有名な哲学者ほど自殺していません。ソクラテス、プラトン、アリストテレス、デカルト、パスカル、
カント、ヘーゲル、ショーペンハウアー、ニーチェ・・・全員自殺していません(または自殺説に明確なソースがありません)。ソクラテスは自分で毒を飲んで死んだ話が有名ですが、そもそも「無知をバカにしまくった罪」で死刑宣告を受けたことが前提です>

ソクラテスの自死は吉田茂の「バカヤロー解散」みたいな「当て付け」か? 最後の言葉は「そうだ、アスクレピオス神にニワトリの供え物をするのを忘れていた。忘れずに供えてくれたまえ」だったという(真山知幸氏/著述家・偉人研究家・名言収集家)。ソクラテスは実に面白いキャラのようだ。

小生はニーチェは発狂して自殺したと思っていたが、病死だったらしい。サイト「サクッと散り際 フリードリヒ・ニーチェの死に様の信憑性」によるとかなり壮絶な最期。
<梅毒患者だったニーチェは、左右瞳孔径の違い(視力低下)や躁鬱病などに悩まされ、人格の変化や重度の認知症などの精神疾患を発症していました。20世紀にペニシリンが出現するまで治療法が確立されていなかった梅毒は、罹患してしまうと全身に広がっていき、肌やリンパ節だけではなく脳も冒し始める病でした。晩年、神経系を冒されてしまったニーチェは、自分の尿を飲み、便を口にし、その便を壁や自分の体に塗りつけるなどという奇行に走ります。

奇声を発しながら興奮状態から抜け出せないニーチェは、晩年のほとんどを無意識状態のまま過ごしていたと言います。彼の奇行は、すべて脳梅毒による症状でした>

小生は、人間は「教学系(教養・学問志向系)」と「楽天系(趣味・娯楽志向系)」にざっくり分類できると思っている。80%の人はその中間で、時に教学系⇔時に楽天系、時に天使系⇔時に悪魔系、時に勇敢系⇔時に臆病系になったり。ある時は「戦争のない世界を!」と叫び、ある時は「撃ちてし止まん、暴支膺懲を!」と叫ぶ。思考や価値観、言動が一定している訳ではないということ。

経験や体験などにより言動や人生観が変わるのが普通で、むしろ一定している方が「成長していない」と異端視されるのではないか。

歴史は概ね戦史である。戦争が良きにつけ悪しきにつけ新しい時代を創る。永遠の平和、永遠の反戦はないし、永遠の好戦、永遠の戦勝もない。勝った戦争は良い戦争、負けた戦争は悪い戦争である。随分アバウトなものだが、それが「健康」というもので、勝者に擦り寄る「事大主義」を目の当たりに見た夏彦翁曰く「健康とは嫌なものである」。多勢に無勢、人間は多勢に付く。

第2次世界大戦後、朝鮮戦争以外に強国同士のガチンコ熱戦はなくなって、ソ連圏との冷戦になったが、ソ連の自滅的崩壊以降は緊張がずいぶん緩んだ。そして今はソ連復興を目指すプーチン・ロシア、毛沢東時代への回帰を目指す習近平・中共による世界大戦が始まっている。そういう認識がない、備えがない国は亡国か三流国になる。拙速を恐れず開戦に備えるべし!

【モンテーニュとの対話(160)チャーチルの頭をなでながら 産経2023/8/19 桑原 聡】から。

<★後ろ姿に哀愁を感じて:千葉県勝浦市にある西洋アンティークの店で、傷だらけの陶製人形が目に留まった。濃紺のスーツに赤いちょうネクタイ姿の老人である。右手を胸にあて、左手はズボンのポケットに突っ込んでいる。体形はずんぐり、頭髪は後退し、意志の強そうな、否、かなり頑固そうで憎々しげな顔をしている。口の左端には丸い穴が開いている。かつてはそこに葉巻が収まっていたはずだ。

人形を手に取って「これ面白いですね」と、スコットランド出身の店主、アランさん(59)に言うと、「この人の評価はちょっと難しいですね」と返答し、困った顔をした。「イングランドではいまも偉人なんでしょう」と畳みかけると、「でも弱い者には冷たい政治家だったと思う」とアランさん。どうやらこの老人が嫌いらしい。

政治がらみになってしまう話はやめて、手に持った人形をじっくりと眺める。その後ろ姿が、私の心の琴線を軽く弾(はじ)いた。国と国民の運命を背負い、孤独に耐える政治家の哀愁を感じてしまったのだ。こんな背中を持った男、日本人ならスクリーンの中の高倉健ぐらいしか知らない。

「これぞ出会い」と決め込んで自宅に持ち帰った。すぐさまつまようじを切って色を塗り、火のついた葉巻をつくった。口の左端に開いている穴に挿し込むと、あたかも魂が入ったかのように、人形に生気がみなぎってきた。

★徹底抗戦か和平交渉か:ウィンストン・チャーチル(1874~1965年)は、ヒトラーのドイツへの宥和政策が破綻して、退陣に追い込まれたネヴィル・チェンバレンの後を継ぎ、65歳にして挙国一致内閣の首班となった。和平交渉か徹底抗戦か、という困難な決断を迫られたチャーチルは後者を選び、英国を勝利へと導いた。後に回顧録などによってノーベル文学賞に輝いた。

