アンを探して Looking for Anne

「赤毛のアン」の島、プリンスエドワード島でオールロケ!第5回AFFF(シンガポール)で最優秀監督賞、グランプリを受賞!

本のプレゼント第二弾!

2009年03月31日 | 募集
年末年始に行なった村岡恵理著『アンのゆりかご』プレゼント企画では、たくさんのご応募ありがとうございました。前回につづいて、"本"プレゼント第二弾のお知らせです。

先日レポートした銀座松屋『中原淳一展』限定のパンフレットを一名の方に差し上げます!

展示された作品の数々が、中原淳一のメッセージと供に綴られている、目と心に贅沢な一冊です。


応募方法は、以下の通り。

応募期間:2009年5月8日(金)締め切り2009年5月9(土)まで!
発表:2009年5月10日(日)(予告なく変更する場合もあります)
発送:2009年5月中
応募方法:ニックネーム(Blog発表用)と本名:郵便番号:住所をご記入の上、anne_partners@mail.goo.ne.jpまでお送り下さい。(個人情報は『アンを探して』のみの使用となります。)

応募者には、あらかじめ抽選番号をお知らせし、発表の日に、あみだくじか、くじびきを行い(アナログですみません)、当blogで発表させていただきます。

どしどし、ご応募下さい。


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中原淳一展にいってきました。

2009年03月31日 | お知らせ
3月29日 夜、東京に到着。翌日、仕事の合間をぬって『中原淳一展 愛する心』を観に行きました。(「観に行く」とタイプしたら、"美に行く"と出た!なんだかステキな誤変換だ)。

実は、『アンを探して』でも主人公の祖母・静香の青春時代の思い出のとして中原淳一のグッズを集めた大学ノートが出てきます。リサーチの最中、当時リアルタイムで中原淳一の世界を享受できた少女たちに焼きもちやくぐらいだったので、この展覧会、見逃すわけにはいきません。



中原淳一氏のライフワークだった人形の実物の展示はもちろん、『少女の友』『それいゆ』の表紙画の一覧(圧巻!)や挿絵、デッサン、中原淳一が訳したシャンソンの歌詞一覧、中原淳一が使用したグランドピアノ、仕事場の様子などの再現スペースもありました。

また中原淳一をリアルタイムに楽しみ、生涯感銘を受けた田辺聖子、美輪明宏などのインタビューを交えた映像上映などもあり、とても充実した展示内容になっていて感動しました。

観て行くうちに...。

こんなにも、当時、自らが出会った世界中の美しいものを紹介し、一流の作家を集め豊かな文学をつたえ、辛い時代でも装うことの楽しさを忘れないようにとパターンをデザインしたり、歌を翻訳したり、当時の「日本の少女・女性たち」に丹念に生きること、美しく生きることを様々な分野で影響を与えた作家って、後にも先にも、彼以外、いないんじゃないか...と、感じ入ってしまいました。

今、日本の「少女」達の未来のため、文化的な教養を高めるため、ここまで一生懸命訴えかけている大人っているのかな?と、なんか切なくなった一瞬でもありました。

展覧会は一切撮影禁止で展示内容をご紹介できないのが残念!でも、グッズ売り場の様子をスナップ。観ている女性たちからも、「あら~なつかしい、」「とっとけばよかった」(笑)などと、それぞれに少女時代の思い出に浸っているようでした。



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のどかな壁紙プレゼントその2(訂正)

2009年03月30日 | お知らせ
今日も続けて壁紙プレゼント。

そうそう4月5日より、BSフジにてアニメ『こんにちわアン』が放映されるようです。

『こんにちわアン』は、ノバスコシア出身の児童文学家バッジ・ウィルソンさんの原作をもとにしたアニメ。モンゴメリーのアン・シリーズと、時代考証を徹底的にリサーチし、アンの、プリンスエドワードに来るまでの物語りを書いた、という異色の試み。オリジナルの作者が亡くなった後にも、キャラクターが別の作家の手によって蘇るって、今も劣らぬ「アン」の絶大な人気を感じさせます。

ホームページではカナダに関する情報もたくさんみれます!