5年前に公開された映画「ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男」(ジョー・ライト監督、原題は「darkest hour」)をごらんになった方も多いだろう。映画はチャーチルが首相に就任する1940年5月10日の前日から、フランス最北端の港町ダンケルクで独軍に包囲された連合国軍兵士40万人を撤退させる「ダイナモ作戦」の開始(5月26日)までを描く。

映画の見どころは、持ち前の洞察力でヒトラーの危険性を見抜き、大量の戦死者を覚悟のうえで徹底抗戦を貫こうとするチャーチルと、国民の生命を守るためには屈辱的な和平も致し方なしとする前首相チェンバレン、外相ハリファックス卿の宥和派とのせめぎあいだ。戦後生まれの日本人は、同じ状況下に置かれたなら、どちらを支持するだろう。

もうひとつある。それは「ダイナモ作戦」を成功させるため、ダンケルクに近い港町カレーでドイツ軍に包囲されていた4千人のイギリス軍兵士たちを見殺しにする決断を下すところだ。40万人のために4千人を犠牲にする。政治的決断の残酷さが浮き彫りにされる。

この決断が「今」の日本でなされたとしたら、私たちはどんな反応をするだろうか。まあ、そんな決断のできる政治家など、わが国にいるとは思えないが・・・チャーチルの頭をなでながら、こんなことをモヤモヤと考えている。

★核を持った「ヒトラー」の誕生:チャーチルが1945年7月26日に首相の座を退いてから書いた『第二次世界大戦』(河出文庫、佐藤亮一訳)をひさしぶりにひもといた。冒頭に「本書の教え」とあり、そこには「戦争には決断、敗北には闘魂、勝利には寛大、平和には善意」とある。そして「第1章 勝者の愚行 1919~1929」はこう書き出される。

「一九一四年の第一次世界大戦が終りを告げた後、平和が世界を支配するだろうという、深い確信と、ほとんど万人に共通した希望とがあった」
ところが、敗戦国であるドイツに対して戦勝国が不寛容過ぎた結果、ヒトラーという独裁者を生み、第二次世界大戦という未曽有の大惨事がもたらされる。

冒頭の一文をこう書き換えてみたらどうだろう。「1989年の冷戦が終わりを告げた後、平和が世界を支配するだろうという…」

冷戦終結後のつかのまの平和の時代、「戦勝国」は善意を基本として国際社会に関わっていたのか、さらには「敗戦国」たるロシアに対して寛大であったのか、と今になって思う。現実は、国際社会への関わり方は善意ではなく強欲資本主義を基本とし、ロシアへのそれは寛大ではなく軽視ではなかったか。その結果が、プーチン大統領の「ヒトラー化」、そしてウクライナ侵攻ではなかったか、と思うのだ。人間はなかなか歴史から学べない。

だからといって、プーチン大統領を擁護するつもりなどかけらもない。彼の狂った野望は絶対に潰さなければならない。やっかいなのは、ヒトラーが持っていなかった核兵器を、プーチン大統領はたっぷり所有していることだ。冷戦の「戦勝国」は、核を持ったヒトラーと対決し、絶対に勝利しなければならない。それができなければ、もうひとつの専制主義独裁国家が、新たな侵略戦争に踏み出すのは目に見えている。

チャーチルならどうするか。『第二次世界大戦』をひもときながら想像してみるのも、けっして無駄ではないと思う>(以上)

一度アカ、一生アカ・・・プーチン、習近平、金正恩は「核を持ったヒトラー」である。核兵器使用を抑止できるのは核兵器だけである。「核兵器なき世界」とは抑止力がなくなることだから世界中が戦争になる。夏彦翁曰く「一度なったら、ならぬ昔には戻れない」。「核なき世界」には戻れないのである。

中露北を疲弊させるには経済包囲網に加えて核開発競争で財政をひっ迫させることも有効だ。財政逼迫→食糧不足→国民の不満→内乱→亡国・・・大昔から続いているパターンである。ソ連はそれで自壊した。

核兵器を持たない共産主義のキューバやアフリカの独裁国家はどうするのか。中露と心中するか、西側に就くか・・・第3次世界大戦は長期戦になるかも知れない。

戦争危機は人間の本能を呼び戻すようで、右足首骨折でブルーになっていた桑原聡氏は君子豹変? 略歴を紹介しておく。
<昭和32(1957)年、山口県生まれ。早稲田大学第一文学部卒。産経新聞社で雑誌「正論」編集長や文化部編集委員を歴任。定年後、委託記者として時事コラム「モンテーニュとの対話」を連載中。著書に「わが子をひざにパパが読む絵本50選」「わが子と読みたい日本の絵本50選」(ともに産経新聞出版)、「《ドン・キホーテ》見参! 狂気を失った者たちへ」(水声社)、「寛容のすすめ」(海竜社)、共著に「酒とジャズの日々」(医療タイムス社)など。 毎週日曜日は千葉県御宿町のカフェテリア「ガリシア茶房」のマスター>
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