ちなみに:
とくに意識したわけではなかったのだけど、映画『アンを探して』の舞台となる切妻屋根のB&Bも、アンの両親が住んでた家と同じ、暖かみのある黄色です。モンゴメリーの書いたアン・シリーズにも両親の住んでいた家の色が出てきており、知らず知らずにインスピレーションになっていたのかもしれません。


さて!今日も壁紙プレゼントです。写真をクリックして拡大し、画像を取り込んで下さいネ。

ごぞんじ、P.E.I.といえば、じゃがいも畑。じゃがいも畑の奥が浜辺というのもP.E.I.ならでは?


ロブスター漁を控えた漁村の風景。



哀愁漂う古い家。知る人ぞ知る名スポットだとか。
プリンスエドワードでは古い家を大切に使用している家も多くあり、アンの時代にタイムスリップしたような気分になることもしばしば。

P.S
「閑話休題」は話しを本筋に戻すことですよ~とのご指摘をいただき、タイトルを訂正いたしました。
ご指摘ありがとうございます。今後もよろしくお願い致します!

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いざ、アンサープリントのテスト試写!

2009年03月27日 | 映画製作日記

さて、連日、貴子監督のレポートでポストプロダクションの模様をお伝えして来ましたが、昨日、ついにアンサープリント(ポスプロでの修正を終えて、完成した映画の、現像所からもどってきた最初のプリント)を観る事が出来ました。
試写はテクニカラーの映写室で、地元のポスプロの技術者達を交えて、貴子監督、ユリP、クロードEP、サミュエルP、サミュエルの奥様のバヒジャ、私、藤本という少人数のアットホームな雰囲気で行われ、誰もが映画の成功を確信するような素晴らしい仕上がりを確認することが出来ました。


ちょっとドキドキだった試写前の一時です。
監督の向かって左隣に座っているのがユリP。



オリジナル音楽担当のロベール・マルセルさんと談笑中の貴子監督。



嬉しそうなクロードEP。



いよいよ試写が始まります。(ドキドキ)



ここからの映像は無し(笑)ですが、エンディングロールが終わって思わず拍手してしまった私です。その場にいた皆も同じ事を思っていたようです。

ユリプロデューサーが、映画『アンを探して』の企画を立ち上げてから10年。
「この企画が作品として完成したということは殆ど奇蹟にちかい」とおっしゃっていたのが印象的でした。

こうして映画は完成しても、これから配給への大変な道のりが待っています。
映画ってほとんど子育てに近い、長いスパンの大変なプロジェクトですね。
作品への愛と不屈の精神、他にも色々そろって初めて、世に送り出す事が出来る。
やっぱり”奇蹟”と呼ぶに相応しい...と今日はちょっと感傷的な気分で閉めてみます。


写真・文 藤本紀子



のどかな壁紙プレゼントその1(訂正

2009年03月26日 | お知らせ
WBC優勝の話題でもちきりだったようですね。
侍ジャパン、刀をバットに?戦い抜きましたね~。おめでたいです。

(小声)とはいっても、カナダ・モントリオールはホッケーシーズンのせいか、なぜか私の周りでは野球に関する話題ゼロだったのですが...とにかく、なんにしても日本チームの活躍は嬉しいものです。(焦)

大きな仕事が一段落したので、今日は、一足先に爽やかなプリンスエドワード写真をお届け。
写真をクリックすると、壁紙サイズになりますので、ご自由にダウンロードしてお楽しみください。

写真は2006年の初夏。プロデューサーゆりさんのお母様が撮った写真からセレクトしました。
ステキな写真の提供、ありがとうございます。
コンピューター仕事の合間の息に抜きに効きますよ~。


ニューグラスゴー近くの風景。


酪農が盛んなプリンスエドワードの風物詩。



今年の干支の牛も、たくさん。

P.S.
「閑話休題」は話しを本筋に戻すことですよ~とのご指摘をいただき、タイトルを訂正いたしました。
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ポストプロダクション:サウンド編

2009年03月22日 | 映画製作日記
今日はポストプロダクションのもう一つの醍醐味であるサウンドミックスについて、お話しします。
映画=映像と思われがちですが、ごぞんじ映画において「音」の果たす役割は予想以上のパワーがあります。

感情移入のための音作りは、音楽に限りません。物音、せせらぎ、鳥の声、映像に見えない分、音は観客の感情に無意識に流れ込みます。
もちろん美しい映像やドラマ、役者さんの素晴しい演技も映画の魅力ですが、劇場に足を踏み入れたとたん、日々の現実を忘れてしまうほどに意識を包み込む「音」は、それこそ劇場で映画を観る醍醐味だと思うのです。

カナダでは、撮影時に撮られた音を参考に、撮影時に録音された音の何十倍もの種類の音を録り直します。私もチーフ助監として参加した映画『KAMATAKI-窯焚-』でも、現場で撮られた音を参考にし、ほとんどの環境音、動作音を録り直しました。例えば山で水を汲むシーン。水の音一つでも、川底を流れる水の音、表面を流れる水、岩肌を流れる水の音、遠くで聞こえる瀧の音、などが用意され、まるで本当に山の真ん中にいる様な臨場感あふれるサウンドに生まれ変わりました。

『アンを探して』でも、サウンドコンセプターのルイさん(Louis Dupire)に未完成版DVDをみてもらい、それを参考にフォーリーのAlexis Farandアレクシさんさんが様々な環境音、動作音を集めてくれました。(ちなみにフォーリーを担当したアレクシスさんは、ルイさんの親戚で、お嫁さんが日本人だとか!嬉しそうに話してくれました。)


その後、集めた音材料のもと、音で映画に生命を吹きこむ、サウンドミックスの始まりです。写真は、夜中迄、私と二人、一週間スタジオにこもりきりだったミックス担当のDaniel A. Vermette(ダニエルさん)の背中。手前にあるのは私のダメだしノート(苦笑。深夜に及ぶ作業の連続のせいか、疲れた~が口癖なダニエルさんだったけど(苦笑、それもそのはず、映画は5.1ドルビーサラウンドですから、場面によって音の聞こえる方向なども違ってきます。集めた音も膨大ですが、それらの音の聞こえる方向、広がりを一つ一つ設定していく作業は、かなりの集中力が必要。ちなみにセリフ、音、音楽を含めた全体のトラック数は125トラック。そんなハードな作業の中、ダニエルさん、ルイさんには、厳しいスケジュールと信じられないぐらいの低予算で、すばらしい仕事をこなして頂きました。また、今回ダイアログの調整も含め、全部一人で行なったダニエルさん。現場のサウンドマンの音撮りが良かったから助かった!と話してました。

写真では音が表現出来ないのは残念。



ハードな日程をこなしてくれたダニエルさん(左)と、サウンドコンセプトを指揮したルイさん(右)。

ゆりPサムP、バイジャさん、クロードEPに観てもらう日。
創り上げた音に満足してもらえるか?ドキドキの瞬間...。
そうそう、ルイさんもダニエルさんも、長編映画のサウンドの(現場も含めて)キャリアをスタートさせたのは、クロード監督の映画だったそう。

全リールをチェックした後、皆で記念撮影。この笑顔が皆の満足度を語っています。



後は音と映像が一緒になったプリントを待つだけです。

そう、私の「映画監督」として指揮するお仕事はこの日で、おわり。
長い様で、短かった2年間。なんだかまだ、信じられない気分です。

これからはまた公開までのハードなお仕事が待ってますが、今、10年前にゆりさんの頭の中で閃いたアイデア『アンを探して』が、監督の私を始め、長い年月と沢山の人の力とともに、大事に守られ、育てられ生まれようとしています。

もちろん、私達のようなインディペンデント系の映画にとって、公開までの道のりはさらに長く、険しいものとなるでしょう。でも、一人でも多くの人が感動し優しい気持ちで劇場を後にする日々を夢見て、広報活動も、頑張りま~す。

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ポスト・プロダクション:映像編

2009年03月22日 | 映画製作日記
映画の撮影のことをプロダクションといいますが、
撮影前の準備段階をプリプロダクション(略してプリプロ)、
撮影後の作業をポストプロダクション(略してポスプロ)といいます。

ポスプロを段階的に大きくわけると、
まず 撮った材料をつなげる「編集作業」があります。
編集で映画が数倍にも良くなる話は先述したばかりですが、最終編集が決まったら、音と映像に磨きをかけます。

編集以後のポストプロダクションには音に関するものと、映像に関するものがあります。

CGなどを多用する映画やアニメの場合、映像のポストプロダクションはやや複雑で時間がかかるものになりますが、本作は複雑な合成はなく、主にカラーコレクション(タイミングともいう)と呼ばれるワンカットづつのバランスを整える色調整が主な作業でした。写真はカラータイミングを行なったラボラトリーの一室。(ピンぼけですみません。)



先々週、カラーコレクションが終了し、日本から帰ってきたユリP、サムP、クロードEPとともに、ポストプロを行なうラボラトリーで、フィルムに焼き付けたのと限りなく近い映像を確認しました。



その作業と平行して、オープニングクレジット(映画の初めに出てくる映画の題名や役者さんの名前などの作成)、エンディングクレジットを作成します。

エンディングクレジットは、キャスト、メインスタッフはもちろん、映画にご協力いただいた方々をリストアップし、漏れがないか、チェックして書き連ねます。(それでも"あっ!"というミスがあったり、大事な人を忘れていたりるのが常なので、サムPゆりPクロードEPも私も、ヒヤヒヤしながら目を皿の様にしてチェックしていました。)



クレジット担当のリンさん。二児の母です。修正に修正を重ね、やっと二日前に仕上がりました。

ちなみに、日加共同製作映画は、エンディングタイトルが悩みの種です。今回は考えた結果、映画のタイトル(二カ国語)と特別協力(カナダ人英語、日本人日本語)以外は全てローマ字表記に統一しました。

いよいよ来週は焼き上がった分のアンサープリントを確認します。

プリントは、HDで撮影し、カラコレした映像を一枚一枚レーザーで焼くため、綺麗な反面、日本だと高くつく方法だそうです。カナダではそれが唯一の方法なので、ラボラトリーも他社との競争で価格が下がり、日本でレーザープリントをするのと比べると、軽く三分の二ぐらいの値段だそうです。ちょっとお得感?


さて次回は、ポストプロの醍醐味でもある音を磨く作業....サウンドミックスについてお話しします。

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くんくんと...その四。バートランド・ラッセルとの出会い

2009年03月20日 | 映画製作日記
映画の主要人物に、杏里が泊まるB&Bの隣人ジェフさんという人物がいる。
この人のキャラクターは、脚本を書く前に愛読していたバートランド・ラッセルの影響が強い。
(容姿や思想的に忠実に、というわけではなく、あくまでエッセンスという意味です。)

以下、少し読みずらいかも知れないですが、
脚本を書き上げる前の日記から抜粋です。

注意!超プライベートなノートでか軽いノリです。ごめんさい。

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2007年 9月某日

バートランド・ラッセル『人生についての断章』を再読書中。

1930年代ぐらいにニューヨークタイムズに
掲載された彼のエッセイを集めたもの。

『幸福論』も面白かったけれど、
こちらは大衆向けだからか、
よみやすくユーモアもあり、

そして人類の将来に対する
当時のラッセルの「読み」が
今を言い当てていることにびっくりする。

バートランド・ラッセルは有名なので説明は省くが
印象としては、83才ぐらいで三度目の結婚をしている
ファンキーでラブリーな哲学者って感じかな。
ほんと、どこぞの若者たち(私もふくめ)より柔軟だなぁ~。

資料として読んでるんですが、
ラッセルを読むと、なんだか安心する。

大好きな田辺聖子や、モンゴメリーの書き物に通じる
しっかりした理性を感じるからかもしれない。

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奇遇にも同時代を生きているラッセルとモンゴメリ。

馬車が車になって、手紙が電話になって、飛行機が誕生して...
そういう急激な技術の発展を迎える激動の世界に身をおき、
武器の発展、世界大戦も目の当たりにした二人。

文学や芸術、未知なるものへの研究を愛してやまなかった二人は、
人間の可能性が、良い方向にいくことを、
願ってやまなかったのではないか、と思う。


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もういちど「おくりびと」

2009年03月19日 | プロデューサーより
紀子リポーターから「おくりびと」についての詳しいリポートがありましたが、ちょっと追伸。
昨年のモントリオール世界映画祭でグランプリを受賞して以来、上昇気流に乗り、あれよあれよというまに雲の上。オスカーまで受賞するなんて、素晴らしい事です。

いま、世界中が人間に優しさを求めているのでしょう。この映画が世界に認められ、大ヒットするということは人間まだまだ捨てたものではない、、ということ。銀座の映画館の前に並ぶ長蛇の中高年層の列をみて、おもわず微笑みました。

実は滝田監督、モントリオールの我が家にも遊びに来て一緒に粉から「うどん」を作った仲なのです。随分前の話し、かれの「木村家の人々」が映画祭に出品され、そのあと我が社が買い付け、カナダで劇場公開したのです。

「おくりびと」の快挙で松竹の株がグンと上がったとのこと。めでたいことです。

春から縁起がいいですね、、、。この運のおすそわけを「アンを探して」も少しはもらって,,,さあ頑張らねば。

技術の革新

2009年03月19日 | 映画製作日記
さて、今は完成に向けてバタバタと過ごしています。
ポストプロダクション(仕上げ作業)で映画は確実に数倍良くなります。

多くの方に様々に意見を聞くことができ、最終編集は我ながら満足のいくものになりました。

その編集が終了すると、カラーコレクション(色の調整)が行なわれ、
今はサウンドミックス(音の調整)という音の仕上げ作業中で夜中までスタジオでお仕事が続きます。

さて...『アンを探して』の映像編集はMacのファイナルカットプロという映像編集ソフトを使用していました。
基礎的な知識があれば私自身でオペレーションできちゃう優れものです。

もちろん「編集は編集のプロに任せた方が良い」という意見もあり、確かにその方が的確で早い場合もあると思います。
ですが、特にフィルムと違い、感覚的に、短時間に色んな方法を試すことが可能だからこそ、自分の手でやりたいという思いはありました。

それは、一つのシーンが、編集によってスリリングにもなれば、ゆったりともできるし、コミカルにもなるし、セリフの言葉尻を一つ削る、タイミングをずらす、ずらさないが、映画のリズムや登場人物の印象に大きく影響してくる、ということを、"KAMATAKI"の編集をしているガニオン監督から学んだことでもありました。



ちなみに、私自身がコンピュータのオペレーションするため、編集アシスタントはいませんでした。映像・音編集はもちろん、ラボ(映画の仕上げ作業を行う会社)から言われた必要なデータ作り、(未完成テスト試写のための)DVD作成、(仮の)字幕製作なども、作品に対する意見はもちろん聞きますが、作業自体は基本的に一人でやっていました。

それを可能にしちゃうここ最近の技術革新は、ほんとにすごいの一言です。

身近な部分でも、技術の進歩のおかげで「映像」という、少し前は専門的な芸術であったものがどんどん親しみやすいものになりつつあります。youtubeなどでも、パーソナルコンピュータで作ったプロ顔負けの映像が世界中に配信されたり、某大手ファーストフード店の商品を素人の人がリサーチしてネットに流し驚愕の事実が発見されたり。

やや脱線しますが、お笑い芸人の松本人志さんの初監督作として知られる『大日本人』はモントリオールで拝見し、世界観とテーマ性、リズム感に脱帽でした。

技術の革新が関係するのか定かじゃないですが、映画界でも、「その道のプロではない、むしろ別の道のプロ」の人が映画作りに挑戦してみたり、次々と新たな試みが行なわれています。

今まさに開催中の沖縄国際映画祭なども、"ラフ(笑い)・アンド・ピース"をテーマに話題を呼んでいますね。(ちなみに同じ沖縄出身のゴリさんも映画監督初挑戦した映画も公開されるのだとか。楽しみですね~。)

個人的に、ルールや業種の境界線を越えて、色んな人が、撮りたい映画を撮る、撮れる時代って、とっても楽しいことになるのでは、なんて思ってます。

by Takako Miyahira


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春近いモントリオールで久々に...

2009年03月16日 | 映画製作日記

カナダ、モントリオールはこの所、春めいた陽気が続き、道ばたの雪も溶け始めています。さて、久々にモントリオールでブログ執筆陣3人が揃いました。まずは3人のミーティング場所としてよく使っていた近所のカフェで落ち合った後、ユリ・プロデューサーの自宅へ移動。

映画『アンを探して』制作の原点であるユリプロデューサーのお宅の模様を、ちょっとだけご紹介しますね。



貴子監督の隣に座っているのは、ユリプロデューサーの愛犬、バルザック。
(注:監督はいつもはちゃんと机と椅子に座って仕事をしてます。笑)今日はミーティングなので特別)



映画の方は着々と進んでいて、先日、バージョン7(最終バージョンまでもう一息)を見ましたが、う~ん、感無量。素晴らしい仕上がりです。
完成をお楽しみに!

こちらは貴子監督からもらった東京土産。
中原淳一イラストの栞とメモ帳。
さっそくアンの本に挿んで使ってます。




Report by 藤本紀子


中原淳一展

2009年03月10日 | プロデューサーより
映画「アンを探して」でも大切な要素となる中原淳一さんの作品。このたび彼の絵や、スタイル画など500点が展観されます。「もしもこの世の中に『愛する心』がなかったら、人間は誰もが孤独です。」と語ったアーティストの今なお輝き続ける美学です。

会場、日時等詳しくはこちらをどうぞ。

嬉しいハプニングと、最近の風景

2009年03月05日 | お知らせ
ここ一ヶ月の間に人生でこれ以上ないぐらい地球を動き回ってます。

今年1月半に沖縄で多大な協力を得て映画の最後の映像を撮り終えた後、
カナダに戻り、3週間ほど音楽や編集、ポストプロダクションスタッフとのミーティングをすませました。

そして未完成ではありますが作品を納めたDVDを携え、故郷沖縄で行なわれた『アンを探して』を応援する会の未完成DVD上映イベントに参加しました!

その会場で嬉しいハプニングが...。それは、一回目の上映会の後、会場の照明がついたのと同時に起きました。急なお願いにも関わらず、ボランティアで司会を務めて下さった富田めぐみさんは、観客の皆様と一緒にそのとき初めて映画をご覧になっていたのですが....上映終了後、号泣してしまい、進行が勤まらない事態に!しかも、隣にいた私まで、もらい泣きという状態に(苦笑!めぐみさんの涙は、私にとって、最高の褒め言葉となりました。


また、心がホンワカとする嬉しいプレゼントがありました。初めの回に来て下さった方に、「とても感動しました!」とお言葉をいただいた後...その方は、一度会場をあとにしたにも関わらず、なんと近くの花屋さんでバラの花を買ってきて届けて下さったのです。スタッフ一同、嬉しさで言葉を失ったのはいうまでもありません。

他にも、アンケート用紙の裏まで映画の感想を書いて下さった方、次の日にわざわざ会場ホテルを訪れた大正生まれの戦争体験者の方、ご覧になって感涙し、個人的に応援を申し込んでいただいたご夫妻...(そして何年ぶりの急なお願いにも関わらず、駆けつけてくれた沖縄国際大学と那覇高校生の同期のみんなも、仕事中に抜け出してきた先輩も!)沢山の感動の声と、完成を楽しみにしている!との声に、まだ未完成とはいえ、自分の作品が確かに人々の心に届いていることを実感し、最高の作品に仕上げるためには、どんなことにも立ち向かっていける勇気をいただきました。有り難うございます。

その後、私は、休む間もなく私は真夏同然の沖縄を後にし、エンディングテーマのレコーディングで真冬の東京に。

格好良くそびえ立つ東京タワーに負けないぐらい、素晴しく良い音楽を作って頂きました。
(このお話はまたの機会に詳しく!)

本当に一歩、一歩ではありますが確実に、作品が完成度を高めていて、自分ごとながら、ワクワクします。
さて、それから4回飛行機を乗り継ぎ、現在私はまだまだ冬、まっただ中のモントリオールで、映画の詰めの作業に突入しています。


ここはポストプロダクションのオフィスの廊下。

雪はまだ積もっていても、雲間に見える青空が春を予感させます。
花が咲き誇るまで、後もう少し!がんばります。


By Takako Miyahira


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